写真:Kaycom D
地図を見る「一番最後の湖」という意味をもつソン・クル湖は、街から遠く離れた標高3000mを越える大草原に広がっています。琵琶湖の0.4倍ほどの大きさがあり、−40度まで気温が下がる冬には70cmくらいの氷が張るのだとか。
雪もなくなり気温の上がる夏の間は、遊牧民たちが湖畔にユルタ(移動式住居)を設置し、湖で魚を採ったり、馬や羊を放牧したりして生活しています。この時期には、麓では40度を越える猛暑になることもありますが、標高の高いこのあたりは日差しは強いものの比較的涼しく過ごせるため避暑地としても人気。
また、湖周辺はほぼ平坦なので近くの丘に登れば、巨大なソン・クル湖と草原の壮大な景色を見ることもできます。さらに、下からだと丘に隠れて見えない雪山の姿も現れるので、空気が薄くて息が切れますががんばって上ってみてください。
写真:Kaycom D
地図を見る湖一帯の草原や道中では、いたるところに高山植物が花を咲かせています。有名なエーデルワイスの他、天山の固有種である「シュマルハウセニア・ニュドランス種」という舌を噛みそうな長い名前の植物もあちこちに自生。そのドレスを広げたような独特な姿にはきっと目を奪われることでしょう。
また植物以外にもここへ来るまでの間には、荒涼とした月世界のような渓谷や切り立った山並み、草原の中に流れる小川、山の斜面に帯のように張り付いた残雪など、様々な天山の風景を見ることができます。
写真:Kaycom D
地図を見るユルタには住居やキッチン、ダイニング用があり、食事はダイニング用のユルタでいただきます。キッチン用のユルタには釜戸が設置されていて、食事時になると女性達が手際よく料理をする姿を見ることができます。
水道もガスも通っていない標高の高い場所ですが、温かい肉と野菜の煮込みや揚げパン、手作りジャムなどが並び、テーブルクロスが掛かった食卓の上はとても華やか。ボリュームも満点で味付けも日本人の口に合うようなものばかりなのでお腹いっぱい食べられます。
写真:Kaycom D
地図を見るユルタでの宿泊時は、明かりはモーター式の発電機、水は持参したミネラルウォーターを利用します。夜もふけるとモーターが止まり明かりが無くなるので、その後は各自のライトを使用。
一つのユルタには3〜5人程度の人数で泊まり、各自に小さな簡易ベッドと寝具が提供されます。夜は冷え込むので、シェラフがあればそれを利用し、なければ持ってきた服を着込んで寝たほうがいいでしょう。また乾燥しているのでマスクがあると快適です。
便利さとは無縁の世界ですが、静けさに包まれた草原にポツンと立つユルタの中で、土と草の香りを嗅ぎながら眠る体験はきっと忘れられない思い出になるでしょう。
写真:Kaycom D
地図を見る標高が高く空気も澄んでいて、人工の明かりが少ないこのあたりは(消灯になると真っ暗になる)、星を見るには絶好の場所。遮るもののない大草原の上に広がる星空は、まったく見事としか言いようがありません。
綺麗な星空を見るにはやはり消灯後がベスト。天の川がゆるやかに天空を横断し、数々の星座を見ることができます。こういう時、星座がわかると楽しいので早見表などがあるといいかもしれません。
時折、数え切れない星の間に流れ星が走ったりするのでなかなか眠るタイミングがつかめませんが、天気が良ければ間違いなくすばらしい天体観測ができるので、寝不足覚悟で楽しんでみてください。
標高の高いソン・クル湖畔は、冬には雪でここまでの道が閉鎖されてしまうため、降雪前の期間限定で訪れることのできる場所です。遊牧民の住居ユルタに宿泊する場合は、事前に地元の旅行会社を経由して連絡しておくと間違いありません。道のりはけっこうハードですが、あの星空と大草原を見ればきっと行ってよかったと思えるはずです。
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(2023/12/1更新)
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