写真:Naoyuki 金井
地図を見る源頼朝は父を清盛に殺され、自身は伊豆に流されて少年期を流人として暮らしていました。
いつかは平家を滅ぼすことだけを頼りに鍛錬を続けていたある日、頼朝の夢枕に立った稲荷神が「平家打倒の兵を挙げろ」と告げ、それに従った頼朝は見事に平家を倒し鎌倉幕府を開きました。
頼朝は、平家を滅ぼしたお礼として社殿を建立して稲荷神を祀りました。これが『佐助稲荷神社』ですが、一説には“佐殿”と呼ばれていた頼朝を助けたことから、この名がついたともいわれています。
もとは農作物の実りをもたらす神様である稲荷神ですが、佐助稲荷神社は頼朝が成功を成し遂げたことから、出世運・仕事運をアップさせる神社として信仰されたのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る2015年夏に公開された映画《海街Diary》でも佐助稲荷神社はロケ地として登場し、主人公すずと千佳が朋章の密会現場を目撃するシーンで使われています。映画上映後、当然のようにロケ地巡りで佐助稲荷も多くの方で賑わいました。
その中で多くの女性たちが目を付けたのが、佐助稲荷神社の参道登り口の手前にある佐助稲荷神社下社の『十一面観音』。
この十一面観音は、良縁に恵まれない赤松幸運という美しい姫君が、恋を諦めて出家する前に、この世の若い男女に良縁がありますようにと祈って彫った観音像だったのです。
美しいけれど良縁に恵まれない現代の乙女たちは、下社の観音像に良縁を祈願し始めたのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る冒頭のセリフにもあったように稲荷社といえば“狐”です。境内には狛犬ならぬ狛狐などの石像がたくさんあり、鬱蒼とした境内とあいまって、スピリチュアルな雰囲気を感じさせますが、ここでは『陶器製の白狐』が彩を添えているのが見て取れます。
ある時、上人が佐助稲荷あたりで子供に虐められていた子狐を助けました。するとその晩夢枕に白狐が現れて疫病が起ると告げ、翌朝枕元に薬の元である種子があったのです。上人はこの種子から生えた葉で多くの人の病を治しあがめられますが、これは佐助稲荷のご利益だと考え、以来佐助稲荷に参詣するのが良いと人々に教えました。
この故事から、佐助稲荷では一対の白狐を供えて願を掛けるようになったのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見る願掛けのための白狐が、一対の組み合わせからか、それとも「可愛いい〜」がツボだったのか、とにかく若い方たちが供えている光景が多く見受けられますと神職は語っています。
最近はロケ地巡りと云うよりは、縁結び祈願、或いはデートコースとして佐助稲荷神社に参拝するケースが多いです。まずは十一面観音を参拝し、風情ある朱の鳥居を潜って拝殿で参拝、そして授与された一対の白狐を境内に供えて良縁祈願するのが定番なのです。
また、カップルの方たちは、一対の白狐に『縁結びのお守り』を掛けてより縁が強くなるように願っています。
ロケ地として脚光を浴びた佐助稲荷神社は今、縁結びの神社としても知られるようになったのです。
写真:Naoyuki 金井
地図を見るこうした様々なご利益と由緒から、鎌倉でも有数なパワースポットとして注目されています。山里に建立された神社なので、鬱蒼とした樹木と相まって古くからの信仰の場が残る佇まいが、一層スピリチュアルな空気を醸し出しているからでしょう。
拝殿裏から数十段の石段を上がった先にある《本殿》を中心として、この佐助地区の湧き水口であり、現在では生命の源と云われる《霊狐泉》や、かつて社が無かった頃、神が宿ると自然崇拝されていた磐座の《お塚》などはパワースポットの最たる場所です。また、苔むした古の祠と白狐の取り合わせは、まるで白狐の村のような様相である《稲荷群》など、思い思いの場所に白狐が供えられて祈願されているのです。
鎌倉最強の出世・仕事運をほこる佐助稲荷神社ですが、五穀豊穣・金運から出世・仕事運、そして縁結びと様々なご利益のある神社は、ロケ地としての興味深さもある観光スポットです。
来年の初詣には、良縁を求めてロケ地佐助稲荷神社を参拝されてみてはいかがですか。
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(2023/12/6更新)
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