写真:万葉 りえ
地図を見る古都、奈良。
昔歴史の教科書で見た東大寺の廬舎那仏(るしゃなぶつ)のことを思い出す方も多いでしょう。東大寺は大仏殿だけでなく、大きな金剛力士像のある南大門や法華堂などいくつもの国宝を有する広いお寺。敷地内のいろいろな場所で過ごしている鹿の姿を見ながらゆったり周るのがお勧めです。
その敷地内で、修二会(しゅにえ)の行事で有名な二月堂は法華堂の北側に建っています。
昔は旧暦の二月に行われていた十一面観音への法要。大仏開眼の752年から1260年以上。度重なる災禍のときも、戦中の灯火管制の中でも、一度も休むことなく続けられてきたといいます。
写真:万葉 りえ
地図を見る3月1日から14日にかけて行われ、関西では「お水取りが終わると春が来る」といわれるほど地元の人々と深く結びついる行事。修二会を「お水取り」と呼んでいるのは、二月堂下の井戸から香水(こうずい)を汲むことに由来します。
とくに有名なのは12日から行われる達陀(だったん)の行法。黒く、独特の形をした達陀帽と呼ばれるかぶり物をした僧が堂の正面で香水をふりまき、竹や杉の葉で組まれた籠松明(たいまつ)が炎をあげながら堂内を走る様は息をのむほどの美しさ。籠松明は重さが70キロを超すというかなり大きなもので、それがご覧の場所を火がついた状態で走るという勇壮な行事です。
その修二会が行われる二月堂があるのは、大仏殿の東側。写真では欄干の左手に見えているのが大仏殿の屋根です。
写真:万葉 りえ
地図を見る石段を上がると二月堂の前に龍美堂の店もあります。そんなに高い位置に登ったわけではないのに、奈良の町は高いビルが少ないのでここからでも開けた景色が広がります。そして、二月堂は無料で入れるというのも要チェック!
さて、修二会の行事をつかさどるのは、練行衆(れんしょうしゅう)と呼ばれる11名のお坊さんたちです。
行法味噌は、かなりハードは日々を送る練行衆が行力(ぎょうりき)を増すとして食べてきた、東大寺に古くから伝わる秘伝の味噌。大豆やゴボウなどを材料にしてつくる行法味噌を現在でも作り続けているのが龍美堂です。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして、龍美堂で味わえるのが、わらびもちにおはぎ、寒い季節の甘酒やぜんざいなどです。
奈良名物として昔から知られていたのが、わらびの根から取れるでんぷん(わらび粉)で作られてきたわらびもちです。のれんの前で揺れる「わらびもち」の旗に惹かれますよね。
写真:万葉 りえ
地図を見るわらび粉が入ったわらびもちは、黒く緑がかった色をしています。もちろんメニューにわらびもちがありますが、ここ、わらびもちや白玉が入ったパフェも人気です。
アイスの下に手作りのわらびもちや白玉が入ったパフェ。アイスが少し溶けてくると、ふわっトロッとした食感と一緒になって和洋超えた味わいに。自家製のあんこなどとともにあとをひく美味しさを楽しんでください。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして龍美堂でお茶とともに行法味噌も出されたら、ぜひ味わっておきましょう。きっとご飯が欲しくなってしまうはず。この味噌は購入できる場所も限られているし、修二会に縁が深いという点でもお土産にお勧めです。
店内では200年前から使われている茶釜がしゅんしゅんと音を立て来客を待っていることでしょう。一番人気はわらびもちと抹茶のセットですが、ご紹介したわらびもちのパフェも夏場は注文が途切れることがありません。ぜひお試しを。
広い東大寺の境内。眺めと美味しさを楽しみに二月堂へ足を運んでください。
住所:奈良県奈良市雑司町 東大寺二月堂南茶所
アクセス:東大寺大仏殿から東へ約300メートル
2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/17更新)
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