緑の谷間に広がる木組みの町・独チュービンゲンは偉人達の青春の町

緑の谷間に広がる木組みの町・独チュービンゲンは偉人達の青春の町

更新日:2015/11/10 12:39

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドイツ南西部にあるバーデン・ヴュルテンベルク州の中央に位置するチュービンゲンは、絵のように美しいネッカー河畔の風景、中世の面影を残す旧市街、特徴ある市庁舎や豪華な木組みの家が建ち並ぶマルクト広場が魅力の町。ドイツで最も美しい町の一つとされ、大学町らしい若い躍動感が溢れ、ドイツで最も住みたい町の一つにも選ばれています。数多くの詩人や思想家を輩出し、先端科学の拠点としても知られている町なのです。

ネッカー河畔の美しいカラフルな木組みの町・チュービンゲン

ネッカー河畔の美しいカラフルな木組みの町・チュービンゲン

写真:Hiroko Oji

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ドイツ南西部の経済の中心地シュツットガルトからさらに列車で1時間ほど南にあるチュービンゲンは、鉄道駅から数分の所にあるネッカー川を渡ったところに見事な木組みの建物を有する美しい町です。ネッカー川に架かる橋に立つと、その素晴らしい風景に期待感が高まります。

川沿いに建ち並ぶのは、色とりどりの建物たち。三角の屋根が可愛らしく、優しいパステルカラーに彩られた家並みの風景は、川の対岸にある中州からも楽しめます。中州には背の高い美しいプラタナスの並木道が奥のほうまで続き、公園として鳥や人々の憩いの場になっています。

美しい風景の川沿いに建つ「ヘルダーリンの塔」

美しい風景の川沿いに建つ「ヘルダーリンの塔」

写真:Hiroko Oji

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河畔沿いの美しいパステルカラーの建物の中に、とんがり帽子の丸い家があります。「ヘルダーリンの塔」と言い、写真の黄色い建物がそれです。ドイツで有名な詩人であるヘルダーリンが、36年間この塔の中で暮らしていたというもの。川沿いの庭には緑の中に像や石碑があり、塔の前には舟着き場が設けられています。夏限定なのですが、学生が船頭となってシュトッハーカーという素朴な木の船を操り、ネッカー川を周遊できるようになっています。

ヘルダーリンの塔の裏手には、エバンゲーリッシュ・シュティフトという建物があります。かつての修道院であり、宗教改革後には神学校として利用されたものです。ヘルダーリンはもちろんのこと、作家ヘルマン・ヘッセや哲学者ヘーゲル、天文学者ケプラーらが学んだところであり、青春時代を過ごした彼らの顔が、今はレリーフとなって壁に残されています。ヘッセは、「車輪の下」の中で、この神学校に入るための凄まじい勉強の辛さや学生生活の厳しさを描いています。

唯一の見所といえるホーエンチュービンゲン城から素晴らしい眺望を!

唯一の見所といえるホーエンチュービンゲン城から素晴らしい眺望を!

写真:Hiroko Oji

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チュービンゲンは、町全体がどれもこれも見応えのある堂々たる木組みの建物ばかりで、特にここを見てください!なんて決めるのが難しいほどです。中には、壁絵が素晴らしい建物も交じっています。そんな町で唯一必見の場所といってもいいのが、石畳の坂を上り詰めたところに敷地を構えるホーエンチュービンゲン城からの眺望でしょうか。

城門の構えも威厳のある立派なもので、アーチをくぐって坂をさらに上ると見えてくるのが、ネッカー川沿いに建ち並ぶカラフルな木組みの建ち並ぶ風景。奥の展望台からは、煉瓦色の屋根瓦を敷き詰めた町並み、緑のシュヴァーベンの田園まで見渡す素晴らしい眺め!この眺望だけでも十分楽しめる一角です。

お城の最も古い部分は1078年のものですが、現在のような美しいルネサンス様式に改装されたのは16世紀のこと。一部を民族歴史博物館として公開されている以外は、主に大学の施設として使われています。

美しい天文時計のある市庁舎が面するのは、豪華な木組みの建ち並ぶ広場

美しい天文時計のある市庁舎が面するのは、豪華な木組みの建ち並ぶ広場

写真:Hiroko Oji

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お城から坂道を下っていくと、町の中心地・マルクト広場へつながります。広場に面して15世紀に建てられた市庁舎には、16世紀に増築する際、1511年製の天文時計が取り付けられました。壁絵も特徴的な市庁舎で、前の広場には中央にネプチューンの噴水が設けられ、たくさんの人々で賑わうところ。ここには毎週月・水・金曜日の午前中に市がたち、石畳の僅かに傾斜した広場を取り囲む建物がどれも素晴らしい木組みばかりで、ショップやカフェ・レストランが入っています。

広場から延びる路地沿いには、堂々とした佇まいの木組みの建物群がズラリと建ち並びます。その中で、中世を偲ばせる雰囲気を感じながら、ただただ散策して回るだけの贅沢なひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。

あのヘルマン・ヘッセが働いていた?昔の本屋さんも素敵な木組みのお家

あのヘルマン・ヘッセが働いていた?昔の本屋さんも素敵な木組みのお家

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場からホルツマルクトという通りに入った所にある、赤い壁が目立つ木組みの建物がヘッケンハウアーという古書店。「車輪の下」で知られる作家・詩人のヘルマン・ヘッセが1895年から4〜5年間、見習いとして働いていたことにより、現在はヘッセに関する資料館となっています。彼に関する写真や書籍、資料はもちろんのこと、ヘッケンハウアー書店の歴史に関する資料なども展示されています。ソファに座りこんでゆっくり資料を閲覧できるので、休憩がてらに立ち寄るのもいいかもしれません。

いかがでしたか?

ドイツに数ある木組みの素晴らしい町の中で、ドイツ人が最も住みたいという町の一つ、チュービンゲンをご紹介しました。この町の人口の4割近くが、学生と大学関係者であるという、若さと活気で溢れた町でもあります。鉄道駅やバスターミナルからも簡単にアクセスできるので、日帰り訪問も可能です。クリスマス時期には、マルクト広場や町の重要な教会であるシュティフト教会前の広場など、クリスマスマーケットも繰り広げられますので、他の町より期間は短いですが、ぜひ楽しんできてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/12/30 訪問

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