チベット高原に源流を発し、渓谷の中を山を削りとるように流れる大河メコン。やがて大河というに相応しく大きく緩やかな流れへと変化を見せ、地形もまた山深き渓谷から河岸平野へと変化する位置に、ラオスの首都ヴィエンチャンがあります。メコン川をはさんでタイのノーンカーイ県の国境に面するビエンチャンは、対岸にあるタイの地方都市の方が大きいのでは?と思えるほど慎ましくも小さな首都で、自転車をレンタルして回れば1日〜2日で全てが見られるほどです。
今回ご紹介する「パトゥーサイ(Patuxay)」は、ビエンチャン一番の大通り、迎賓館からまっすぐ伸びるラーンサーン通り(Lane Xang R.d.)に立てば、その姿をはっきりと目視できるビエンチャンのランドマーク的存在の建物です。ラオス語で「勝利の門」を意味するこの建物は、パリのシャンゼリゼに見立て凱旋門(がいせんもん)を参考に、1960年代に建設がはじまりました。
迎賓館から自転車でゆっくり走って約5分、パトゥーサイに到着です。パトゥーサイを取り囲む美しく整備された広場には、椰子の木などの木々の緑にブーゲンビリアの情熱的なピンクに雲ひとつない空の青さ、そして噴水からこぼれ出る水しぶきが太陽の光を浴びてキラキラと輝き、パトゥーサイに華を添えています。
さっそく、パトゥーサイの門の中へと進んでみましょう。門の中へと入ったら、まずは天井を見上げてみてください。天井にはラオスの典型的なモチーフである神々や、3つの頭を持つゾウなどの躍動感溢れるレリーフが見られます。色彩豊か、と言いたいところですが、もう一度よーく見て下さい。金色の縁取りも色彩もどことなく中途半端な印象を受けるはずです。
チケット売り場で入場券を購入して、パトゥーサイの中へ潜入してみましょう。薄暗い階段はコンクリート打ちっぱなしで、どことなく古びた素っ気ない印象を受けるはずです。2、3階には何もありませんが4階になると、突然東南アジアにありがちな雑多なお土産屋さんが軒をつらね、パトゥーサイのイメージが一変します。
度重なる内戦を経て、戦没者慰霊のために1960年代に建設が始まったパトゥーサイ。新空港建設に使用されるはずだったセメントを回すなどして建築を進めるも、あと一歩のところで財政難に陥り工事は中断、なんと未完成の建物なのです。
全8階建てのパトゥーサイ、登りも下りも階段しかないのが辛いところですが、気合を入れて7階を目指しましょう。薄暗い建物の中から一変して、広くて開放感のある展望バルコニーが現れます。4隅に設えられた祠もまた建築途中で終わってはいるものの、美しい屋根とレリーフが見て取れます。
展望バルコニーから街を見下ろしてみましょう。ビエンチャンの街の全貌が見て取れるはずです。車もまだ少なく、どことなくゆったりとした空気の流れるビエンチャンの街並みを、メコンから吹く風を受けながら、ゆっくりと堪能してください。
*パトゥーサイの最上階は8階ですが、狭く窓にも格子がはまっているので、7階がベストビューポイントです。
外観の美しさとは打って変わって、東南アジアらしい独特の雰囲気を見せる内部とのギャップが面白いパトゥーサイ。財政が確保されて、建築再開となれば、今の姿から更に美しく生まれ変わることでしょう。だからこそ、今のうちに見ておきたいという気持ちに駆られるパトゥーサイは、ビエンチャンを訪れたら外せない観光スポットです!
■パトゥーサイ(Patuxay)
営業時間:8:00〜12:00、13:00〜16:00
入場料:3000KIP
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(2024/4/19更新)
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