写真:咲田 みつる
地図を見る武雄温泉楼門と東京駅(丸の内駅舎)は、建築家・辰野金吾氏によって、ほぼ同時期に設計されました。丸の内駅舎は2014年に、楼門は2015年に100周年を迎えました。丸の内駅舎と言えば、赤レンガの外観が有名です。2012年には駅の象徴ともいえるドーム天井が復原され、その内部が八角形に縁どられ、美しい装飾が施されていることで知られています。復原直後のお披露目の際は、多くの人が足を止め、観賞する姿が見かけられました。
ところで八角形の各々の隅に、12干支のうち8干支のレリーフ(浮き彫り細工)があるのをご存知でしょうか?さらに12干支のうち、残りの4干支はどこに行ってしまったのでしょう?「八角形だから8干支あれば充分」という理由で省かれてしまったのでしょうか?
長きにわたる謎が、100周年を迎えるにあたって復原作業に取り掛かっていた、武雄温泉楼門にて解き明かされました。
東京駅に居ない「4干支」とは、干支のうち「ネズミ・ウサギ・ウマ・トリ」のことです。なんと、同じ建築家によって、武雄温泉の楼門の天井に施されていることが発見されました!このニュースは、2013年大きく報道され、多くの人の関心を呼びました。しかしながら「何故武雄温泉楼門に?」という問いに対しては明確な答えがなく、専門家の間でも「建築家の遊び心?」といったミステリアスな見解が飛び交っています。
貴重な文化財ゆえに、常時公開というわけにはいきませんが、「楼門干支見学会」で、火曜を除く毎日9〜10時に、ガイドさんとともに内部へと入ることができます。公開期限については、好評につき延長措置がとられ、2020年3月30日(月)まで(執筆時点)となりました。
ガイド料金は450円。武雄温泉の入浴料金が450円ですので、温泉に入る方の特典とも言えます。予約不要で現地集合(入浴はガイド後)となりますので、是非早起きしてお出かけください!
写真:咲田 みつる
地図を見るガイドツアーでは、楼門奥にある「新館」も巡ります。新館はかつて共同浴場でした。現在は資料館となっています。楼門と同じく辰野氏の設計によるもので、ともに重要文化財に指定されています。火曜を除き無料開放されていますが、ガイドツアーの解説付きなら、よりいっそう楽しめるでしょう。
武雄温泉自体は1300年以上の歴史があり、また、長崎街道の宿場町であったことから、記録によれば「宮本武蔵・シーボルト・伊達政宗・伊能忠敬」といった歴史上の名だたる人物が入浴したとされています!現代の東京駅と同じく、ここ武雄も先人たちの交通の要衝だったというわけです。現在、新館の湯船は展示のみですが、かつての宿場町の賑わいに思いをはせながら見学しましょう。
ガイド後は、楼門そばで入浴できます。「元湯・蓬莱湯・鷺之湯」の3つの共同浴場があり、大正の風情を感じられる元湯が人気!また、鷺之湯は別館で680円の為、差額が必要になりますが、露天風呂がついています。
「既に朝風呂に入ってきた」「この後予定があって入浴できない」という場合も、営業時間は6:30〜24:00(蓬莱湯は21:30)と長いのでご安心を。また、入浴券の有効期限が1年ありますので、翌朝入ったり、武雄を再訪するときにも利用できます!先人たちの愛した宿場町の風情を感じながら、ゆとりある旅程で名湯を堪能しましょう。
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この記事を書いたナビゲーター
咲田 みつる
松山市出身。10代〜20代は父の転勤や自身の進学・就職で引っ越しをたくさん経験しました。得意分野は「関東甲信越の花と絶景」&「ハイキングコースの紹介」。【花と絶景】花の見頃に対しての執着心が強く、友人…
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(2025/1/20更新)
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