古代の味を堪能!アテネ「アルヘオン・ゲフシス」の古代ギリシャ料理

古代の味を堪能!アテネ「アルヘオン・ゲフシス」の古代ギリシャ料理

更新日:2015/10/19 18:13

澁澤 りべかのプロフィール写真 澁澤 りべか 西洋史ブロガー
ギリシャの首都アテネ。この街は古代ギリシャを代表するポリス(都市国家)として紀元前5世紀に最盛期を迎えました。
アテネの「アルヘオン・ゲフシス(古代の味)」は当時の料理を再現しているレストラン。『世界ふしぎ発見!』(TBS)や『137億年の物語』(テレビ東京)でも紹介されたことがあり、メニューだけでなく内装も古代ギリシャ風。まるで2500年前にタイムスリップしたかのようです。

扉の向こうは古代世界

扉の向こうは古代世界

写真:澁澤 りべか

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古代ギリシャレストラン「アルヘオン・ゲフシス」は住宅街の中にあり、石造りの壁とギリシャ語の看板が目印です。
古代の衣装に身を包んだ店員さんが案内してくれ、店内は古代ギリシャをイメージした装飾や調度品にあふれています。壁にはパルテノン神殿を飾っていたレリーフ「壷を運ぶものたち」(北側フリーズ)を模した浮き彫り。そして部屋のあちらこちらになぜか寝椅子が・・・。

「シンポシオン」もできる!

「シンポシオン」もできる!

写真:澁澤 りべか

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実は古代ギリシャでは、食事は寝そべってとるものでした。そして男性たちが集い、寝椅子に横たわって食事をとりつつ政治談議や哲学談義に花を咲かせる宴会を「シンポシオン」と呼びました。シンポシオンはプラトンの著作のタイトル(『饗宴』)にもなっており、シンポジウムの語源でもあります。

客は通常、椅子とテーブルで食事をしますが、「シンポシオン・コース」(5名以上)を事前に予約すれば、寝椅子を使った本格的なシンポシオンが体験できます。古代の衣装やサンダルも貸してくれるので、まさに古代ギリシア人気分!

古代ギリシャの味とは・・・?

古代ギリシャの味とは・・・?

写真:澁澤 りべか

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メニューは、古代アテネが繁栄を極めた紀元前5世紀ごろの再現。当時のギリシャにないものは使っていません。つまりインド原産の胡椒、アメリカ大陸原産のトマトやジャガイモ、なす、トウモロコシなどは使いません。

まずはワインを選びます。赤と白、それぞれに甘口と辛口があります。食器もすべて古代風なので、素焼きのピッチャーでワインが出てきます。カップも素焼き。ワインを頼むと、水(チェイサー)をつけますか、と聞かれます。
古代ギリシャではワインは水で割って飲むものでした。現在よりもアルコール度数が高かったのでしょう。ワインをそのまま飲む人は「生酒(きざけ)飲み」と言われ、大酒飲みとか酔っ払い、という意味の悪口になりました。

写真のサラダは「エウゾメア」。ルッコラとレタスが主で、干しイチジクやアプリコット(あんず)を小さくカットしたものや、レーズン、ざくろ、ナッツ類、ヤギのチーズが混ざっており、蜂蜜ベースのドレッシングがかかっています。
中央のチキンナゲットのようなものはチーズのフライ。ソースはベリー系の甘酸っぱいもの。
パンとオリーヴはお通しのように勝手に出てきます。

「古代にフォークはありません」

「古代にフォークはありません」

写真:澁澤 りべか

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写真はポーク・パンチェッタのソテー「クレオカカボス」。厚切りの豚ばら肉をこんがり焼いて、蜂蜜、タイム(ハーブの一種)、お酢でつくったソースをかけてあります。つけあわせはマッシュしたヒヨコマメ。
もう想像がつくと思いますが、味付けは全体的にほんのり甘い、もしくは甘酸っぱいです。ベリーや蜂蜜、ハーブがよく使われます。(サトウキビは新大陸原産なので紀元前のヨーロッパに砂糖はありません)

古代ギリシャでは手で食事していました。このお店では何も言わなくてもナイフやフォークを出してくれますが、店員さんに「当時は存在しなかったものですよ」と念を押されます。
ここまで来たなら、やはり手食に挑戦しましょう!手で食べるとフォークを使うよりなぜかおいしく感じます。

最後に

メニューの数が豊富で、詳しい英語の説明が併記されています。お客さんのほとんどが外国人観光客なので当然英語が通じます。お店の人も親切です。アテネでちょっとしたタイムスリップ体験、いかがでしょうか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/02/10 訪問

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