関東の水辺の生きものが集結! 井の頭自然文化園 水生物園

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関東の水辺の生きものが集結! 井の頭自然文化園 水生物園

関東の水辺の生きものが集結! 井の頭自然文化園 水生物園

更新日:2015/10/21 19:05

鷹野 圭のプロフィール写真 鷹野 圭 首都圏自然ライター

井の頭恩賜公園といえば東京有数の自然公園として有名ですね。今回ご紹介するのは、そんな公園内にある動物園「自然文化園」の分園である水生物園。その名の通り水鳥や魚、両生類など池沼に暮らす生きものに特化した動物園兼水族館です。中にはハクチョウや珍しいカモの姿もありますが、そのほとんどは実は関東地方でも見られるもの。言い換えるならば、ここは関東の意外に豊かな自然を知り、楽しむための動物園なのです。

井の頭池と隣接する水場では、ハクチョウが間近に!

井の頭池と隣接する水場では、ハクチョウが間近に!

写真:鷹野 圭

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真っ白な羽毛と大きな身体……誰もが目を惹かれるオオハクチョウやコハクチョウが、この水生物園ではオープンな環境の下で観察できます。写真の「ハクチョウデッキ」は井の頭池に隣接(というより池の一部を整備したもの)しており、周りは井の頭恩賜公園と全く同じで深い緑に囲まれた環境。そのため、あたかも自然の沼で暮らしているかのような光景を、手が届きそうなほど間近でご堪能いただけます。生きているハクチョウに出会う機会は、とりわけ都会では少ないもの。美しいその純白の羽や水に浮かぶ優雅な姿はとても新鮮で、しばし見とれてしまうことでしょう。冬場には遠方からやってきた野生のカモ類が池の仲間に加わり、一層の賑わいを見せます。

ちなみに関東地方では、冬場になると埼玉県の北部や群馬県南部の多々良沼などに毎年冬鳥としてオオハクチョウやコハクチョウが飛来します。決して「関東では見られない北国の鳥」ではないことをよ〜く覚えておきましょう。

まるでオモチャのよう! オシドリの可愛らしさにほっこり

まるでオモチャのよう! オシドリの可愛らしさにほっこり

写真:鷹野 圭

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冒頭で珍しいカモが見られると書きましたが、その中でも色が美しく目を惹く種といえば恐らくこのオシドリでしょう。一言では言い表しにくい、絵本の中から飛び出してきたかのような美しい配色は初見時には驚かされること間違いナシ。その美しさゆえに有名ですし、図鑑などでもごく普通に掲載されていますが、実際に目で見てみると「こんな鳥がいたのか」と思わされることでしょう。水生物園ではケージの中で数十羽が飼育されていますが、一部が放鳥されて井の頭池でも見られることがあります。写真は弁財天のすぐ近くで撮影したもの。オシドリは開けた環境よりも、木に囲まれたやや薄暗い水場を好みますので、周囲に木が多く日陰になっている岸辺などを探してみるといいでしょう。

ちなみに野生のオシドリは、真冬の明治神宮や新宿御苑の水場に行くと高い確率で見られます。こちらはハクチョウとは違い、都内でも比較的コンスタントに出会えるようですね。もちろん、こうした飛来地でも日陰を好む性質は同じですので、バードウォッチングの際には留意しておきましょう。

メタリックグリーンに輝く、お洒落なヨシガモ

メタリックグリーンに輝く、お洒落なヨシガモ

写真:鷹野 圭

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水生物園の屋外ケージでは、オシドリはもちろんのこと、首都圏で見られる多くのカモが飼育されています。その中でも特に優雅で気品のある美しさを誇るのが、このヨシガモ。金属光沢を含む緑色の頭部は真っ先に目を惹くことはもちろん、燕尾服を髣髴とさせるシャレた尾羽も見逃せません。オシドリやカワセミとはまた違った路線の美しさがあり、シンプルな配色は大人受けの良さそうな種といえます。本来はとても臆病で警戒心が強く、近付くどころか物音を立てただけでも飛んで逃げてしまうようなカモですが、ここはあくまで動物園。人間慣れしていますので、ケージ越しではありますが間近でその美しさを楽しんでいただけます。

ちなみに野生のヨシガモですが、一般的な冬鳥として飛来するカモの中では数が少なめ。しかし、意外なことに皇居のお濠で高確率で出会うことができます(ただし冬〜初春限定)。まさか都会の真っ只中にこれほど美しいカモがいるとは思われないのか、鳥愛好家の方以外にはほとんど認知されていないようですね。

「水生物館」でカイツブリの子育てを観察!

