写真:四宮 うらら
地図を見る鞆の浦といえば鯛料理が有名。
鯛網漁が盛んだった鞆の浦ならではの伝統の味。滞在中に一度は食べたいものだ。
お昼に気軽に鯛料理が味わえるのが「活魚料理 鯛めし 千とせ」。
立地は朱塗りのお堂が立つ風光明媚な無人島、弁天島の真向かいとなる海岸沿いだ。
まずは、タコのうま煮やシャコの天ぷらなど、瀬戸内海ならではの一品料理をつまむのはいかがだろう。
そして、注目は鯛のお頭がまるまる入って圧巻の「鯛そうめん」。
鯛のお頭の身をほぐしつつ、鯛の上品なだしと一緒にそうめんをいただく。
鯛の味がしっとり染み込み、上品な香りの鯛めしも絶品。
単品(小)でオーダーすることもできるので、酒肴を何品か味わったあと、締めにいただくのもよし。
鯛めしは、お持ち帰りもOKだ。
写真:四宮 うらら
地図を見る鞆の浦のランドマーク「常夜灯」から徒歩3〜4分ほどの場所にある「おてび」は、母娘二人で切り盛りする、こじんまりとした店。
お昼の定食や中華そばが人気だが、できれば夕食時に出かけて、じっくり味わいたい。
ここでいただけるのは瀬戸内海の小魚料理。タイやヒラメといったメジャーな魚料理は、比較的どこででも食べられるが、小魚料理はこの地に来なければ、そうそう食べることができないものだ。
カウンターの上に並ぶのは、地元の漁師から直接仕入れた小フグやハゼ、ネブト(テンジクダイ)と呼ばれる小魚を南蛮漬けにしたものやエビジャコと呼ばれる小エビを茹でたもの。そして卵焼きや肉じゃがなどの家庭的な惣菜類。
この小魚料理、見た目は地味だが、ちっちゃな魚にかける、その手間たるや、気が遠くなるほどだ。
例えば、ネブトという直径5〜7cmの魚は、頭は硬くて食べられない。1尾ずつ手作業で頭と腹わたを除き、身が引き締まるようにちょっと天日で干してから、やっと調理にかかるという。
「地元の人は、うちにネブトの料理があるときは、まずこれを注文しますよ。みんな、おいしいのは知っているけど、家で作るのは大変だから」と店主の足利さん。
魚を骨ごとすり身にしてあげる鞆の浦名物「がす天」も、地魚だけで手作りしている。
母娘で営む「おてび」の料理は、どこか懐かしく、滋味深い味。
観光客向けではなく、地元の人も足繁く通う店で、街の情報をゲットするのも楽しい。
写真:四宮 うらら
地図を見る鞆の浦特産の一つ、保命酒は、16種の生薬を漬け込むという漢方薬酒。江戸時代には幕府に献上され、幕末には黒船ペリー提督らの宴席の食前酒としても出されたという歴史的な酒だ。
現在、鞆には「岡本亀太郎本店」「入江豊三郎本店」「八田保命酒舗」「鞆酒造」の4軒の保命酒店があり、その味わいも色もそれぞれ異なる。
4軒は歩いてまわれる距離にあるので、好みの味を見つけるべく、試飲して回るのも楽しい。
本来の保命酒の他に、梅やあんずと合わせたリキュール、ゼリー、のど飴など、さまざまな派生商品があり、鞆のお土産として購入しやすくなっている。
そんななかでも注目したいのが、保命酒の酒粕。
保命酒のもととなる味醂を作る際にできる酒粕に、甘味などを加えて調味したもので、発酵食品として滋味深いもの。そのほんのりとした甘さは、そのまま食べてもおいしく、甘酒や粕汁、粕漬けなどにも利用できる。ヨーグルトと一緒にシェイクしてデザートとしてもおいしい。
ちなみに写真は、岡本亀太郎本店の保命酒 酒粕「加寿」。
ひと味異なるお土産になること、間違いなしだ。
写真:四宮 うらら
地図を見るほぼ毎日、朝8時くらいから10時くらいの間、海岸道路沿いにとれたての魚や、練り物などの加工品を販売する露天が出る。
場所はホテル景勝館から鞆の浦バス停の間くらい。
パラソルの下で鯛ちくわやすり身のてんぷらを売るお母さん。
商品を並べた台の下には「鉄腕ダッシュで松岡君、長瀬君も絶賛したてんぷらです」と書いた張り紙があり、セルフプロモーションもぬかりなし。
「鯛ちくわは、できたてでアツアツよ。これは仕入れているんだけど、こっちのてんぷらは、私が作っているの」とお母さん。
試食ができる。
シコシコとした味わいに、つい買いたくなるはず。
写真:四宮 うらら
地図を見る海側にはブルーシートで覆われた小屋のようなものがポツポツと並んでいる。ここでは海から帰ってきた漁師さんたちの魚を即、浜売りする。売っているのは漁師さんの家族。だいたい、お母さんやおじいちゃんだ。魚の種類は時期によって異なるが、正真正銘の地魚オンリー。
船があがるのを見計らって、地元の人が買いに来るので、漁が少ないときはすぐに売り切れに。
観光客がうまい具合に買えるかどうか、タイミングが難しいところだが、船が帰ってくる前から、トロ箱に海水をはったりして準備しているので、何時ころ船が着くのか聞いてみることをおすすめする。
タコや小エビ、シャコ、ワタリガニ、穴子に黒鯛など、ピチピチの生きたのを浜値で買うことができ、魚好きにはたまらない。
店によって異なるかもしれないが、遠方まで持ち帰るといえば、ハッポースチロールの容器に氷なども入れ、とっても丁寧に梱包してくれる。
ここの浜売り、よく観光地で繰り広げられているような大々的なものではなく、こじんまりとしていて、地元の人の台所といった感じ。それだけに価格的にもリーズナブルなのがうれしい。
町を歩けば歩くほど、いろんな発見がある鞆の浦。
瀬戸内のおだやかな気候からか、よそ者にも優しく接してくれるように感じられる。町の人との出会いやふれあいも楽しく、ふるさとに来たような気持ちになれることうけあい。
旅館に泊まって晩御飯というのも悪くはないが、夕暮れ時にそぞろ歩き、「おてび」のような地元の人が足を運ぶ赤提灯で食事をとるのが筆者のおすすめ。
鮮魚などをお土産に買いたい場合は、旅の日程を考えて、鞆の浦が旅の最終日になるようにスケジュールを組もう。
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(2025/1/20更新)
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