写真:乾口 達司
地図を見る西本願寺を代表する造形といえば、やはり国宝・唐門(からもん)の見事な彫刻類を見逃すことは出来ません。唐門の建立は桃山時代から江戸時代初期と考えられており、一説には豊臣秀吉が晩年の居城とした伏見城の遺構とされています。
なかでも、目を見張るのは、極彩色に彩られた見事な彫刻類!中国の故事にちなんだもののほか、中国で伝説上の動物として崇められている麒麟、唐獅子、鶴など、さまざまな人や動物が刻まれており、絢爛豪華な桃山文化をしのばせてくれます。境内南側の目立たない場所に位置しているため、気がつかない人も多いようですが、西本願寺に参拝した折は忘れずにご覧下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は国宝・御影堂正面に据えられた天水受けを支える石製の天の邪鬼。天水受けの四隅を一体ずつで支えています。その表情もそれぞれ異なり、ユーモアに富んだ愛らしい様子が見るものの笑いを誘います。
写真:乾口 達司
地図を見る御影堂の北側に並んで立つ阿弥陀堂へは、ぜひ、靴を脱いで上がりましょう。そして、広い廊下に目をやってみて下さい。足元に目を凝らすと、ところどころ、写真のような造形が目に入って来るはず。これは破損した床板を補修した際、新たな部材をはめ込んだもので、一般に「埋め木」と呼ばれています。
写真は、ご覧のとおり、大相撲で行司が手にする軍配をかたどった部材。補修部分に機械的に新たな部材を埋め込むのではなく、私たちの良く知るさまざまな形にあわせて部材を加工する点には、昔の大工さんのユーモアに富んだ粋な遊び心が感じられませんか?
写真:乾口 達司
地図を見る写真は瓢箪をかたどったと思われる埋め木。瓢箪をかたどった埋め木はその数も多く、もっとも目にとまるものであるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る写真の埋め木は、もちろん、鼻の長いゾウをかたどったもの。チビッコたちにも大人気のゾウ。キミの足元にいるよと教えてあげると大喜びするはず。子ども連れの方は、ぜひお子さんを驚かせてあげて下さい。
西本願寺ならではの魅力的な造形の数々、ご堪能いただけたでしょうか。埋め木の種類はまだまたあり、ご自身で埋め木を探す楽しみもありますし、それ以外にもさまざまな造形が境内の各所に見られます。西本願寺を訪れたら、数々の造形美も楽しんでみて下さい。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
乾口 達司
これまでは日本文学や歴史学の世界で培った見識にもとづいて数多くの評論や書評を執筆してまいりました。奈良生まれ、奈良育ちの生粋の奈良っ子。奈良といえば日本を代表する観光地の一つですが、地元民の立場からい…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索