古代人の石造創作技術に圧倒!明日香村・謎の石造物めぐり!

古代人の石造創作技術に圧倒!明日香村・謎の石造物めぐり!

更新日:2015/09/28 18:13

浮き草 ゆきんこのプロフィール写真 浮き草 ゆきんこ トラベルライター、プチプラ旅専門家、LCC弾丸トラベラー
約1400年前、日本の政治・文化の中心だった明日香村。教科書で習った歴史的政権交代の事件「大化の改新」の舞台となった明日香村は、蘇我馬子・入鹿の塚や天武・持統天皇陵など、時代を動かした有名人物たちが眠る場所となっています。
そんな明日香村には、今なお、解明できていない石造物が点在し、古代史ファン必見の見どころが満載!
今回は飛鳥駅から歩いて回れる、謎の石造物を紹介します。

吉備姫王墓(猿石)

吉備姫王墓(猿石)

写真:浮き草 ゆきんこ

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飛鳥駅を背に大通りを渡り、1本目の道を左へ折れ、まっすぐに行くと、徒歩10分程度で到着するのが「吉備姫王墓(きびひめのみこのはか)」です。吉備姫王は、大化の改新で実権を握った中大兄皇子(天智天皇)、そして弟の大海人皇子(天武天皇)の祖母にあたる人物。

吉備姫王墓が有名になったのは、墓域内にある4体の猿石。4体とも表情、しぐさなどが全く異なり、さらに3体の猿石には裏にも顔があります。墓域内にあるため、裏の顔を見ることはできませんが、柵越しから表面の猿石を見ることができます。この猿石は江戸時代に近くの田んぼから発見されましたが、制作年代や目的は今も不明のままです。

鬼の爼(まないた)・鬼の雪隠(せっちん)

鬼の爼(まないた)・鬼の雪隠(せっちん)

写真:浮き草 ゆきんこ

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吉備姫王墓からよく整備された自転車・歩行者専用道路を登っていくと、鬼の爼・鬼の雪隠と呼ばれる石造物があります。

道路を挟んで上と下に置かれている2つの石ですが、どちらも元は古墳の石室の一部。石室は、花崗岩の石を加工し、底・蓋・扉石の3個の石を組み合わせてできており、鬼の雪隠は、蓋の部分、鬼の爼は底の部分にあたります。

鬼の雪隠は、上にある鬼の爼から横転した状態で置かれています。正面から見てみると、長方形に削られているのが見て取れ、石室の蓋の部分であったことがわかります。

名前の由来

名前の由来

写真:浮き草 ゆきんこ

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石室の底の部分、鬼の爼は階段を登ったところにあります。長さ4m、幅2mの巨大な花崗岩は圧巻!下にある鬼の雪隠と一つだったときは、どのくらいの大きさだったのだろうと想像が膨らみます。

鬼の爼・鬼の雪隠という、面白い名前がついた由来は、霧ヶ峰と呼ばれるこのあたりに住んでいた鬼が、通行人に霧を降らせ、道に迷ったところをとらえて爼(まないた)の上で料理し、雪隠で用を足したという言い伝えから。

伝説といえども怖いですね・・・。

不気味な伝説が残る亀石

不気味な伝説が残る亀石

写真:浮き草 ゆきんこ

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亀石までの道のりは、のどかな明日香村の田園風景が広がります。秋には田んぼに彼岸花が咲き、緑と赤のコントラストが美しい風景を見ることができます。

徒歩10分ほどで、亀石に到着。巨大な花崗岩は、亀のような顔・形に彫刻がほどこされていることから亀石と呼ばれています。こんもりとした山の部分が、亀の甲羅に見えませんか?

この亀石には不気味な伝説が残っています。最初は北向き、次は東に向きを変え、現在は南向き。その昔、亀石が西向きだったときに、このあたり一帯が泥の海と化したという言い伝えが残っています。そもそも、向きを変えるというのが信じられませんが、もし西に動いたら・・・と考えると怖いですね。

ちょっと寄り道して天武・持統天皇陵へ

ちょっと寄り道して天武・持統天皇陵へ

写真:浮き草 ゆきんこ

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亀石から駅に帰るには、そのまま大通りに出て帰ることができますが、ちょっと寄り道しませんか。鬼の爼・鬼の雪隠の方へ戻る途中、天武・持統天皇陵に通じる、細い道があります。舗装されてない山道を行くと、宮内庁の看板が見えてくるはず。森のようになっているところが天武・持統天皇陵です。夫婦合葬墓ですが、規模はさほど大きくなく、歩いて一周できます。

正面の階段を下りると車道に出ることができ、右に進むと飛鳥駅到着です。時間の余裕があれば、駅に行く途中に極彩色の壁画で有名な高松塚古墳もあるので、立ち寄ってみてくださいね。

レンタサイクルもおススメ

今回は、駅から徒歩で行ける不思議な石造物を紹介しました。徒歩ものんびり歩けて気持ちがいいですが、明日香村はレンタサイクルもおススメ。

飛鳥駅前にはレンタサイクル屋が3つあり、料金は一律。行きは上り坂が続くので、体力に自信のない人は、電動自転車もあり便利です。

悠久ロマンあふれる明日香村で、のどかな風景に触れながら、不思議な石造物めぐりをしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。

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