写真:渡部 洋一
地図を見る寺社仏閣の宝庫・鎌倉の中でも随一の歴史と格式を備える「円覚寺(えんがくじ)」。その歴史の始まりは鎌倉時代の弘安5年(1282年)に遡ります。
鎌倉幕府執権・北条時宗が元寇の戦没者追悼のため、そして禅道を世に広めたいという願いをこめ、中国僧の無学祖元を招き寺院を創建。その後鎌倉時代を通じて北条氏の保護を受け、後の時代でも幾多の火災に遭いながらその度に再建され、今日に至ります。
臨済宗円覚寺派の大本山として鎌倉五山第二位に序列される名刹は、創建から700年以上経つ現在でも鎌倉有数の観光名所として人気を集め、秋には紅葉の名所としても旅行者の目を楽しませてくれます。
写真:渡部 洋一
地図を見る円覚寺の玄関口・総門から境内に入るとすぐに目に入る巨大な建物が、三解脱(空、無相、無願)を象徴するとされる「三門(山門)」です。楼上には十一面観音、十六羅漢像等が安置される重要な建造物で、円覚寺の境内でも一際強い存在感をまとい聳え立ちます。
重厚感漂う三門と紅葉の見事な共演は、美しき古都の秋を存分に感じることのできる風景であり、まさに必見です。
写真:渡部 洋一
地図を見る円覚寺境内を三門脇から佛日庵へと伸びる道は、まさに紅葉の下を歩く道として人々を魅了します。趣ある石畳の道を艶やかな紅葉が覆い尽くす絶景は息を飲む美しさ。この美しすぎる道をのんびりと歩くなら、そして写真を撮影するなら、人の少ない早朝に訪れるのがおすすめです。
古刹に刻まれた長い長い歴史の生み出す厳かな雰囲気の中で、鮮やかな赤に染まった紅葉の下を歩く時間は、秋の鎌倉観光のハイライトとなるでしょう。
写真:渡部 洋一
地図を見る紅葉に色づく秋の円覚寺で楽しめるのは、赤いもみじだけではありません。境内に立つ巨大なイチョウも、もみじや寺院建築に負けない存在感を放っています。
境内を取り囲む深い緑の樹々を背景に際立つ強烈な黄色は、鎌倉五山第二位の名刹に流れる神聖な空気に洗われ、神秘的な色味となって見る者に迫ってきます。秋の円覚寺を味わい尽くすなら、赤だけでなく銀杏の黄色にも注目です。
写真:渡部 洋一
地図を見る最後にご紹介する紅葉観賞ポイントは、円覚寺の入口であり出口でもある、「総門」です。
門の屋根には真紅の紅葉が覆い被さり、その落ち葉が瓦の凹みに溜まる様は味わい深く日本の秋を象徴するような風景。そして門の中にもその先で色づく鮮やかな紅葉がまるで門を額縁にした絵画のように顔を出し、古都鎌倉ならではの芸術作品を作り上げます。
秋の円覚寺の出口・総門は、まだそこをくぐりたくない名残惜しい気持ちにさせる美しすぎる出口として、これからも旅行者の足を止め続けることでしょう。
鎌倉五山第二位、円覚寺。鎌倉きっての名刹の、紅葉の名所としての顔をご紹介しました。
秋の鎌倉は、紅葉スポットの宝庫。世界遺産への登録を目指す古都で眺める紅葉は、日本の美しさを凝縮した魅惑の風景です。中でも円覚寺を彩る紅葉は、鎌倉屈指の歴史と格調が醸し出す厳かな空気にも飾られて、訪れる者の心に圧倒的なインパクトを残します。
鎌倉・円覚寺の紅葉の見頃は例年11月中旬から12月の上旬。古都が朱色に染まる秋、円覚寺では神聖な境内で燃え上がる美しき紅葉があなたを待っています。
円覚寺へのアクセス、拝観料、拝観時間等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
渡部 洋一
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(2025/2/11更新)
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