岩手県花巻市矢沢にある「宮沢賢治記念館」は、1982年(昭和57年)に岩手山や早池峰山が望める標高183メートルの胡四王山(こしおうざん)に開館。
花巻市の人口は約10万人ですが、「宮沢賢治記念館」は全国から年間20万人以上も来場者が訪れる必須の観光スポットでもあります。2015年(平成27年)4月には展示リニューアルが行われ、さらにその魅力が増しました。
東北新幹線の“新花巻駅”から2キロ、車で3分、また東北本線の“花巻駅”から8キロ、車で15分という立地。両方の駅からこちらまでのバスが運行されているので、アクセスも安心で観光者に嬉しい環境が整っています。
宮沢賢治(1896年〜1933年)は岩手県稗貫郡(ひえぬきぐん)川口村(現在の花巻市)生まれの詩人、童話作家。岩手の風土を理想化したイーハトーブという世界観を創り上げ、詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を刊行します。没後に有名になったとされていますが、正確には文人や詩人の間では生前から知られた存在でした。詩人・中原中也(1907〜1937)の1927年(昭和2年)の日記には尊敬する詩人のひとりとして「宮沢賢治」の名前が記述されています。
門を抜けて木々の生い茂った道を進むと、左手側に童話『よだかの星』をモチーフにした石碑があります。以前には国語の教科書にも掲載されていた作品でもあるので御存知の方も多いでしょう。素晴らしい短編ですので未読の方は、是非訪問の前に確認してみて下さい。それでは館内に入ってみましょう。
宮沢賢治は詩人、童話作家として紹介されることが多いですが、農学校の教師としての“教育者”、盛岡高等農林学校に首席で入学、特待生、研究生を経て地質調査や肥料研究を行った“科学者・農学者”、法華経を信奉する“宗教家”といった側面もあり、一言で紹介するには非常に難しいほど多彩な活動をした人物です。
そこで、「宮沢賢治記念館」では“科学”、“芸術”、“宇宙”、“宗教”、“農”の五部門に分けて、宮沢賢治の世界観を時代背景と共に感じ取れるようになっています。鉱石採集に使用した顕微鏡、愛用した弦楽器・チェロ(セロ)、自筆原稿などが展示され、見所いっぱいの常設展示室です。その他に企画展が開催される「特別展示室」、情報検索コーナーの「賢治サロン」、喫茶コーナーなども完備されています。
花巻の街並みと北上川の情景を楽しむ事ができる展望ラウンジ。その先には奥羽山脈の稜線が拡がります。宮沢賢治の愛した岩手の風土を思う存分、堪能してみて下さい。
「宮沢賢治記念館」の入口と門の間にある階段を下って行くと花巻温泉のために宮沢賢治が設計した“南斜・日時計花壇”の復元された「ポラン広場」。さらに進むと宮沢賢治研究の文学館「イーハトーブ館」、「ぼたん園」もあり、草花に囲まれています。宮沢賢治の童話の世界を体験できるアミューズメント施設「宮沢賢治童話村・賢治の学校」もあり、大人から子供まで自然の中で楽しめる施設が集まっています。
「宮沢賢治記念館」の中には、お土産コーナーが設置され、書籍や絵葉書など宮沢賢治関連のグッズが販売されています。特に可愛いふくろうがデザインされたオリジナルグッズが人気です。
「宮沢賢治記念館」の駐車場に併設している「注文の多い料理店・山猫軒」でもお土産を購入できます。山猫軒オレンジケーキ、「雨ニモ負ケズ」の全文が書かれたマグカップ、宮沢賢治のTシャツなどが取り揃えられていて、お土産や記念にピッタリ。
また、「注文の多い料理店・山猫軒」ということで、花巻の郷土料理・すいとんや、花巻産“白金豚”、“ほろほろ鳥”などの食材を活かしたメニューのレストランも兼ねているので、昼食はこちらがオススメです。
様々な角度から宮沢賢治に光を当てて、訪れた人々にその世界観を紹介する岩手県花巻市矢沢にある胡四王山の「宮沢賢治記念館」。その周りには関連した施設を始め「花巻市博物館」もあり、宮沢賢治ファンならずとも花巻観光では外せない必訪の場所です。車でもバスでもアクセスしやすく、花壇や草木など自然の息吹に囲まれた環境で、子供から大人まで楽しめるので家族旅行にも最適。
以上、多くの人々を魅了する宮沢賢治の世界観と岩手の風土を体感できる「宮沢賢治記念館」の御紹介でした。
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