写真:万葉 りえ
地図を見る白河院があるのは京都市美術館や京都国立近代美術館、京都市動物園などがある岡崎公園のエリアです。
ご覧のように中心を貫く神宮道に大鳥居がそびえ立つ岡崎公園。先にあるのはあの有名な小説「細雪」にも登場する平安神宮です。名勝に指定された広い神苑をもつ平安神宮は、「そうだ 京都、行こう」にも取り上げられた桜の名所です。
そんな素晴らしい環境に建っている白河院は、宿泊もできるのですが、昼食だけの利用も可能となっています。
琵琶湖疎水記念館や観峰美術館へは徒歩2〜3分といったところ。そして白河院から東へ行けば、京都でも指折りの紅葉の名所である「永観堂」や「南禅寺」も歩ける近さ!渋滞で困ることもなく、名所への移動も大変スムーズというのは、混み合う時期の京都では見逃せないポイントですよね。
写真:万葉 りえ
地図を見るそんな便利な場所にありながら、観光客で混雑する時期でも周りの喧騒が嘘のように静かな白河院。ですから結婚式の披露宴から小グループの会などいろいろな集まりにも利用されています。
しかも、料亭などでいただく京料理に比べると、お手頃になっている価格設定もお勧めする理由です。お昼は松花堂弁当やミニ会席などの京料理があり、窓の外に広がる眺めも目のご馳走なのです。
その庭の見学は、宿泊や昼食の利用者だけの特権になっています。混雑でゆっくりと紅葉を楽しむことができないという名所もある中で、ここではぜいたくな気分を味わえるのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る京都で庭を巡っていると、「小川治兵衛が作った庭」という言葉を聞くことがめずらしくありません。
この近くに琵琶湖疎水記念館があることを先に紹介しましたね。琵琶湖疎水が計画されていた段階では、琵琶湖から流れてきた水は水車の動力源と考えられていました。しかし水力発電がおこなわれるようになって、水車の動力源としての使用方法がなくなってしまいました。
その水を、京都東山から南禅寺あたりに新しく建てられた別荘の庭に用いたのが作庭家・七代目小川治兵衛です。平安神宮神苑、丸山公園、山形有朋別邸「無鄰菴」など、小川治兵衛が作った庭は国の名勝に指定されているものも多く、この白河院の庭も作品の中の一つです。
東山を借景として琵琶湖疎水を引き込んだ池は、周りの木々が季節の色を映しこみます。池の周りだけでなく植え込みの中にも小道が配されているので、小川治兵衛の込めたものを思いながら散策してみましょう。
写真:万葉 りえ
地図を見るまた、白河院が建っている地はもとは藤原良房(804〜874)の別荘があった地でした。この別荘の地を北家藤原氏が受け継いでいたのですが、やがて白河天皇(在位1072〜86)に献上されます。
白河天皇といえば、幼少の天皇に位は譲ったものの、自らは上皇となって天皇を後見しながら政治を動かすという「院政」を始めた天皇。代々受け継いだ地を藤原氏が天皇に献上したというのには、政治の駆け引きがあったのかもしれません。
この白河天皇によって、別荘であった地は本勝寺というお寺へと変化します。当時は現在の岡崎公園の部分も含む広大な土地を有したお寺でした。この地は千年以上前から雅な趣を持っていた場所なのです。
写真:万葉 りえ
地図を見る白河院の日本庭園は京都市指定名勝になっており、数寄屋造りの別館と合わせて京都らしい風情に浸れます。
さあ、この庭で静かなひと時を過ごして心身ともに充電した後は、永観堂で赤く染まった世界を楽しみましょうか。それとも琵琶湖疎水をたどって南禅寺へ行ってみましょうか。
南禅寺は紅葉だけでなく桜の名所でもあるので、春は平安神宮の桜とともに白河院を組み合わせてみるのもおすすめです。
住所:京都府京都市左京区岡崎法勝寺町16
電話番号:075-7610201
アクセス:地下鉄東西線「蹴上」駅下車 もしくはバス停「法勝寺」
「しがくのやど」となっていて、私立学校の共済に加入の方は宿泊の際に優待価格が設定されていますが、ここは誰でも利用できる施設となっています。日によっては団体の予約も入るので、早めに確認をしておくほうが安心です。
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(2025/1/17更新)
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