写真:Kaycom D
地図を見る中国チベット自治区のラサにあるポタラ宮は「ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群」として指定されたチベットが誇る世界遺産です。ポタラとは「観音様が住む地」という意味で、チベット人にとってはダライラマを意味しています。
1959年にダライラマがインドに亡命するまで、宗教と政治の中心として、チベット人の心のよりどころになっていました。
ポタラ宮はマルポ・リ(赤い丘)に建てられた13階建ての建物で、一説には7世紀にチベットを初めて統一したソンツェンガムポ王の時代から築かれていたと言われています。そして、その建築方法は未だに謎のまま。
建物は、ダライラマの居住や執務にあてられた白宮と、宗教的な聖域の紅宮とに大別され、観光客に開放されているのはほとんどが紅宮になります。
ポタラ宮のまわりでは、たくさんの人が五体投地をする姿が見られます。特に冬は巡礼の季節なので、各地の少数民族の人たちが、それぞれ特徴のある民族衣装を纏って集まってきます。
※ラサについては、関連リンク「ギャコック襲来!中国チベット自治区のラサの見所とご当地グルメ」をご覧ください。
写真:Kaycom D
地図を見るポタラ宮の坂の途中では、母親の手を引きながら上る人や、赤ちゃんを抱えて息を切らす人など、みんなそれぞれがんばって参拝に向かっています。
デヤンシャル広場に出るとその向こうに白宮がそびえ立っています。白宮は、歴代のダライラマが暮らしていた冬の宮殿で、その名の通り建物は真っ白に塗られ、太陽の光を受けて眩いほど。
建物中央の小さな入り口から中へ入り、さらに階段を上るとようやく白宮の屋上へ辿りつきます。富士山の頂上と同じくらいの標高になるので少々息が切れますが、この屋上はダライラマ14世が子供の頃、興味深々に下界を見下ろしていた場所なので、ぜひ上がって同じ景色を見てみてください。
写真:Kaycom D
地図を見る白宮に隣接している紅宮には、チベットの仏教徒が巡礼の対象に訪れる歴代ダライラマの玉座や霊塔があり、その中でも、最も偉大なダライラマの一人として名高い5世の霊塔は圧巻。その高さは14mもあり、3700kgの黄金と15000個の宝石が使われています。
時輪殿のチベット密教の最奥儀とされるカーラチャクラの立体曼荼羅は、その精巧な創りが芸術的でこちらも一見の価値あり。
見学の最後には、ポタラ宮で最も重要なご本尊の観音様に参拝となりますが、ここは多くの巡礼者の最終目的地のひとつとされる神聖な場所のため、ぜひ五体投地をしてお参りしましょう。
写真:Kaycom D
地図を見るコルラとは、聖地の周りを巡礼しながら一周すること。多くのチベット仏教徒にとって、ポタラ宮のコルラをすることは一生の夢だそう。巡礼の季節になると、なんとかお金を工面して、家族や親せきの中の一人をみんなの代表として巡礼に行かせることも多いのだとか。
ポタラ宮の周りにはマニ車がずらりと並んでいるので、それを回しながら約50分ほどかけて一周します。寒い時期にこれをすると指先がキンキンに冷えて、汚れで手のひらも真っ黒になってしまいますが、見事にやり終えた後は、きっと何とも言えないすがすがしい達成感を味わえるでしょう。
写真:Kaycom D
地図を見るポタラ宮は夜になるとライトアップされ、漆黒の闇に白く浮かび上がる宮殿はまさに荘厳。ライトの当て方が上手で明かるさのムラがほとんどないため、全体像が綺麗に見えます。
三脚にカメラをセットして撮影していると、時たま後ろに人の気配を感じることがあります。ふと振り返ると、赤い袈裟を着たお坊さんたちがカメラの液晶画面をのぞきこんでいたりするので、そういうときはぜひ写真を見せながら話をしてみてください。ガイドブックには載っていないような貴重な話を聞けるかもしれません。
ポタラ宮は、チベット仏教好きならもちろん、そうでなくても口を開けて見上げてしまうほど見事な建築です。この中を歩いているだけで、終始圧倒されるようなパワーを感じ異世界に迷い込んだ感覚になるでしょう。
敷地内には、スリル満点のトイレがあるので見学後にぜひ行ってみてください。床に開いた穴からはるか地上が見下ろせます。
内部の見学は人数制限があり、特に夏季のシーズン中はチケットを取るのが難しい場合があるのでツアーに参加するのがおすすめ。
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この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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