写真:bow
地図を見る京都にある臨済宗妙心寺派の大本山妙心寺は京都を代表する禅寺の一つ。国宝に指定されている妙心寺の梵鐘は製作年代の明らかな日本製の梵鐘としては最古のものとされています。そんな梵鐘は除夜の鐘で知られるように人間の煩悩を除くための存在でもあります。
普段は非公開寺院である妙心寺塔頭の一つ「東林院」。こちらで毎年秋に行われる「梵燈のあかりに親しむ会」は梵鐘ならぬ、「梵燈」という小さなともしびを用いた催しで秋の京都では人気イベントの一つです。
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地図を見るお寺の灯りという意味が込められた「梵燈」は、ご住職手づくりの灯り瓦。これにロウソクを灯してその灯りだけに包まれた空間に身を置くというのが「梵燈のあかりに親しむ会」の醍醐味。
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地図を見るカテゴリーとしてはライトアップイベントの一つとしたいところですが、目立つのは暗さ!庭園に関しては梵燈の灯りのみで、方丈内部もごくごくわずかな照明だけしか用意されていません。むしろ暗さを味わうための催しといっても過言ではないほどです。
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地図を見る「梵燈のあかりに親しむ会」のメインとなるのは「蓬莱の庭」。ここでは、毎年禅の教えである『禅語』の教えの中から2〜3文字を梵燈の灯りで表現しています。印象的な梵燈による禅語の文字と共に白砂や草木が梵燈に照らされて浮かび上がり、あたりはまさに幽玄そのものといった雰囲気に包まれます。
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地図を見る禅語の教えは庭園に辿り着くまでにその年のテーマの説明が記されていますので、予習をした上で「蓬莱の庭」へと進みましょう。
また、「蓬莱の庭」を見ながらお茶とお茶菓子をいただける茶席も設けられています。暗がりの中でいただく一服もまた、心を落ち着かせてくれますのでお茶席にも足を運んでみましょう。
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地図を見る約400本ものロウソクを用いた梵燈の明かりが揺らめく、ほの暗い「蓬莱の庭」。それを前に坐しているといつの間にか心拍数も落ち着きリラックスしてきます。不思議なものですが、暗さと静けさとは連動するもの。そこにいれば音を立てることすら憚られる、そんな空気も漂っています。
電気による灯りを廃された空間。日常世界とは乖離した普段感じられない静寂に没頭してみると、知らないうちに心が穏やかになり自分を俯瞰する感覚に陥ってきます。俗世間に身を置く日々では味わえない、禅寺で過ごす自分を見つめなおす貴重な機会。これが「梵燈のあかりに親しむ会」の人気の秘訣なのでしょう。
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地図を見る普段は非公開の妙心寺東林院は、宿坊として利用できることが知られていますが、それを除けば夜に足を踏み入れることは「梵燈のあかりに親しむ会」以外にはありません。
そんな東林院へと辿り着くまでの時間も、暗さと静けさを味わう前哨戦のようなもの。広大な妙心寺の境内は夜になるとひっそりと静まり返っています。そんな中、道標を頼りに時代劇のセットの中のような境内を歩く感覚は非日常そのもの。東林院までの道程の雰囲気も存分に味わってみてください。
住所:京都府京都市右京区花園妙心寺町59
電話番号:075-463-1334
開催期間:2018年10月12日(金)〜21日(日)
拝観時間:18:00〜21:00(受付は20:30まで)
拝観料:500円
アクセス:JR嵯峨野山陰線「花園」下車徒歩約8分、京福電車(嵐電)「妙心寺」下車徒歩約15分、市バス「妙心寺前」下車徒歩5分
※2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/28更新)
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