写真:万葉 りえ
地図を見る海外からの方々に人気が高い観光地として京都の伏見稲荷大社が一番に選ばれたニュースを聞いたことがありませんか。
赤い鳥居がびっしりと続く祈りの道は、まるで異空間へのトンネル。千本鳥居と言われているけれど、実際の鳥居の数は一万基ともいわれています。鳥居の色が「赤」ではなく、黄みをおびた赤である鉛丹色(えんたんいろ)というのも、海外の方々に日本独特の雰囲気を楽しんでもらえるのかもしれませんね。
京都の伏見稲荷大社ほどではありませんが、鳥居が何本も立って人々を待っているのが、太宰府天満宮の裏手の小高い山に立つ天開稲荷社です。
九州最古のお稲荷さんと言われていて、鎌倉時代に京都の伏見稲荷大社から御分霊(わけみたま)をし、おこしいただいた由緒ある神社。五穀豊穣に、商いの発展、そして人々の開運と幸福をもたらす神様。
その名の通り、「天に運が開ける」といわれて近年はパワースポットとして知名度アップです。
写真:万葉 りえ
地図を見るお稲荷さんといえば、お使いはキツネ。
多くの神社では「阿吽(あ・うん)」の口の形をした狛犬(こまいぬ)ですが、天開稲荷社では白狐が迎えてくれます。
白い毛をもつ白狐は善狐の代表格で、人々に幸福をもたらすといわれていて、日本の古い物語にも、人を助けたり、導いたりする白狐が登場します。
伏見稲荷大社に行かれたら、神の使いのキツネたちが、鍵や玉、稲穂や巻き物などをくわえたり持ったりした姿を見ることができます。天開稲荷社の白狐は、その中で巻き物と玉をくわえた姿。
人々の願いを巻き物にしたためて「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」へ届けて、良い運を玉にこめて与えてくれるのかもしれませんね。
写真:万葉 りえ
地図を見るこの神社では、まず12本ある干支の鈴の中から自分の干支の鈴をならし、その後本鈴をならすのが決まり。
本殿の奥に横穴式の石室があり、こちらは「奥の院」と呼ばれている祈りの場所。奥の院への入り口もちゃんと白狐が守っています。
太宰府には「陣の尾古墳」と呼ばれている古墳群もあり、九州北部は古い歴史を持っていて古墳なども多い所。中にはたくさんの小さな白いキツネたちが待っています。
木々に囲まれたこの地で神聖な空気を胸いっぱいに吸いこむと、それだけで大きなパワーが体の中に入ってくるような気がしますよ。
写真:万葉 りえ
地図を見る鳥居は「願い事が通る」ように。また「願い事が通った」お礼として奉納されているといいます。京都の伏見稲荷大社も、そうやって納められた鳥居があの独特の景観を作っています。
天開稲荷社の場合は、鳥居だけでなく、納められた赤や白ののぼりが参道に並べられ、木々の緑の中ではためいています。
九州北部だけでなく、近畿地方や中部地方からの奉納者も珍しくなく、この神社を信奉する人々が広域にわたっていることを教えてくれます。
絵馬も、伏見と同じように描かれているのは「馬」ではなく「キツネ」。願い事とともに、どんな表情を描きましょうか。
天開稲荷社は、太宰府天満宮の末社となっています。
旧暦の初午(はつうま)の日に春の大祭が行われます。これは、和銅4年の2月の初午に稲荷大神が初めて京都の伏見稲荷大社に鎮座されたことに由来します。春の大祭についての詳しい予定などは太宰府天満宮のホームページで案内されるので、こだわった日にお願いに行きたいとお考えの方はチェックしてくださいね。
御朱印を集めていらっしゃる方は、太宰府天満宮のほうでいただけるようになっています。
太宰府天満宮の本殿の奥には梅園があり、お石茶屋をぬけると、ほかには人がいないことも珍しくありません。近年はガイドブックなどでも取り上げられており、参拝者が増えてきています。
それでも、太宰府天満宮の本殿前の賑わいに比べたらたいへん静か。
木々の間に立つ天開稲荷社でのゆったりした時間は、パワーを与えてくれるでしょう。
太宰府は他にも見どころがいくつも!
下記MEMOを参考にして、歴史ある地をたっぷり楽しんできてください。
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(2024/12/14更新)
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