写真:月宮 うさ
地図を見る沖縄県宮古島の南東の端にある島を代表する観光スポット「東平安名崎(=東平安名岬・ひがしへんなざき・あがりへんなざき)」は、隆起サンゴ礁の石灰岩から成る細長い岬。先端にある白亜の灯台まで続く遊歩道からは、大自然がつくり出した断崖絶壁や、様々な"ブルー"に彩られた太平洋と東シナ海の大海原を眺めることができます。周囲に咲く季節の花々も美しく、特に4月〜5月にかけて岬一帯に咲き乱れる真っ白なテッポウユリのお花畑は訪れる旅人に感動の風景を見せてくれます。
そんな、美しき遊歩道を歩いていると途中で1つの巨大な岩塊(がんかい)が視界に飛び込んできます。そこにあるのは岩をくりぬいて作られた"絶世の美女"と詠われた「マムヤの墓」です。
写真:月宮 うさ
地図を見る平安名(びゃうな)のマムヤ 新生(あらんま)り乙女(みやらび) 野城按司(ぬぐすくあず)の 崎山の坊や…で始まるこの地に伝わる按司(※あじ)と美女の悲恋伝説「マムヤのあやぐ」のお話。
昔、東平安名崎に近い保良村(現在の現宮古島市城辺保良:ぐすくべほら)に、ニフニリ(香草の名)の香りがするとても美しい女性"マムヤ"が暮らしていました。その美しさは島中の男性が一目見ようと毎日大勢押しかけるほど。
ある日、妻子ある身を隠したまま言い寄ってきた野城の按司"崎山の坊"と、騙されていることを知らぬまま恋に落ちてゆきます。しかし、按司は「将来のことを思えばマムヤよりは、糞尿の香りがしても妻の方がいい」と諭され、マムヤを見捨ててしまいます。
絶望したマムヤは断崖絶壁から身を投げ自らの命に終止符を打ちました。それを知った母親は「再びこの村に美人が生まれないように…」と神に祈ったのです。
お墓の他に、遊歩道の途中分岐地点から行ける"保良漁港入口"から西へ120m程進んだ北側岸壁に、傷心のマムヤが身を隠しその命を絶つまでの間機織をしたと伝えられる、2畳程の広さの「機織場」も残されています。
また、保良元島の南200m程の場所にある小丘陵はマムヤの屋敷跡として、墓・機織場と共に市指定史跡に指定されています。
※按司とは、琉球王国時代の王族の称号および位階の1つ。
写真:月宮 うさ
地図を見るマムヤ伝説の地「東平安名崎」を一望できるスポットをご紹介します。
それは岬の先端に建つ美しき白亜の「平安名埼灯台(へんなさきとうだい)」。ここは、内部が一般公開されている珍しい灯台です。中は97段の螺旋階段になっており、上からは周囲320度に広がる宮古ブルーの海と、隆起サンゴ礁の石灰岩がつくり出した半島の絶景を楽しむことができます。ゆっくり登れば体力に不安がある人も大丈夫。ここまで来たならば是非とも登って自分の目で感動の絶景を眺めてみましょう!
写真:月宮 うさ
地図を見る「東平安名崎」の先端まで歩き、マムヤが身を投じた大海原を眺めてみませんか?遠くに見える水平線からは、地球が丸いことを実感できます。彼女の想いにそっと身を馳せると、どこまでも続く青い世界は美しくも悲しく見えてくることでしょう。
写真:月宮 うさ
地図を見る国の名勝にも指定される「東平安名崎」の海は、宮古島の他の場所から見る海とは少し雰囲気が異なります。視界に広がるのは、めくるめく変わる宮古ブルーのグラデーション!波が描く模様も素晴らしい絶景です。
この景観のヒミツは岬周辺の海域を覆うサンゴ礁と、散在する隆起サンゴ礁石灰岩の岩塊。そして、約1km先に見える「パナリ岩礁」です(写真奥に見える岩が点在する部分)。岩礁は干潮時にははっきりとその姿を見せ、時には漁師の姿が見えることも。
ここに広がる美しき宮古ブルーの海は、"絶世の美女"と呼ばれたマムヤの涙の色…なのかもしれません。
「東平安名崎」は、初日の出の名所としても知られる観光スポットです。朝日が昇るその光景は言葉にならない美しさ!お正月に限らず、朝に強い皆様は日の出の時間に訪れてみませんか?また、夜には満天の星空に出会えます。
最後に余談ですが、マムヤ伝説の舞台"宮古島市城辺保良"は沖縄美人の多い場所。マムヤの母の願いは神に届かなかったようです。
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(2023/12/9更新)
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