写真:Hiroko Oji
地図を見る北ドイツのハルツ地方にある、木組みの古い家並みがよく保存されていることで人気のあるヴェルニゲローデ(Wernigerode)の町。その町の北外れにある鉄道駅に隣接するのが、ハルツ狭軌鉄道の始発駅です。駅舎内に切符売り場があるのですが、いつでも開いているわけではないので、壁に貼られている表示をご確認下さいね。旧市街からなら、次のヴェルニゲローデ・ウェスト駅が近いです。
この列車には、ハルツカードが有効ですが、48時間と4日間の2種類の内、4日間のものしか利用できませんのでご注意ください。ハルツカードを持っている人は、必ず、窓口で切符に交換しておいてくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る始発駅のホーム横の広い敷地には引き込み線が何本もあって、ホームの端っこにあるコンクリートのテラスから、蒸気を上げる機関車が出発準備をしている様子が見下ろせます。これから乗る車両が準備万端となって堂々と登場してくる姿に、圧倒されそうな威厳を感じます。客車に連結される様子は、見ているだけでもワクワクしてくる時間です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る列車内は椅子もテーブルも木製の、見た目には温かみのある設えですが、真冬は座るとヒンヤリ。1両おきにトイレも付いている車両です。ヴェルニゲローデの駅を出発した後は、暫くは車の走る道路や木組みの民家のすぐそばをゴトゴトと走り抜けていきます。旧市街を通り過ぎ、段々山の中に入って行くと、緩いカーブをいくつも進んでいきます。大きな駅では他からの路線と合流し、乗り換え客の乗り降りがあり、給水作業をする駅では、しばし作業を見学することもできます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るブロッケン山は、1年のうち平均260日は霧が出て、うち100日は1日中霧に覆われていると言われます。しかし運が良ければ、林間を走っている時は車内から見える風景が霧一面の眺めであったとしても、雲を抜けて頂上に近づいた所から青空が広がり、頂上では雲一つない晴天!となる日もあるのです。
ブロッケン山は、年に一回4月30日から5月1日にかけて、魔女が集まって春の訪れを祝って饗宴をする山とも言われ、ハルツ地方で最も高い山です。「最も高い」と言っても、平たい大地のドイツのこと。高い山はバイエルン地方の南端に集中しており、ブロッケン山の標高は1142メートルといったところです。それでも、山頂からの眺めは360度のパノラマ。遮るものなどなく見渡せる風景は格別です。
山頂には、現在ブロッケン博物館をはじめテレコム通信施設やテレビ塔、雲の家といった建物、その近くにはゲーテの像があるくらい。これらの建物は、東西ドイツ統一前には軍の重要施設で、一般人が入れなかったものです。今では蒸気機関車で、誰でも簡単にアクセスできるようになり、ありがたいばかりです。
また山頂周辺には、ハイキングコースがありますので、周囲のハルツ地方に広がる緑の平原を見下ろしながらハイキングを楽しむのもお薦め。ブロッケンには独特の植物が多く、歩くのも楽しくなります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るところで、皆さんは「ブロッケン現象」という言葉をご存知でしょうか。自然現象の一つで、霧が立ち込める山頂に光が水平に差し込むとき、ということは、日の出と夕暮れ時の時間帯になるのですが、光を背にして立つ人の影が霧の壁や雲海に映り、その影の周りに虹色の光の輪が現れる現象をいうのです。ブロッケンでよく観測されることからこの名前が付いたとのことで、巨大な妖怪のように投影されて見えるところから「ブロッケンの妖怪」とも言われます。お天気に恵まれたらこの「妖怪」を探してみて下さいね。
ちなみに写真の建物は終点の山頂駅で、この駅や建物がある山頂を中心として取り囲むように雲海が広がっています。
木組みのお家で名を知られたヴェルニゲローデの町から、蒸気機関車で訪れるブロッケン山への旅もきっと素敵な一日を演出してくれると思います。夏なら観光しやすい運行状況ですが、冬にはかなり減便されてしまいますので、時刻表をしっかり確認されることをお薦めします。また、天候によって、たまに時刻表の分が運行されない場合もありますので、当日切符売り場や乗務員の方に確認された方がより確実です。それでは、当日のお天気に恵まれますことを願っています。たっぷり楽しんできてくださいね!
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(2023/12/7更新)
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