山口・湯田温泉「中原中也記念館」抒情詩人の軌跡を辿る

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山口・湯田温泉「中原中也記念館」抒情詩人の軌跡を辿る

山口・湯田温泉「中原中也記念館」抒情詩人の軌跡を辿る

更新日:2015/10/29 17:00

KISHI Satoruのプロフィール写真 KISHI Satoru 岬の狩人、伝記研究者、旅するパンクス

山高帽子にマントを羽織った詩人・中原中也。その姿や詩の一節を国語の教科書などで一度は目にしたり、聞いたりした事があるはず。30年の生涯の中で『山羊の歌』を出版。その死後には友人たちの尽力により『在りし日の歌』が刊行され、現在でも多くの人々に読み継がれている中原中也。山口県山口市湯田温泉の「中原中也記念館」では、中原中也の生涯や作品が多角的に紹介され、来場者はその魅力を存分に味わう事ができます。

中原中也の生誕地にある「中原中也記念館」

中原中也の生誕地にある「中原中也記念館」

提供元:中原中也記念館

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「中原中也記念館」は詩人・中原中也(1907年〜1937年)の故郷である山口県山口市湯田温泉を訪れる人々に、その風土を通じて中原中也の世界を感じてもらえるようにと、その生誕地でもある生家跡に建てられています。

1994年(平成6年)に開館し、中原中也の遺稿や遺品を中心に貴重な資料が公開されている「中原中也記念館」。2004年(平成16年)には開館10周年を記念して展示構成の大幅なリニューアルが行われています。

湯田温泉駅から徒歩で約10分、または新山口駅からバスで20分乗車して“湯田温泉バス停”で下車すると徒歩1分の場所に「中原中也記念館」があります。中国自動車道の山口ICから約15分、中国自動車道の小郡(おごおり)ICからも約15分と車のアクセスも便利な立地で無料駐車場も整っています。

石碑「中原中也生誕之地」とその生涯

石碑「中原中也生誕之地」とその生涯

写真:KISHI Satoru

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「中原中也記念館」の入り口部分には、大きなヒノキ科のカイヅカイブキ(貝塚伊吹)の木があります。こちらは中原中也の幼少の頃から植えられているもの。根元には、この地が生家跡であることを示す「中原中也生誕之地」の石碑が建立されています。

中原中也は1907年(明治40年)に山口県吉敷(よしき)郡山口町下宇野令(しもうのりょう)村(現在の山口市湯田温泉)に生まれました。小学校高学年より短歌を制作し、学業よりも文学に熱中。優秀な成績で入学した山口中学を3年時に落第してしまいます。

山口から京都に移った後、1925年(大正15年)に上京して、小林秀雄、河上徹太郎、大岡昇平ら文学者たちと知り合います。フランスの詩人であるアルチュール・ランボーの訳詩集を刊行し、1934年(昭和9年)に第一詩集『山羊の歌』を出版して詩人としての地歩を固めました。

エントランスまでのアプローチにある“素敵な配慮”

エントランスまでのアプローチにある“素敵な配慮”

写真:KISHI Satoru

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エントランスまでのアプローチには、中原中也の生涯や記念館の紹介があり、中原中也についてあまり詳しく無い方でも、こちらで基本的な知識を得られるような配慮がなされています。また中庭側に面した部分には緩やかなスロープも設置されています。

中原中也の代表的な詩「汚れつちまつた悲しみに……」、「サーカス」、「月夜の浜辺」、「一つメルヘン」、「曇天」の一節が組み込まれたガラス板も併せて飾られています。国語の教科書や何かで読んだことのある言葉と出会えるはずです。館内に入る前に中原中也の詩に触れて、自らの言葉の記憶を辿ってみて下さい。

「中原中也記念館」の館内。石原裕次郎、友川かずき等が歌う中原中也の詩

「中原中也記念館」の館内。石原裕次郎、友川かずき等が歌う中原中也の詩

提供元:中原中也記念館

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一階部分の常設展示では、中原中也の詩人としての業績を「初期短歌」、「翻訳詩」、「『山羊の歌』」、「『在りし日の歌』」に分けて紹介されています。またテーマ展示と映像展示のコーナーもあり、様々な手法で詩人・中原中也やその作品の詩の世界観を表現しています。

二階部分には企画展示室、その30年の生涯を概観できる映像「中原中也の軌跡」が常時放映しているビデオ放映室、また中原中也の詩に基づく楽曲を鑑賞可能な試聴コーナー・資料検索室が設けられています。

中原中也の詩に曲を付けた作品には、昭和のスター俳優・石原裕次郎の歌う「骨」やバンド“たま”が歌う「月の光」など多数あります。「中原中也記念館」では、評伝『中原中也』を著した作家・大岡昇平が作曲した「雪の宵」、近年ラジオで話題になり若い世代にも知られることになったフォークの神様・友川かずきの歌う「サーカス」など試聴できるようになっています。

“公共建築百選”の一つに選定された建築物「中原中也記念館」

“公共建築百選”の一つに選定された建築物「中原中也記念館」

写真:KISHI Satoru

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全国公開設計競技により最優秀に選ばれた建築家・宮崎浩により設計され、限られた空間に拡がりと奥行きを有する建造物としても魅力の溢れる「中原中也記念館」。1998年(平成10年)には建設省(現在の国土交通省)により優れた公共建築として“公共建築百選”の一つに選ばれました。

中庭は、かつて山口線の鉄道のレールを支えていた枕木が敷き詰められています。壁面にはテーマに応じた中原中也の詩が紹介される屋外展示が設置され、記念館へのアプローチにもなっています。

山口県湯田温泉「中原中也記念館」のまとめ

「中原中也記念館」へのアクセスは特に湯田温泉駅からの徒歩がオススメです。湯田温泉駅に併設している“足湯”を利用してから向かうのも良いでしょう。
途中にある井上公園には中原中也の「帰郷」が刻まれた詩碑があるので忘れずに立ち寄ってみて下さい。因みに、こちらにも“足湯”があります。さすが温泉場の湯田温泉です。
町並みを見物しながら「中原中也記念館」までの道のりも楽しんでみて下さい。記念館の北側、錦川通りには「童謡」の詩碑もあり、周辺には中原中也ゆかりのスポットが豊富です。

中原中也ファンなら必訪の場所、詳しく無い方でも充分に満足できる配慮の施された「中原中也記念館」。山口県山口市湯田温泉の風土と共に、中原中也の世界に触れてみてはいかがでしょうか。以上、「中原中也記念館」の御紹介でした。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/08/10 訪問

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