息をのむほど美しい、紅葉の中へ、丹波もみじめぐりの一日旅

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息をのむほど美しい、紅葉の中へ、丹波もみじめぐりの一日旅

息をのむほど美しい、紅葉の中へ、丹波もみじめぐりの一日旅

更新日:2015/10/20 15:50

和山 光一のプロフィール写真 和山 光一 ブロガー

秋になると丹波霧と言われる朝霧が発生し、丹波の美しい風景が、幻想的な景色に包まれます。また年間の寒暖差、昼夜の温度差が激しく、それが一層の紅葉美を引きだし、古刹・名刹を彩る紅葉も見事です。なかでも石龕寺、円通寺、高源寺は「もみじ三山」と呼ばれ、車で国道175号、県道7号、国道427号と北上しつつ巡ることができます。それぞれの寺院の趣の異なる紅葉を楽しみながら、お気に入りの寺院を探してみてください。

聖徳太子開基とされる古刹にして、足利氏ゆかりの石龕寺

聖徳太子開基とされる古刹にして、足利氏ゆかりの石龕寺

写真:和山 光一

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丹波市山南町の「岩屋山 石龕寺」は、丹波もみじ三山のひとつで、用明天皇の丁未年(587)年に、聖徳太子が開基したと伝えられる丹波の古刹です。石龕とは石窟の意で、太子が見つけたという毘沙門天像が安置されていた石窟は、奥の院となっています。さらに太平記には、足利尊氏が弟・直義との戦に破れて京都から播磨へ逃れる途中、息子の義詮らと身を寄せたと伝えられるゆかりの名刹でもあります。仁王門を守るように立つ金剛力士像は、仁治3年(1242)、当時59歳の鎌倉時代の仏師・肥後法橋定慶の作品で、東大寺のそれと勝るとも劣らない秀作です。

この門をくぐり、本堂へ続く石仏が並ぶ趣きある石畳の道は、渓流に沿うように続き、深い赤色に染まった紅葉の道です。境内では700〜800本ものイロハモミジ、イチョウ、コウヨウザンなどが色づき、秋の情緒に浸れます。本堂を過ぎ、石段を上った毘沙門堂からの紅葉もまた絶景です。山岳信仰の寺らしく、秋の足音が深く、濃く、静かにしかし燃えるような鮮やかさで境内を染め上げていきます。

石灯籠の並ぶ参道の紅葉は絶好の撮影ポイントである高山寺

石灯籠の並ぶ参道の紅葉は絶好の撮影ポイントである高山寺

写真:和山 光一

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県道7号を通り、北近畿豊岡自動車道氷上ICを越え、丹波市役所の近くにあるのが「弘浪山 高山寺」です。真言宗大覚寺派別格本山で、天平宝宇5(761)年に法道仙人が弘浪山の山中に開基したと伝えられる古刹。鎌倉時代に源頼朝の命で東大寺住職の俊乗坊重源が復興したとされています。昭和33年(1958)に本堂などが現在の場所に移築され、紅葉の名所として知られます。

通し貫などのある重層の朱塗りの仁王門をくぐると、参道に並ぶ石灯篭と燃えるような赤や朱色の紅葉がまるでトンネルのように参道を彩り、落ち葉が絨毯のようにあたり一面を染める様も見事なのです。また、石仏やお地蔵さんが境内のあちらこちらに佇み、見つけるたびになにやらやさしい気持ちになります。

滝の音に導かれ、深山幽谷の景観を愛でる岩瀧寺

滝の音に導かれ、深山幽谷の景観を愛でる岩瀧寺

写真:和山 光一

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県道7号沿い、丹波市氷上町に「浅山不動尊 岩瀧寺」があります。弘仁年間(809〜823)に、嵯峨天皇が住吉明神の霊夢により弘法大師をこの地に巡錫され、大師によって創建されたという歴史ある寺院です。厳かな岩窟に祀られたご本尊の不動明王は、弘法大師が一夜にして完成させたと伝えられています。茅葺きの本堂や山門を彩る紅葉はひなびた風情に包まれ、しみじみとした美しさ。三方を深山に包まれた広大な境内では木々が随所で色づいています。大正天皇即位を記念して建てられた、鐘楼を冠した山門に続く石段の両脇の紅葉も目に鮮やかで、この山門では「源氏物語千年の謎」のクライマックスシーンが撮影されたのでした。

