写真:Kaycom D
地図を見るラダックの西部に位置するラマユルは、「月世界」と言われるような険しく荒涼とした風景が広がる地域。ラダックの中心地レーから西に進みラマユルに向かうと、まず最初に目を奪われるのが、険しく切れ込む谷に突如現れる薄黄色い生クリームを流し込んだような不思議な景観。日の光が当たると黄色がいっそう映えるので、できれば日差しが谷間まで届く時間帯に訪れるのがおすすめです。
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地図を見るそこから少し行くと、岩山の上に建つラマユル僧院が見えてきます。切り立った山並を背景に佇む姿はなんとも壮麗。周りの風景も含め、ラダックの中でも美しい僧院のひとつでしょう。ラマユル僧院は、もともとユンドゥン・タルパリン・ゴンパといいます。ユンドゥンというのは逆マンジという意味。2番目に大きいディクンカギュのゴンパで、これまでに3〜4回ほど潰れていますが、その度に作り直されています。
この僧院は、ラダックでも規模の大きなもので、ユンドゥン・カブギェというお祭りも開催されます。6〜7月くらいに行われるこのお祭りのときには、ゲストハウスやレストランが僧侶の控室になり、広場に面した壁には大きなタンカが飾られます。敷地内には、お祈りや修行をするお堂や瞑想小屋の他、僧侶が生活する僧坊、大きな厨房を持つ食堂などがあり、まるで小さなひとつの村のよう。タイミングがあえば、小坊主さんたちが中庭で遊ぶ姿も見ることができます。
また、丘の上にある瞑想小屋で行われた一番長い瞑想の時間は3年3か月3日。ずっとこもって一言も話さず、100万回の五体投地をしながらお経を読むそうです。
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地図を見るさっそくお堂を見学してみましょう。こちらでは「ドゥカン」といい、僧侶が集まる場所のことをいいます。このドゥカンの外壁には四天王、六道輪廻、僧侶が守るべきことが描かれています。例えば、クツは裏に鋲が打ってあるのはうるさくてダメだが、藁のなら静かでいいとか、シンプルなものはいいけど派手なのはダメとか、水をくんできたらフィルターに何回かかけなさいとか、そういう普段の生活におけることが描かれているのは面白い。
中へ入ると祭壇があり、ネパールで作られた仏像や、珍しい手打ちのグル・リンポチェ、ジクテンゴンポ、ティンレイザンポ、ドゥンマ・クンガ・タクパの像などが祀られています。 またドゥカンには、ナロパがカシミールからザンスカールに修行に行く途中で瞑想したとされる小さな洞窟があり、現在洞窟内には、ティロパ、ナロパ、ミラレパの像が安置されています。
写真:Kaycom D
地図を見るドゥカンの奥にはゴンカンと呼ばれる護法堂が併設されていて、本来は女人禁制。ここには、悪いものから仏教を守る力の強いものが納められていて、マハカラなどはあまりに強力なためその目が隠されています。これは、力の弱い参拝者を守るためでもあるので、仏像の顔が布で隠されているからといって捲くってはいけません。
ここにはマハカラ、チャクラサンヴァラ、アプチ、お釈迦様、毘沙門天、ダルマパーラ、ツェマラなどの像が祀られている他、50年くらい経つ貴重なトルマも見ることができます。
写真:Kaycom D
地図を見る僧院の見学を終えたら、ラマユルのビューポイントへ行ってみましょう。ラマユル僧院から村の方へ下らずに崖沿いに進むと、ラマユルの谷が一望できるポイントがあります。僧院も崖の上にあるので眺めがいいのですが、このポイントからだと、その美しい姿の僧院を含めた景色を見ることができるのです。
鋸の歯のような険しい山々と、雲間から差し込む日差しの中に浮かぶ白い僧院は、ただ美しいだけでなく、思わず背筋を伸ばしたくなるような神々しさをも感じさせるほど。
その神秘的な光景はここまで訪れないとお目にかかれない絶景です。
とにかく素晴らしい風景の中に建つラマユル僧院は、その景観を見るだけでも訪れる価値がある場所。
本堂の下の方には、シンゲガンという古いお堂があり、浮き出るような仏像が見られるので、僧院を見学したあとはシンゲカンのある集落を周って行くのがおすすめです。
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(2024/10/15更新)
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