遺跡が点在するキジルクム砂漠へは、世界遺産「イチャンカラ」があるヒヴァから北に進み、アムダリア川に架かる長い浮き橋を渡ります。
※「イチャン・カラ」については、『城壁が囲む砂漠の都!ウズベキスタンの世界遺産イチャン・カラ』のガイド記事をご覧ください。
アムダリア川はパミール高原に源流を発する中央アジアの大河で、この辺りの川幅は向こう岸が霞むくらいかなり広くなっています。しかし、灌漑のしすぎなどの理由で現在は水量が減り、河口付近では干上がってしまっているそう。そういう場所には、船が置き去りにされ船の墓場と化しています。
写真:Kaycom D
地図を見るアムダリア川を渡りカラカルパクスタン自治区に入ると、だんだん荒涼とした風景が広がってきます。砂漠というと砂の砂丘がうねるイメージを思い浮かべる方も多いと思いますが、このあたりのキジルクム砂漠は背丈の低い草も生え、石や岩が転がる荒野といった感じ。
容赦なく照りつける太陽の熱線は限りなく強烈で、日焼け止めをたっぷり塗った肌をチリチリと焼いていきます。夏にここを訪れる際は、長袖長ズボン、サングラスを着用し、つばの広い帽子と水は必ず持っていきましょう。
そんな命の危険も感じるような砂漠の中に、古代ホレズム王国のトプラク・カラやアヤズ・カラなどの都城跡が残っています。
写真:Kaycom D
地図を見る砂の城を意味するトプラク・カラは、かつてはホレズム王国の首都として栄えた都。紀元前2〜3世紀頃に築かれたとされ、多くの壁画や美術品、貨幣などが出土しています。
上まで上っていくと、トプラク・カラを一望できる場所に出ます。ゾロアスター教の寺院や宮殿跡が残り、碁盤の目のように区切られたエリアはその多くが居住区だったと言われています。その向こうには広場があり周りを城壁が囲っているのですが、今にも消えてしまいそうな感じ。それでも、他のカラと比べると比較的良い状態で残っています。
遺跡の見学は、碁盤の目の細い仕切りの上を歩くのですが、けっこうな高さで滑りやすいので両側の穴に落ちないように気をつけましょう。
写真:Kaycom D
地図を見るトプラク・カラから少し離れたところに、二つの丘の上に残るアヤズ・カラの遺跡があります。遺跡には歩いて上るのですが、この強烈な日差しのもとでの山歩きはけっこうきつい。
低い丘の方の遺跡には立派な城壁が残っていて、遠目にも人工物だとはっきりわかります。城内はそれほど見どころはないですが、ここから見下ろす砂漠の景色は爽快。どこまでも続く荒野が地平線まで見渡せます。
もうひとつの高い方の丘に残る遺跡へは、砦の脇の斜面を歩いていきます。石と岩の丘を登り頂上に到達すると、崩れかけた壁が立ち並んでいて何かの映画のセットのよう。遠くには真っ青なアヤズ湖が見え、こんな乾いた砂漠にこのような大きな湖があることに驚きです。
城内から出て外から遺跡を眺めると、砂漠の上に長く連なる城壁が青空に映えてとても綺麗。トプラク・カラ周辺と比べると、サラサラとした砂地が増えより砂漠らしい風景です。
写真:Kaycom D
地図を見るアヤズ・カラから砂漠の中を歩いていくと、遊牧民のユルタ(移動用の住居)が設置された「アヤズ・ユルタキャンプ」にたどり着きます。ここでは宿泊やランチもできるので、ぜひ遺跡の見学とセットで立ち寄ってみましょう。
羊の皮で覆われたユルタの中には絨毯が敷き詰めてあり、外の強い日差しと風を遮ってくれるのでとても快適。強烈な日差しの中を歩き回った後では天国のような場所です。
ランチはプロフやサラダ、スープ、パン、フルーツなどで、特にパンが焼き立てでとてもおいしい。
ユルタの周りにはラクダも現れることがあるので、ちょっと時間に余裕をもって外に出てみましょう。ここからアヤズ湖へ行くこともできます。
キジルクム砂漠に点在するカラは、ガイドブックにもあまり詳しく掲載されていないウズベキスタンの隠れた名所です。このあたりには、アヤズ・カラとトプラク・カラ以外にもカラがあるので、遺跡好きなら時間をとって巡ってみるのもいいでしょう。その際は、日除け対策と水は忘れずに。
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(2024/10/11更新)
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