「戸隠古道」とは、戸隠神社五社(奥社、九頭龍社、中社、宝光社、火之御子社)を参拝するための道。現存する古道は、江戸時代に作られたといわれています。当時、戸隠山の麓にあったのは、神社ではなく、戸隠山顕光寺というお寺でした。平安の昔から山岳信仰の拠点として修験者の修行の地だった戸隠山には、近世以降も、多くの僧や信者が往来しました。
戸隠古道の起点は、飯縄山の麓にある一之鳥居(現在は一之鳥居跡)。林の中を縫うように、奥社まで約10kmの道が続きます。新緑の季節などは、木漏れ日が差し込み、大変気持ちよい道ですが、ここから奥社まで1日で歩くには少々難がありますので、今回は初心者でも比較的歩きやすい宝光社を起点としたコースをご紹介します。
スタートは、美しい彫刻が施された戸隠神社宝光社の社殿の北側。「神道(かんみち)」と書かれた看板が目印です。ここから次の火之御子社までは800mほど。杉林と雑木林の樹間を抜けて道が続きます。
提供元:(一社)戸隠観光協会
http://togakushi-21.jp/戸隠古道の道中には、戸隠神社五社はもちろん、史跡や景勝地の目印として黒い石柱が建っています。その数は全部で30本。10年ほど前に地元の観光協会等が中心となって建てたそうです。石柱の上部にはそれぞれの場所の歴史にまつわる図案が彫られ、拓本が取れるようになっていて、拓本を集めるための「戸隠古道拓本集印帳」も地元のお土産屋さん等で販売されています。この「拓本集印帳」には30箇所の拓本ポイントを示す地図はもちろん、歴史的エピソードも満載で、読み物としても面白い内容です。旅の記念にもなりますので、ぜひ入手して拓本を取り集めましょう!
芸能の神様を祀る戸隠神社火之御子社を参拝した後は、中社へ。再び林間に続く神道を辿るのもよし、舗装路の表参道を歩くのもよし。緩い上り坂が600mほど続きますが、足腰の健康のため、がんばって登りましょう!
表参道には戸隠の伝統工芸品・根曲がり竹細工の籠や笊を売る竹細工店や、名物・戸隠そばの老舗が軒を連ねています。また、かつて戸隠信仰の信者の宿として栄えた宿坊(現在は旅館として営業)の歴史的建築群が並ぶ戸隠ならではの景色も楽しめます。この辺りは戸隠の中でも一番そば屋が多い地区。お目当てのおそば屋さんで休憩を兼ねて戸隠そばを食べ、腹ごしらえをしてから歩くのもおすすめです。
標高1200mに位置する中社は、現在では商店や宿坊、民宿などが集合する戸隠の中心部。しかし、意外なことにその創建の歴史は戸隠神社五社の中では一番新しいそうです。
中社参拝の後は、いよいよ奥社へ。中社社殿西側の鳥居を出て駐車場を通り抜け、古道が続きます。
砂利道の古道を歩き始めて100mほどいくと、「女人堂跡」という高札が現れます。その昔、戸隠山は女人禁制の地。女性が奥社(奥院)を詣でることはできなかったのです。女性がこの場所から戸隠山を遙拝したという歴史を伝えるスポットです。
この先は「奥社道」と書かれた道標をたよりに、歩みを進めます。中社から奥社参道入り口までの距離は約2km。道中は一部舗装され、高低差もさほどなく歩きやすい道です。
樹間の道を通り抜け、車道(県道36号線)を横断すると、いよいよ奥社参道です。車で来た人も、ここから先は、全長約2kmの参道を歩かなければなりません。とはいえ、中間地点にある茅葺きの随神門(ずいじんもん)までは平坦な道なので、問題ありません。随神門から先は、テレビCMで有名になった杉並木が続きます。左右に立ち並ぶスギの樹齢は400年以上!その壮大なスケールと神秘的な空気は、日本人なら一度は体感しておきたいものです。
土日祝日やお盆休みは大勢の参拝客で混み合いますので、できるだけ平日、そして早朝の参拝がおすすめです。
杉並木を通り過ぎると、いよいよ険しさを感じる斜面にさしかかります。斜面は石段状になっていますが、所々崩れている部分もあるので、よく気をつけて、ゆっくり進みましょう。500mほど登ると、奥社の社務所が見え、さらにその奥に、奥社・九頭龍社の社殿が現れます。
奥社周辺は紅葉も素晴らしく、例年10月中旬に見頃を迎えます。参拝と併せてぜひ迫力ある戸隠山の絶景も堪能しましょう。
いかがでしたか?今回ご紹介したのは戸隠古道の一部でしたが、先人達の歩いた道を辿りながら奥社を目指すことで、戸隠の歴史への理解が深まることは間違いありません。そればかりか、足腰の運動になることはもちろん、神々とのご縁が深まり、心も浄化され、良いこと尽くしの古道歩きです!
「拓本集印」や「戸隠そば」などのオプションも楽しみながら、ぜひ戸隠ならではのハイキングをお楽しみください。
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