写真:Kaycom D
地図を見る平家直孫の宿「本家伴久」は、湯西川沿いに建つ創業1666年の老舗温泉宿です。広い玄関を入ると、まるで、帳場からちょんまげ姿の番頭さんが出てきそうな空間が広がっています。
木の温もりを感じるロビーには、大きな囲炉裏があり、その上は屋根まで吹き抜け。見上げると黒光りする立派な柱と梁が渡され、「平家」と「伴久」の文字が入った提灯が灯っています。
川沿いには湯西川渓谷が眺められる明るいラウンジ、二階には静かにくつろげるライブラリーやパソコンがあり、どこかに出かけなくても、この旅館内だけでゆっくり過ごせます。
また、先祖代々の貴重な遺品が展示された宝物館や、館内のあちらこちらに目を引く飾りや展示品があるので、滞在中にいろいろと探検してみると面白いでしょう。チェックインして部屋に案内される時、「お大臣様のおなり〜」的な感じで歓迎の太鼓を打ち鳴らしてくれる粋なおもてなしもあります。
写真:Kaycom D
地図を見る本館の部屋はそれぞれ趣が違い、同じつくりはひとつもありません。その中でも他ではなかなか見られない、「水車」が室内に飾られた部屋をご紹介しましょう。
入り口を入るとまず小さな囲炉裏があり、その奥の和室に大きな水車と杵が茅葺風の屋根の下に置かれています。壁は風情ある土壁で、真っ黒な梁が組まれた高い天井も渋くてステキ。純和風の部屋は隅々まで日本的な趣向が凝らされていて、日本人のみならず外国からのお客さんにも喜ばれそうです。
窓を開ければ眼下に湯西川の清流が流れ、周辺の渓谷の景色がよく見えます。冬には軒下にツララも垂れ下がり、雪国の風情もたっぷり。山奥の温泉旅館に来たんだな〜という気分にさせてくれます。
写真:Kaycom D
地図を見る食事処「平家隠れ館」へは「かずら橋」という吊橋を渡っていきます。この吊橋は、800年の時を越えて源平が和解したことから「縁結びの橋」とされ、多くの宿泊客を迎えています。
食事処は、それだけで一軒の旅館になりそうなほど立派な造り。館内にはランプが灯り、いくつかに分かれた部屋の中には、囲炉裏が並んでいます。隣と衝立で仕切られた囲炉裏にはすでに火が入り、串に刺さった食材がスタンバイ。脇には、見た目にも美しい料理が乗ったお膳が置かれています。
食事が始まり少しすると女将が挨拶に現れ、囲炉裏での上手な焼き方や宿のことなどのお話があり、その後ちょっとした会話を楽しむ時間もあります。
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地図を見る湯西川温泉は820年以上前に発見されたと言われていて、その発見場所が、本家伴久の露天風呂「藤鞍の湯」になります。
宿には内湯と露天、貸切露天風呂があり、露天は川を眺めながら入ることができます。冬には、川沿いに宿の人たちが作った氷瀑もでき、夜にはライトアップもされとても幻想的。川のせせらぎを聞きながら、たくさんの湯治客を癒してきたお湯を堪能してください。
写真:Kaycom D
地図を見る宿の近くには、平家集落や平家の里などの見どころがありますが、1〜3月上旬には「日本夜景遺産」にも選ばれた湯西川温泉名物「かまくら祭」が開催されます。宿からは無料の送迎バスで送り迎えしてくれるのでぜひ利用しましょう。
会場の入り口へは、ほんの5分ほどで到着。そこからイルミネーションに飾られた「かまくらメインストリート」を歩いて行くと、灯りが点された小さな鎌倉が無数に並ぶ川原に出ます。これは「日本夜景遺産」に登録されている風景で、まるで空に輝く天の川が雪の上を流れているよう。
川岸から見るのもいいですが、少し奥までいくと川を渡る橋があるので、ぜひその上からも眺めてみてください。川原全体に広がる神秘的な灯りが一望できます。またその脇には、大きな鎌倉がいくつも立てられたメイン会場があり、鎌倉の中にも入ることができるので、あわせて立ち寄ってみましょう。
※「かまくら祭」については関連MEMOに記載の別記事「日本夜景遺産「かまくら祭」も開催!栃木県「湯西川温泉」で平家落人の里を巡る」をご覧ください。
「本家伴久」では、まるでタイムスリップしたかのような空間で過ごすことができます。いたる所に趣向が凝らされた純和風の温泉宿で、川のせせらぎを聞きながらゆったりと悠久の歴史を感じてみましょう。
冬の湯西川温泉を訪れるなら「かまくら祭」は必見です!
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(2025/2/8更新)
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