独メルヘン街道の出発点・ハーナウの街で楽しむクリスマスマーケット

独メルヘン街道の出発点・ハーナウの街で楽しむクリスマスマーケット

更新日:2015/10/23 13:38

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドイツに数ある街道の一つに、メルヘン街道という、グリム兄弟とその童話や伝説にゆかりの地を結ぶ観光街道があるのをご存知でしょうか。ハーナウの街を出発点とするのですが、それは、ドイツのメルヘンを集めた童話集を、ハーナウで生まれたグリム兄弟が編集したことから由来しています。
フランクフルトのベッドタウンとしての役目も果たす近代的な街ですが、マルクト広場ではドイツらしいクリスマスムードを楽しめます。

ハーナウはグリム兄弟の生誕地

ハーナウはグリム兄弟の生誕地

写真:Hiroko Oji

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ドイツのメルヘン街道は、フランクフルトから東へ20キロメートルほど行ったところにあるハーナウ(Hanau)を出発点とし、童話「ブレーメンの音楽隊」の動物たちが目指した町ブレーメン(Bremen)が終着点の街道です。このハーナウは、童話で有名なグリム兄弟の生誕地として知られており、町の中心地・マルクト広場にはヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟の像が建てられています。像の足元には、兄弟の名前と、ここがメルヘン街道の出発点であることを記したプレートがはめ込まれています。

彼らが編纂したドイツのメルヘン集が『グリム童話』と言われ、「赤ずきんちゃん」「狼と七匹の子ヤギ」「白雪姫」「ヘンデルとグレーテル」・・・などは、人々に広く知られている童話ですね。

市庁舎の窓は世界最大のアドベントカレンダー!

市庁舎の窓は世界最大のアドベントカレンダー!

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場に面して、堂々たる姿を見せている市庁舎の窓は、ヘッセン州最大、いや、世界最大ともいえるアドベントカレンダーになっています。「アドベント」とは、クリスマスまでの期間に日数を数えることで、市庁舎の窓がカレンダーとなり、窓が毎日一つずつ開いてメルヘン溢れる絵が登場するのです。24個ある全ての窓を開け終わると、クリスマスを迎えたことになり、毎日どんな絵が登場するかも楽しみの一つとなります。

ハーナウの市庁舎と同じように、市庁舎の窓を使ったアドベントカレンダーは、シュヴァルツヴァルト地方にあるシュトゥットガルトやゲンゲンバッハの町などでも見ることが出来ます。

クリスマスマーケットで賑わうマルクト広場

クリスマスマーケットで賑わうマルクト広場

写真:Hiroko Oji

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町の中心地となるマルクト広場は、本来ならとても広い敷地なのですが、このクリスマス時期ともなれば、クリスマスマーケットの屋台や、電飾の綺麗なメリーゴーランドや観覧車などの乗り物が埋め尽くし、大勢の人で賑わいます。

中央には、クリスマスピラミッドという木製の装飾品を大きくしたようなクリスマスタワーという仮設の塔が建てられ、そのもとではグリューワインなどを求めて人々が集まってきます。屋根や窓口を飾り立てた山小屋のような可愛らしい屋台では、夜になると電飾がともり、ロマンティックにクリスマスムードを盛り上げます。

ホカホカのお料理を食べ歩き

ホカホカのお料理を食べ歩き

写真:Hiroko Oji

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クリスマスマーケットでは、冷え切った体を温めるにふさわしい食べ物や飲み物が、あちこちで売られています。大きな鉄板では何種類ものソーセージやお肉が焼かれ、パンにはさんで食べ歩きやすいように渡してもらえます。写真のような大きなお鍋では、お肉やベーコン、玉ねぎやキャベツ、きのこなどが煮込まれて、紙製の器に入れられます。これも食べながら他の屋台を見て周るのにちょうど良く、楽しみながら心も体もホカホカになります。

また、ドイツのクリスマスケーキ・シュトーレン(レーズンやレモンピール、ナッツ、香辛料などが入ったパウンドケーキ)や、食べるのが勿体なくなるような可愛い形やデザインのレープクーヘン(蜂蜜や香辛料、柑橘類の皮やナッツを使ったクッキーの一種)などは、目も楽しませてくれます。さらに、マグカップでいただくグリューワイン(砂糖やシナモンやオレンジなどのスパイスが入っているホットワイン)も忘れてはならないものの一つです。

ドイツらしい木組みの置物や木製の装飾品もクリスマスアイテム

ドイツらしい木組みの置物や木製の装飾品もクリスマスアイテム

写真:Hiroko Oji

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食べ物や飲み物だけではなく、お土産になりそうな装飾品や置物の屋台も軒を並べています。クリスマスツリーに飾るオーナメントはもちろんのこと、ロウソクやツリーなどを模った木製の置物やクリスマスピラミッドもあります。クリスマスピラミッドというのは、室内に飾り、台にとりつけたロウソクを灯すと上部の羽根や小さな天使などの人形の飾りが回るしかけになっているものです。

また、ドイツならではの素敵な木組みの家が、陶器のミニチュアとなって売られているのも興味を引きます。住んでみたいお家を見つけてお土産にするのも、いい思い出になることでしょう。小さな家の中から灯りが漏れる様子が、何とも言えずロマンティックです。

最後に

ハーナウは、近代的な大きな街で、ドイツらしい木組みの建物はゴルトシュミーデハウス(この地方特産の金銀細工が展示されています)くらい。市庁舎の北側へ二筋ほど行ったところにひっそりと建っていますが、とても立派な建物ですので、ちょっと足を延ばすのにちょうどいい所です。他にも見所と言えばフィリップスルーエ城がありますが、中心地からは2キロメートルほど離れています。なので、中心地で楽しめるのはマルクト広場周辺!クリスマスマーケットをたっぷり楽しむにはちょうどいいかもしれません。

ハーナウには、鉄道駅が中央駅と西駅の二つがあり、クリスマスマーケットの開かれるマルクト広場へは西駅の方が近いです。西駅から徒歩でも行けますが、多くの列車が停まるのは中央駅の方。中央駅からなら、1・5・7番のバスを利用なさる方が便利でしょう。

ハーナウはグリム兄弟の生誕地とされていますが、彼らの生家は、第二次世界大戦で破壊されてしまい、残念ながら現在はフライハイト広場という商業施設並びにバスターミナルとなっているため、見ることができません。ただ、その弟のルードヴィヒの生家を示すプレートが、ランク・ストリートの41番地に残っていますので、興味のある方はどうぞいらしてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/12/15 訪問

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