一の湯グループでは、箱根をドミナントエリアとして8軒展開しています。新しく建てられたモダンな施設も多いのですが、「一の湯本館」は寛永7年(1630年)創業にして有形文化財にも登録された佇まいは、老舗というに相応しい存在感です。
一の湯が人気を博する一番の理由、それは手頃な料金です。1泊2食で8000円〜と箱根の格安旅館の先駆けでもあります。また、露天風呂を配した客室も多くあり、通常、客室露天風呂付きとなれば相当な出費を覚悟しなければなりませんが、一の湯グループでは、1泊2食12500円〜で利用できます。(表記はラックレート/税別)
そんな一の湯グループで異色なのが、塔ノ沢一の湯本館近くに立地する『塔ノ沢 キャトルセゾン』です。建物自体は古く、壁に大きく書かれたローマ字体の表記も旧態型のホテルといった感じですが、館内はリニューアルがすすめられており快適に過ごせます。
温泉も思う存分楽しみつつホテルステイの機能性、快適性も堪能するシンプルな「温泉特化型ホテル」ともいえそうな施設です。滞在に不必要と思われる余計なサービスを排除したリミテッドサービスで低廉な料金を実現しています。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る今回はリニューアルされた505号室へ滞在しました。入口で靴を脱いで入室するあたりは旅館の和室と同様ですが、ダークトーンの真新しいカーペットは清潔感が高くストレスフリーです。また、壁付けの大画面液晶テレビ、ソファセットなど寛ぎのホテルステイが体感できます。
ベッドは、掛布団が真っ白なボックスシーツで包まれた「デュベスタイル」が採用されています。高級ホテルでよく見かけるスタイルです。実際横になってみると、肌に触れるのは常に真新しいシーツ部分で心地よい眠りが約束されます。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る塔ノ沢 キャトルセゾンの特徴は、客室の大きな窓からの景観と渓流サウンドです。春から夏にかけては、川を覆い隠さんばかりにせり出した木々の緑、紅葉の秋には黄金から紅のコントラスト、薄墨色の真冬もまたしっとり、四季を存分に感じられます。眼下の渓流は自然感たっぷりといった様相で、そのダイナミックな水の音に心が和みます。
リニューアルされた客室は、ブラウンを基調としたコントラストでまとめられています。客室に入った途端、大きな窓から差し込む四季の色と、客室のコントラストにしばし癒されることでしょう。
写真:瀧澤 信秋
地図を見る一の湯チェーンでは、夕食メニューが日々研究されていますが、宿泊日に提供された内容には驚嘆。まずは、色合いも鮮やかな「冷製トマトのすり流し」。海老、そしてチーズまで浮かんでいる。すり流しというよりは「和風ガスパチョ」というイメージです。
一の湯チェーンの夕食で名物の「箱根山麓豚のセイロ蒸し」に加え、グリーンカレー風に仕立てられた濃厚な「鶏と彩り野菜の煮込み」など、食べ終わってみれば充分な量と内容です。満足感の高い夕食が楽しめました。
2015年10月1日より夕食メニューが「箱根山麓豚のしゃぶしゃぶ」がメインのコースに変更されました。こちらも内容充実の夕食です。あまりの美味しさにガイドも唸った「一の湯特製のかつお醤油たれ」とポン酢で楽しめます。
いずれにせよ、格安施設でこの夕食は大満足です。
安かろう悪かろうといった激安施設も多い中で、ただ安いだけではない、常に利用者の満足度を上げるためのたゆまない努力がみられる一の湯チェーン。その中でも、塔ノ沢 キャトルセゾンのシンプルな温泉特化型ホテルステイでは、ただ「激安」というだけではない、このクォリティでこの安さ、という「格安」をきっと実感できることでしょう。
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(2024/12/13更新)
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