「水生物館」でカイツブリの子育てを観察!

写真:鷹野 圭

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水生物園のエントランスから入ってすぐに見えてくる「水生物館」は、コンパクトサイズながらも淡水域に暮らす様々な水生生物を観察できる水族館です。写真は、館入口の目の前に展示されているカイツブリ(2015年2月撮影)。水槽の中で、水草に絡めた浮巣に腰を下ろしています。まんまるな目がどこかユーモラスで可愛らしいこの水鳥は、泳ぐのがとても得意で潜水をして獲物を捕らえます。水槽はやや深めに作られており、タイミングが良ければ潜って食事するシーンを見ることができるでしょう。反面歩くのは苦手らしく、実際この水槽内にも陸地と呼べる箇所はほとんどありません。

上のオシドリやヨシガモなどと比べると決して珍しい鳥ではなく、都内でもごく当たり前に見られるカイツブリですが、このように営巣しているシーンを間近で見られる機会はそう滅多にありません。そして、一般的に“水族館”でこの鳥が展示されているケースも滅多にないため、身近な鳥でありながら間近で営巣や子育てを観察できるのは結構レアな体験だったりします。

都会の公園で普通に見られる生きものも、こうしてシチュエーションが変わると驚くほど新鮮に映るものです。

まだまだいますよ!「不思議な」「面白い」水の生きもの

まだまだいますよ!「不思議な」「面白い」水の生きもの

写真:鷹野 圭

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写真の中央に、泡に包まれた虫のようなものがいるのがわかりますでしょうか? これはミズグモといいます。見た目はよく見かけるクモと大差なく、実際糸を張るところまでは普通のクモと同じなのですが、彼らミズグモは糸の中に気泡を貯めることによって巣をつくり、何と一生のほとんどを水の中で過ごすという不思議な種なのです。日本を含むアジアからヨーロッパにかけて広く分布するのですが、非常に綺麗な水でしか生きられないらしく、とても小さいこともあって野生のものにお目にかかれることはほとんどありません。恐らく水生物館では最も体の小さな生きものですが、その奇抜なライフスタイルと希少性からか人気が出て、水槽の前にはいつも人だかりが! ひとつの「目玉」として、エントランスのすぐ近くに展示されています。

この他にも、淡水魚やカエルなど水辺の生きものが多数展示されています。特にカエルの種類が豊富ですが、そのほとんどは実は東京都内のどこかに生息しているものばかり。館内一周だけなら約15分で十分とコンパクトサイズな水族館ですが、井の頭から東京ひいては関東圏の水辺の生態系に特化した展示は大変勉強になるはずです。都内でなかなかカエルなどに出会う機会のない、お子さんに特におススメです。

ここをきっかけに、ぜひ首都圏の水辺めぐりを!

水生物園はあくまで分園であり、水族館もありますが決して大きいものではありません。1時間もあれば水族館も含めて粗方見て回ることができてしまいます。そのため、レジャー施設としては少々物足りなさを覚える方も多いことでしょう。しかし一方で、東京近郊の水辺に暮らす代表的な生きものが集まっており、短時間で身につく知識はとても豊富。ここで一通り生きもののことを学んでから近場の親水公園を回ってみると、散策やバードウォッチングなどがより楽しくなることは間違いありません。ここを拠点として、首都圏の意外と美しい水辺景観を色々と回ってみてください。

【概要】
入園料/400円(本園にも入園可能)
休園日/月曜(月曜休日の場合は原則翌日休園)
    年末年始(12/29〜1/1)
開園時間/9:30〜17:00
アクセス/各線「吉祥寺駅」より徒歩10分

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/15 訪問

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