この畑中、場所こそ八坂神社・丸山公園のすぐ脇と京都中心部にほど近いのですが、宿は静寂そのもの。宿の正面には、道路をはさんで人気店が建ち並んでいるのですが、そちらでの喧噪は一切感じられません。「舞妓の夕べ」という大変に京都らしいイベントを楽しめることが語られがちな畑中ですが、この恵まれた立地と静けさとのギャップこそが、多くの人に支持され、リピーターを生み出す魅力の根源となっているのです。
畑中で特筆すべきは、老舗旅館でありながらも、妙に気負ったところがなくホスピタリティの高さを感じられるところ。スタッフは、滞在中にもすれ違う度に声をかけてくれますし、かといって息苦しいこともなく、絶妙な距離感。このタイプ・雰囲気の宿にしてこのサービスというのは、貴重ですね。高級旅館と聞くと、スタッフの横柄さやあまりにも近すぎる距離感に戸惑われる方もいるかとは思いますが、ここ畑中でそれを感じることは、恐らくないでしょう。
なお、ひとつだけ注意点があるとすれば、環境的にどうにもできないとは思うのですが、石段があるため車いすなどには非対応なことがありますので、ご理解を。
基本は部屋での食事であり、館内着のまま、気軽にプライベート空間を楽しめるのも魅力でしょう。部屋には小さな庭もついていますから、季節によっては美しい紅葉をや花を長めながら食事をとることができます。
料理は1品ずつ、スタッフによって運び込まれます。「懐石旅館」を標榜する畑中ですから、その料理は大変に見事。また盛り付けも器(うつわ)も美しく、見ても食べても楽しい時間を提供してくれます。もちろん料理の説明もしっかりとしてもらえますので、料理を楽しみながら、京料理への理解も深まることでしょう。
ここまでくれば想像するのも容易ですが、朝食にもいっさいの手抜きはありません。京都の宿といえば外せない湯豆腐も食べることができます。しかも自家製、つくりたての豆腐です。特筆すべきは、品数の多いこと。京都の「おばんざい」が小さな器でたくさん並べられ、見ているだけでも楽しさを感じられます。京都の「おもてなし」を朝から感じることができるでしょう。
チェックアウト時にはすすんで荷物を運んでくれ、また、お見送りもこちらが見えなくなるまで。一分の隙もない演出が、京都の高級旅館の底力を感じさせます。
立地や雰囲気含め、ここまで「京都に泊まっている」ことをを感じさせる宿は、そうそうにないでしょう。高級旅館にありがちな不親切さもなく、快適そのもの。そういったバランスも含めて、京都で場所も料理も素晴らしい宿に泊まりたい!と思った際には、ファーストチョイスとしても間違い無いでしょう。
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