台湾のウユニ塩湖!?一度見たら忘れられない「高美湿地」の鏡張りの絶景!

台湾のウユニ塩湖!?一度見たら忘れられない「高美湿地」の鏡張りの絶景!

更新日:2018/07/26 12:34

吉川 なおのプロフィール写真 吉川 なお 台湾在住ライター、元旅行会社勤務の旅行マニア
南米のボリビア西部にある広大な塩の大地「ウユニ塩湖」は、空が湖面に映る「天空の鏡」で知られる景勝地。一生に一度は見てみたい絶景と評判ですが、なんと、台湾にもウユニ塩湖のような鏡張りの光景が見られるスポットがあるんです!

第二のウユニ塩湖とも呼ばれる「高美湿地」は台湾中部の西海岸にある湿地帯。ボリビアは遠いけれど、台湾は近い!行ってみる価値ありです!

絵に描いたような幻想的な風景

絵に描いたような幻想的な風景

写真:吉川 なお

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「高美湿地」は台中市清水区に位置する大甲溪の河口南側に広がる湿地帯で、もともとは海水浴場でした。日本統治時代に「高美海水浴場」として整備され、多くの海水浴客で賑わっていましたが、1976年に台中港が開港すると次第に泥が堆積するようになり、海水浴場は閉鎖され、湿地と様変わりしました。

その後20年間にわたって放置されていましたが、多くの種類の渡り鳥の飛来地となったことから、バードウォッチングの名所として知られるようになります。毎年、秋冬になると雁やカモなどがやってきて越冬し、この地を棲み家とする鳥類は120種余りにものぼります。

泥質と砂質が混じり合い、乾地と湿地が点在する沼沢地帯であるため、さまざまな野生生物を育む土壌にもなっています。魚類、甲殻類をはじめ、絶滅種の植物「雲林莞草」も群生し、野生生物保護区として注目されると、湿地に流れ込む海水が空を反射する鏡となって神秘的な光景を呈する様が話題になり、台湾の「ウユニ塩湖」と称されて脚光を浴びるようになりました。

西側には風力発電の大型風車が海風を受けて一斉に回り、風景にアクセントを添えています。

広大な湿地が大きな鏡に

広大な湿地が大きな鏡に

写真:吉川 なお

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高美湿地は泥により形成された干潟であるため、潮汐によって海水量が変動します。干潮と満潮はほぼ6時間ごとに繰り返され、潮が満ちる前後1時間半と大潮の前後2時間、および日没後は入場が禁止されていますが、それ以外の時間帯は湿地内に下り立つことができます。入口付近に潮汐表が設置されていますが、大雑把なので、訪れる際は事前に高美湿地のホームページで干満時間をチェックしていきましょう。(関連情報参照)

「天空の鏡」が見られるタイミングは、日没前、湿地に水が張り、風が弱まるとき。海面に太陽の光が反射して、広大な湿地が鏡のようになります。

ベストシーズンは春から秋で、日没時間も早くなる冬場は水も風も冷たく、強い風も吹くため湖面が動いてしまいます。また天候によって光景が大きく左右されるので、よく晴れている日がベストです。

夕暮れ時から日没後も見逃せない

夕暮れ時から日没後も見逃せない

写真:吉川 なお

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湿地には長い桟橋が海に向かって施設されています。風車が設置されているだけあって、桟橋上は強い横風が吹く時があるのでご用心。

潮が引き、干潮になるにつれ、夕陽とのベストショットを狙う人々で桟橋は混み合います。特に週末、落日の時間帯に干潮を迎える頃は大渋滞になりますが、その先端は広大な湿地。裸足になってその感触を楽しみましょう。
水平線までいけそうなくらい、どこまでも歩いていけます。

目の前に見えるのは大きく真っ赤な太陽。水面は美しく照らされ、きらきら輝いています。徐々に沈んでいく様子を特等席で見終わると、あたりはゆっくり夕闇に包まれていきます。月も顔を出し、日が暮れるまでの黄昏時、海面と夕陽が絵画の世界を作り上げます。空の色は幻想的な色彩を帯び、海水は空を反射してピンク色に染まります。ベストショットを撮るチャンスです。

梧棲観光漁港で新鮮魚介に舌鼓!

梧棲観光漁港で新鮮魚介に舌鼓!

写真:吉川 なお

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高美湿地で絶景を楽しんだら、もう夕食の時間です。タクシーで約10分のところにある梧棲観光漁港で、新鮮な魚介類を召し上がってみてはいかがでしょうか。

もともとは小さな漁村でしたが、台中港開港に伴って台湾有数の大型漁港に発展し、買い物や飲食ができる観光漁港として整備されました。その日水揚げされたさまざまな魚介が並び、魚市場ならではの活気にあふれています。

屋台が並ぶ商業エリア、小売店が並ぶ直売エリア、食事ができる飲食エリアに分かれていて、お土産を購入したり、小売店で選んだ食材を調理してもらったりと気軽に海の幸が楽しめます。

山中に残る日本の戦時遺構「清水鬼洞」

山中に残る日本の戦時遺構「清水鬼洞」

写真:吉川 なお

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清水区にはもう1カ所、日本人なら是非とも見ておきたいスポットがあります。台鉄「清水」駅からタクシーで約10分のところに、日本統治時代に造られた軍事トンネルがひっそりと当時の姿を留めています。

太平洋戦争末期、長期抗戦に備えて軍事物資を保管するため、山を掘って堅固なトンネルが造られました。55mの主坑道の先に150mの2本の副支坑道、その間をつなぐ51mの支坑道があり、鉄筋コンクリート製の壁には卵のような石が規則正しくはめ込まれています。坑内には寝床、貯蔵室、監視兵室、台所、便所、機関銃のトーチカなどがあり、水道、電気、電話なども敷かれていました。

当時は「横山戦備トンネル」と呼ばれ、長らく放置されていましたが、近年になって整備され、土曜日と日曜日の9時から15時の間のみ公開されています。

高美湿地へのアクセス

高美湿地には台北から日帰りも可能です。台北から台湾鉄路(台鉄)海岸線に乗って「清水」駅で下車し、駅前から巨業客運バス178番、179番で「高美湿地」で下車するのが最速です。台鉄「台中」駅から台中客運9番、304番、307番のバスで「清水」(※台鉄清水駅ではありません)まで行き、そこで178番、179番のバスに乗り換える方法もあります。

梧棲観光漁港は高美湿地からタクシーで約10分、食事後は東南客運111番で台鉄「清水」駅、または台中客運307番で台鉄「台中」駅に出ましょう。いずれも事前に時間の確認が必要です。

鏡張りの絶景と湖面に映える夕日、おいしい魚介に旧日本軍の遺構、これらを見に台湾にひとっ飛びしてみませんか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/17 訪問

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