写真:SHIZUKO
地図を見る『蓬莱』と名の付く場所は全国に数々あれど『蓬莱峡』といえば兵庫県西宮市にある蓬莱峡のことを指します。蓬莱とはそもそも、理想郷を意味する言葉ですが、裏六甲に位置する蓬莱峡は、バッドランド(悪地)と呼ばれる荒涼とした場所。人が近づくことを拒むかのような、もろい花崗岩とその上に堆積した砂礫で形作られたのこぎり状のギザギサの山容は、とても異様な風景。
京阪神近郊からのアプローチがとてもいいので、人気のスポットになっています。阪急・JR宝塚駅からバスでたったの15分。バスが幹線道路から山の方に入ったと思ったら、すぐにこんな別世界に出会えます。
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地図を見る蓬莱峡は、関西のロッククライミング入門スポットとして大人気の場所。座頭谷でバスを降り(蓬莱峡というバス停がありますが、決してそこまで行かないように)て、少し下って行きます。かつてはキャンプ場だったと思しき場所を過ぎて、川に降り、渡った先に屏風岩があります。ここがロッククライミングの練習場。
「ロッククライミングって?」「なぜ、岩を登る練習をわざわざするの?」と疑問を持つ方もいるでしょう。緑豊かな低山ハイクでは岩登りはなくても、森林限界を超えた標高の高い山へ行くと、岩稜帯を登ることに。より高みを目指すなら、岩に慣れておく必要があります。つまり入り口は高みを目指すことです。ロッククライミングそのものの楽しさ、醍醐味は、全然別物。同じ山でも、登るルートが全く違います。鍛え方もテクニックも、かなり高いハードル。でも、入門は誰でもできますし、とても楽しいのでチャレンジしてください。
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地図を見る蓬莱峡の練習ゲレンデには『小屏風岩』と『大屏風岩』があります。まずは、岩にくっついて、横移動=トラバースの練習から。岩を触って、岩になれることが第一です。簡単そうだけど、意外に難しくて、すぐに墜ちてしまったり。長い距離が歩けなかったり。高さはないので、危険度はほぼゼロ。自分一人で練習のできる課題です。その間に、ガイド先生がトップロープの準備をしてくださいます。
横移動の後は、お待ちかねの縦移動。トップロープという方法で登ります。高い位置に固定されたロープを支点として、ロープを繋ぎあって、もし手や足が滑っても、落ちないように安全を確保してもらって登ります。これが楽しいんです。自分一人では絶対に登れない岩も、トップロープの安心感とフォローで、ぐいぐいと登れ、登り切った達成感は極上です。
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地図を見る大屏風岩は、小屏風岩に比べてかなりの高さがあります。こちらではアルパインクライミングの入り口を体験させていただけます。トップロープの場合は、登ったら降りるを繰り返しますが、マルチピッチと呼ばれる高くて長い場所を登るための方法は、確保してくださる方が先に登り、その場所で安全を確保して残りのメンバーを登らせ、また次の場所に登っていくというロープワークを繰り返します。何箇所かルートを変え、上まで登ったら、歩いて降りて、場所を変えて、またまた登るという楽しいレッスン。
大屏風岩は、午後には直射日光が当たり、背中が暑くてたまらない。夏は登ることが難しいので、いい時期を選んでチャレンジして下さい。
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地図を見るクライミング体験は、決して一人でできるものではなく、登山用品ショップの登山学校や各種ツアー・講習会を利用して、まずは体験してください。それなりに揃えなければならないものもありますから、準備も必要です。アウトドアはちょっと…、という人にはインドアでの体験もできます。最近あちこちにオープンしているボルタリングジムに行ってみるのもいいかも。岩を登るという身体の使い方が理解できるし、まずは、登ってみるという初めの第一歩が記せますよね。普段の生活では、あまり使わないバランスのとり方や足運びなど、丁寧に教えていただけるので、こちらもお勧めです。
毎日毎日、同じ道を通って同じ電車に乗って…。そんな生活にふと疑問を感じたら、始めてみましょう、新しいこと。ロッククライミングはもちろん危険を伴うスポーツですが、入門編では大丈夫。でも、達成感と感動は別格のものです。奇石が並ぶ蓬莱峡で、ぜひ、新しい世界への扉を開いてみて下さい。
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(2025/1/17更新)
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