輝く紅葉の森と悲しき姫の伝説、愛媛・大洲市「白滝」

輝く紅葉の森と悲しき姫の伝説、愛媛・大洲市「白滝」

更新日:2015/11/12 14:45

秋が深まると出かけたくなるのが紅葉の名所。赤や黄色に染まる美しい木々はまさに日本の美。そんな紅葉の名所の中に、悲しい姫の伝説が残る滝と一面に真っ赤に輝く紅葉の森が楽しめる稀有な名所があります。場所は四国・愛媛県。人気観光列車「伊予灘ものがたり」が走る風光明媚な風景の中にある大洲市の「白滝」です。自ら命を絶った姫の伝説を追いながら白滝の上部まで登りつめると、そこには錦色に輝く森が待っているのです。

ローカル線の旅情気分が盛り上げてくれる紅葉散策

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白滝公園の入口には、JR予讃線の伊予白滝駅。ローカル線の旅情気分が存分に味わえます。特に伊予長浜経由の予讃線は人気の観光列車「伊予灘ものがたり」が走る路線でもあり、日本で一番海に近いと人気の「下灘駅」をはじめ、海と川の風光明媚な風景を楽しめる最高の鉄道旅も満喫できます。電車でアプローチするなら、松山から伊予長浜経由の路線を是非とも選びたいところ。

もちろん車でのアプローチも可能。白滝公園の駐車場は有料で数は限られていますが、紅葉の時期は国道沿いに臨時駐車場が開かれます。予讃線の踏切を渡りますので、少しだけ足を止めて、鉄道旅情を垣間見てみるのも良いかもしれません。

現役の水車小屋まで!日本の美が残る渓流散策

現役の水車小屋まで!日本の美が残る渓流散策
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駅前から案内看板に導かれ道を進むと白滝公園の入口にたどりつきます。ここからは色づいた紅葉が美しい清流沿いに滝へと進む遊歩道。途中には昔ながらの水車小屋があり、今も粉を引いています。川音と水車小屋が規則正しくたてるゴトンゴトンという音が紅葉が覆う谷間に響いています。懐かしくも新鮮。日本の秋の美を満喫できる遊歩道です。

るり姫の伝説に導かれて登る白滝

るり姫の伝説に導かれて登る白滝
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遊歩道は落差約20mの落合滝に出会うとそこから本格的な登り。しっかり整備された階段が山の上まで続いています。落差約80mの白滝の姿を色づいた木々の間に眺めながらどんどんと標高を上げていきます。遊歩道には途中、この白滝に身を投げた悲劇のヒロイン、るり姫の伝説を14枚の紙芝居風に仕立てて掲示されています。侍女たちとともに攻め入ってきた敵と勇猛果敢に立ち向かい、最後はこの滝に身を投げ自ら命を絶つというるり姫の悲しい話。話を楽しみながら進むと、意外に早く滝の上に到着してしまいます。

白滝の上からは紅葉と大洲盆地の風景を一望

白滝の上からは紅葉と大洲盆地の風景を一望
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遊歩道を登りきった場所は広い展望台になっており、休憩所や「もみじ亭」という食堂があります。ここでまずは一息入れましょう。展望台からは愛媛県最大の河川である肱川(ひじかわ)が流れる大洲盆地の美しい風景が一望できます。晩秋の早朝にはこの大洲盆地で発生した山霧が肱川をながれて一気に瀬戸内海に押し流される「肱川あらし」という幻想的な風景を見る事ができます。

まさに絶景、夕日に輝く紅葉の森!

まさに絶景、夕日に輝く紅葉の森!
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白滝上部は一面の紅葉の森になっています。真っ赤に色づいた森は愛媛の紅葉の名所にふさわしい美しい風景。特に太陽が西に傾く夕方は真横から光が森に射し込むため、森全体が紅葉色に発光しているかのような幻想的な風景を楽しめます。頭上の色づく木々も、足元に広がる森も、さらには地面の落ち葉も、太陽の光に照らされて眩しく赤や黄色の光を放つ森はまるで童話の国に迷い込んだかのよう。滅多にお目にかかれない紅葉と夕日を両方楽しめる絶景スポット。ぜひとも白滝の紅葉は夕日の時間を外さずに訪れてください。

るり姫まつりとライトアップも楽しもう

白滝の紅葉の見ごろは11月の3連休。この期間中に「るり姫祭り」が開催されます。るり姫の衣装に身を包んだ稚児行列や、正午の時報と同時に、白滝の上部から身を投げたるり姫の故事になぞらえて、滝の落ち口から滝壺へ花みこしを投げ落とす祭事がハイライト。是非とも紅葉狩りと一緒に祭も楽しみたいところです。

白滝の上部で夕日の時間に美しい紅葉を楽しんだ後に下山すると、辺りは薄暗くなります。所々に配されている灯篭に明かりが灯るために真っ暗ではありませんが、念のため懐中電灯を持参することをお勧めします。落合滝まで下れば、滝が幻想的な色でライトアップされています。暗闇の中に浮かび上がる滝の姿も最後にじっくりと楽しみたいですね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/23 訪問

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