山門をくぐって境内を歩き、渓谷沿いに歩くこと約10分、突きあたりに現れるのが、白い水飛沫を上げて流れ落ちる、落差20Mの「独鈷の滝」です。その昔、滝壺から毒蛇が出没して村人を困らせていたところ、弘法大師が密教法具の独鈷を投げ入れ、蛇を成仏させたという伝説が残っています。

足利義満ゆかりの禅宗の名刹、放生池からの眺めに時を忘れる円通寺

足利義満ゆかりの禅宗の名刹、放生池からの眺めに時を忘れる円通寺

写真:和山 光一

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岩瀧寺と県道7号を挟んで反対の氷上町に、丹波もみじ三山のひとつ、「永谷山 円通寺」があります。南北朝時代永徳2(1382)年の正月に、時の将軍足利義満が後円融天皇の勅命を受け建立した、禅宗の名刹です。室町時代から江戸末期まで、200余りの末寺と千石を越える寺領を有し、但馬、播磨、摂津にかけて君臨していたそうです。

秋が深まるにつれ、境内やその周辺では、イロハモミジやヤマモミジ、ドウダンツツジなどが色づき、日本画の世界に迷い込んだようです。特に樹齢約700年と伝えられる御神木に見守られた放生池の辺りから見る眺めは格別で、晴れた日には水面に映る紅葉にも目を奪われます。わずかな風に水面が揺らぎ、波打つ紅葉も風流そのものなのです。また参道に散ったモミジの葉も風情があります。

修行の地より持ち帰った天目カエデが今も息づく高源寺

修行の地より持ち帰った天目カエデが今も息づく高源寺

写真:和山 光一

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最北の青垣町にある「西天目瑞巌山 高源寺」は、丹波もみじ三山のひとつで、自然豊かな岩屋山の山麓、三丹随一と称されるほど紅葉の美しいお寺です。青垣にあった山垣城の城主・足立遠政の曾孫にあたる遠谿祖雄(えんけいそゆう)禅師の開山により、正中2(1325)年に創建されたと伝えられている臨済宗中峰派の本山で、境内には惣門・山門・仏殿・方丈・鐘楼・多宝塔などの伽藍があります。

禅師の修行の地、中国杭州の天目山より持ち帰り境内に植えられのが「天目カエデ」で、枝が垂れ下がるようにのび、小さく切れ目が深い葉が赤や黄に色づく姿は、どこか可憐で凛としています。広大な境内にカエデは約2千本、そのうち現在は約200本もの天目カエデが植えられています。入口の惣門から山門への参道は、まるでモミジのトンネルのようです。鐘楼や三国伝来の毘沙門天が祀られている多宝塔を望む景観も、思わず息を呑む素晴らしさです。

まだまだあります丹波のもみじめぐり

丹波市観光協会から「秋を恋う 丹波もみじめぐり」というパンフレットが発行されています。そこには、丹波のもみじめぐり9ヵ寺が掲載されていて、今回紹介させていただいた5ヵ寺以外にも南から山南町の小新屋観音、慧日寺、県道7号沿いの氷上町に白豪寺、達心寺が掲紹介されています。どのお寺も歴史を感じさせる佇まいと本堂・山門を彩る紅葉には心が癒されます。是非、パンフレット片手に、ゆっくりした時間の流れの中で、丹波の秋を満喫してみて下さい。

パンフレットは県道7号沿いの道の駅「あおがき」や国道175号沿いの道の駅「丹波おばあちゃんの里」に置かれています。また、さんなん、ひかみ、かいばらの各観光案内所にもありますので、手に入れてみてください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/16 訪問

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