ヨーロッパ指折りの木組みの町・ドイツ「ハン・ミュンデン」は、鉄ひげ博士の活躍した町

ヨーロッパ指折りの木組みの町・ドイツ「ハン・ミュンデン」は、鉄ひげ博士の活躍した町

更新日:2015/11/12 13:51

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドイツというよりヨーロッパで指折りの、壮大な木組みの家並みが残る町として知られているのが、ハン・ミュンデン。二つの川に囲まれた旧市街には、600近い数の、目も眩むような美しい木組みが勢ぞろい!700年前から建ち並んでいます。十二の塔、中世の橋や城館・城壁が残り、美しい市庁舎は豊かな当時の姿を今に伝えています。市庁舎前広場では、「鉄ひげ博士」の野外劇やクリスマスマーケットが繰り広げられる町です。

目も眩みそうな豪華な木組みの家並みが囲むマルクト広場

目も眩みそうな豪華な木組みの家並みが囲むマルクト広場

写真:Hiroko Oji

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ドイツ・ニーダーザクセン州南部のヴェラ川とフルダ川とが合流してヴェーザー川となる河畔に開けるのが、圧倒されそうな数と豪華さで木組みばかり建ち並ぶハン・ミュンデン(Hann Munden)の町。山あいの町だったことから戦禍を受けることがなく、ドイツで最も木組みの家が多く残っている町なのです。

一つひとつの家自体が、木枠組みのデザイン・壁や梁の彫り込み・色使いなど素敵なものばかり!それが、通りや広場にずらりと建ち並ぶ様は、圧倒されるほど煌びやかに見えます。クリスマス時期になると、中心地のマルクト広場には、周囲の家並みとマッチするような木組みデザインの屋台が、所狭しと埋め尽くすのもこの町らしいところ。一瞬「どれが本物のお家?」と思ってしまいます。

どこを向いても威厳のある豪華な木組みの家ばかり!

どこを向いても威厳のある豪華な木組みの家ばかり!

写真:Hiroko Oji

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ハン・ミュンデンの町には、600近い木組みの家が建ち並んでいます。たくさんの木組みが建ち並ぶのは、ツェレやゴスラー、ヴェルニゲローデ、ヒルデスハイム・・・など他にもたくさんありますが、ハン・ミュンデンのものは、ヴェーザールネサンス様式と呼ばれる特徴的な建物です。ヴェーザー川周辺に広まった木組みの特徴を総じていうもので、切妻屋根の下に、細かい美しいデザインの、しっかり重みのある木枠が続き、上階に行けば少しずつ出っ張って行く建て方の家並みです。その典型的な建物がヴェルフェン城や市庁舎で、川沿いのヴェルフェン城は1501年に建てられ、現在は図書館と市立博物館として利用されています。

フルダ川を越えたところにあるティリー砦から見下ろす旧市街の眺めも大変素晴らしいものです。緑の森に囲まれたオレンジ色の家並み、合間から見える木組みの壁、色合いがとっても美しいです。

美しい装飾で囲まれた市庁舎

美しい装飾で囲まれた市庁舎

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場に面して建つのは、ヴェーザールネサンス様式のハン・ミュンデン市庁舎。ゴシック様式のホールは14世紀に建造され、1063年から1618年に建築家ゲオルク・クロスマンによって改築され、現在見られる素晴らしい豪華な装飾のファサードが設けられました。この写真は、階段を上ったところにある入口の扉なのですが、どっしりとした威厳のある装飾で囲まれているのがおわかりになるでしょう。

市庁舎ホールでは、夏季の土曜日13:30から「鉄ひげ博士の講義」という15分間のイベントもあります。無料ですのでどうぞご遠慮なく参加してみて下さい。ホールの下では、市の歴史をテーマとした壁絵が見られます。

北のファサードには仕掛け時計があって、毎日12時、15時、17時になると、放浪の医師「鉄ひげ博士」の生涯のシーンを演じる人形が登場しますので、ぜひ時間を合わせてご覧くださいね。

木造の屋根付き橋が架かるフルダ川の中州

木造の屋根付き橋が架かるフルダ川の中州

写真:Hiroko Oji

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このハン・ミュンデンの町外れは、ヴェラ川とフルダ川とが合流してヴェーザー川となる場所ともなることから、この三つにちなみ、「ドライ・フリュッセ・シュタット」(三つの川の都市)とも呼ばれています。

川に架かる橋はかなり長く、木造の屋根付き橋の情緒タップリのもの。この橋を渡るだけでも川の清々しい流れに癒され、橋を渡った先には中世の世界が待っているような感覚に陥ってしまいます。川の合流地点にある中州の先には「ヴェーザーシュタイン」という、詩が刻まれた迷子石の記念碑が立っています。その前にはヴェーザー川下りの遊覧船乗り場があり、夏季限定ですが、ハーメルン(Hameln)の町まで行くこともできますので、タイミングが合えば船旅も楽しんでくださいね。

「鉄ひげ博士」が大活躍!やぶ医者だなんて、とんでもない!

「鉄ひげ博士」が大活躍!やぶ医者だなんて、とんでもない!

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場では、これも夏季限定なのですが日曜日の11時から、放浪の医師「鉄ひげ博士」の野外劇が繰り広げられます。この「鉄ひげ博士」についてご紹介しますと・・・。

昔、Eisenbart(ドイツ語で「鉄ひげ」)というお医者様が放浪した際に立ち寄り、後にこの町に住むようになりました。彼は研究熱心で目立ちたがり屋!大勢の群衆前で手術をしたり、新しい治療法を考え出したりしたとも言われています。それを妬みに思った他の医者たちが「あいつは、やぶ医者だ」という噂を広めたそうです。しかし、実際はとても誠実な人で、意欲的なお医者様だったようです。

こういったことから、この町には大きな注射器を持った、写真のような博士の看板が通りにぶら下がっていたり、彼が旅の途中で滞在した家や息を引き取ったという家、お墓も残っているのです。また、軒下に博士の像がチョコンとくっついていたりするのを見つけると、楽しくさえなってきます。

いかがでしたか?

豪華な木組みが建ち並ぶハン・ミュンデンの町は、通りを歩くだけでも決して退屈しません。夏限定の催し物などもありますが、冬のクリスマス時期も素晴らしい町並みの中で楽しめます。鉄道駅からもアクセスしやすい町ですので、日帰り観光も可能。どうぞ素敵なひと時をお過ごしくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/12/28 訪問

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