西伊豆にある神秘的な「室岩洞」、実は江戸城を支えたアレの産地だった!?

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西伊豆にある神秘的な「室岩洞」、実は江戸城を支えたアレの産地だった!?

西伊豆にある神秘的な「室岩洞」、実は江戸城を支えたアレの産地だった!?

更新日:2015/10/06 17:53

いなもと かおりのプロフィール写真 いなもと かおり 城マニア、観光ライター

静岡県賀茂郡松崎町、西伊豆の美しい海岸や、温泉観光地、「石部の棚田」で知られる同町に、愛称「ストーンドーム」と呼ばれる史跡があります。江戸時代、徳川家は江戸城築城に際し、伊豆石を使用していました。伊豆半島には多くの石丁場が残り、そのひとつだった「岩室洞」。歴史好きでも、そうでない人でも楽しめる!神秘的でディープな世界を探検しにいきましょう。

神秘の空間「岩室洞」

神秘の空間「岩室洞」

写真:いなもと かおり

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松崎と岩地地方を結ぶ国道136号線を南下し、富士見彫刻ラインの海岸を海側へ50メートル程下った場所に、「岩室洞」と書かれた看板があります。

伊豆半島は、2000〜200万年前の長い海底火山時代の後、伊豆全体が隆起し地上へ姿を現しました。その後も何十万年という時間の中で本州への衝突や浸食などを繰り返し現在の姿となりました。そのため、本来は地下に埋もれていたはずの美しい内部構造を直接見ることができます。

海底に降った火山灰や軽石は、縞模様を残したまま時を経て凝灰石になりました。こうしてできた石は、やわらかいため加工がしやすく、また耐久性に優れているため、城を築城する際の石垣として重宝されました。「室岩洞」は江戸時代の後も昭和29年頃まで稼働していた採石場で、閉山後は観光整備され、昭和59年4月に松崎町の観光スポットとなっています。

洞内は、8:30〜17:00の時間帯にライトアップされ、その神秘的な空間を探検することができます。湧水の池も神秘的でロマンチックです!
※4:30以降は危険防止のため中に入らないようにと注意書きがあります。

江戸城の石垣となった「伊豆石」

江戸城の石垣となった「伊豆石」

写真:いなもと かおり

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江戸城は「天下普請」といって諸大名に土木工事を行わせ築いた城です。江戸には石材がなく、遠方地から運ばれてきました。江戸城の石垣は、代表的なもので瀬戸内海産の石、三重県尾鷲産の石、そして伊豆半島産の「伊豆石」があります。伊豆石には、海底に降り積もった火山灰や軽石からなるやわらかい「伊豆軟石」と、溶岩などからなる堅牢な「伊豆堅石」があります。

かつて伊豆半島沿岸には、いたるところに石丁場がありました。伊豆東海岸では、30年以上に亘り、最盛期には石船3000艘が月に2度、江戸を往復し築城石を運搬したといわれております。それだけ多くの石が切り出され、日本史上最大の城郭である江戸城を支えたのです。

ちなみに重宝された伊豆石は、江戸城の石垣の他に土蔵や、倉庫、建物の基礎石、かまど、長州風呂用として広く使用されたそうです。

洞内に入るとそこには…

洞内に入るとそこには…

写真:いなもと かおり

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洞内の広さは約2,000平米、内部を巡る遊歩道は180メートル。迷子になるほどの広さではありませんが、複雑な構造です。

内部では当時の様子を再現した銅像が複数置かれています。壁面は人工的に垂直に削られ、ここから重たい石を運んでいた姿が浮かんできます。四角形で切り取られた石がそのまま土を被って隅に置かれて、「この石たちは400年前の江戸へ運ばれるのを今も待っているのかな」と思うと、なんだか考え深いものがありますね。

石工の技術

石工の技術

写真:いなもと かおり

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石壁を見ていると、様々な線を観察することができます。これらはほとんどが採掘によって刻まれたものです。

縦線は、石材を縦に切り出しながら横方向に進んでいく「垣根堀り」です。横線は、垣根堀りで横方向に掘り進めた後に下方向に掘り下げていく「平場堀り」といい、2種類の採掘方法あります。

運び出された石は、ある程度の大きさまで手割りします。室岩洞では確認することができませんでしたが、伊豆半島の石丁場付近には、石割りする際に付いた「矢穴」と呼ばれる痕跡が表面に残る石が多く点在しています。重すぎて運べなかったり、不要になって運ばれなかった石が道の途中に残され「残念石」という愛称で親しまれ存在しています。

切った石を江戸へ送る方法とは?

切った石を江戸へ送る方法とは?

写真:いなもと かおり

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道路が未開発な上に車もなかったため、何トンにもなる重い石を山を越え江戸に運ぶのは一苦労。輸送方法は唯一、石船での海送でした。

ここで切り出された石は海岸へ降ろされます。船積みする場所を「払い場」や「浜丁場」と呼び、払い場までの道を「石引道」や「石出し道」と呼びます。

眼下には、海底火山で噴出した溶岩が海水で冷やされ砕けながら流れていった「水冷破砕溶岩」を見ることができます。室岩洞の伊豆石は、この溶岩の上に降り積もった火山灰や軽石からできています。

探検だ〜!

実はあまり知られていない、西伊豆の隠れた歴史スポットです。しかも、無料で楽しめる!駐車場は4〜5台程。道路から洞窟までは30メートルほど降りていかなければなりません。階段がありますが、足場は悪いのでお気をつけください。400年以上も前に、ここの石が江戸に運ばれていたのだなと思うと歴史のロマンを感じますね。歴史を感じる旅ができる「室岩洞」がオススメです!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/01 訪問

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