写真:Saito Junso
地図を見る海印寺は韓国中南部に位置するテグ(大邱)郊外にあります。テグへはソウルからもKTXなどが運行されているのでアクセスはとても便利な場所です。海印寺へはテグの地下鉄2号線「聖堂池」で下車し、すぐ傍にあるバスターミナルからバスに乗って向かいます。バスターミナルではほとんど韓国語表記ですが、海印寺行きのバスは「Heinsa(ヘインサ)」と書かれているので目印にしましょう。
バスは最初高速道路を走り、やがて山の方へとどんどん入って行きます。1時間ほどで海印寺の立派な門を過ぎ、そこで係員がバスに乗り込んで来るので海印寺の入場料を払います。
バスを降り自然豊かな伽耶(かや)山を20分ほど歩くと、海印寺の境内に入る一柱門が姿を現わします。
写真:Saito Junso
地図を見る一柱門は寺院の入口にある第一の門で、仏教の世界に進む道の最初の関門を意味するものとされています。そして参道を歩き姿を現すのが鳳凰門。両側に金剛力士、中には四天王の画が配置され、天王門とも呼ばれています。
そして鳳凰門を過ぎると三つ目の門である解脱門が見えてきます。これは「現世の苦悩から抜けだして自由の境地に達する」という意味で、まさに仏教観を体現化した構造になっていると言えます。
写真:Saito Junso
地図を見る海印寺は新羅時代の802年に、順應と理貞の二人の僧によって伽耶山山中に建立した1200年の歴史を持つお寺です。仏教三宝(仏・法・僧)のうち仏教の教えを集大成した「法宝」を有しており、韓国の「三宝寺刹」のひとつに数えられています。後に紹介する八万以上もの仏教木板(八万大蔵経)をはじめとする貴重な資料がたくさん保管されています。
海印寺の境内に入ると大きな建物が見えてきます。毘盧遮那仏が配置された大寂光殿(本殿)で、毘盧遮那仏は文殊菩薩、普賢菩薩と共に三蔵仏とされています。
大寂光殿前の中庭にある石塔や石造りの灯篭は、9世紀頃の統一新羅末期のものだと言われています。これは数少ない建立当時の建物のひとつです。
写真:Saito Junso
地図を見るちょっと一度ここらで中庭の方に目を向けてみましょう。
海印寺の境内に石で迷路のような図が描かれているのに気付くと思います。実はこれ新羅時代の義湘僧侶が創案した海印図で、合掌しながらこの図の通り歩くと「生前に大きな功徳を積み 死後は業障が消滅する」というご利益が頂ける図なのです。その為、現在でもたくさんの人がこの海印図の上を歩いている姿が見られます。海印寺を訪れた際には是非、この図の上を歩いてみましょう。
写真:Saito Junso
地図を見る本殿の大寂光殿を越えてさらに進むと、いよいよ世界遺産である「大蔵経板殿」が見えてきます。先にも紹介しましたが、海印寺が法宝寺刹と呼ばれているのは、ここに八万大蔵経が納められていることが大きいとされています。
仏教の力を借りて外敵など国難を克服しようと祈願され作られた八万大蔵経は、1236年から16年もの時間をかけて作成されました。正式名所は高麗大蔵経といいますが、経板の枚数が8万1258枚あることからこう呼ばれています。
そして特筆すべきはその正確さ。誤字脱字がひとつもないというから驚きです。直射日光が差さないよう保管され、床には灰や塩、砂などを敷いて湿度を調整するなど驚くほど保存状態も良いのも特徴です。
お釈迦様の教えが書かれたこの経典は残念ながら写真撮影は禁止されていますが、見学は可能なのでしっかりと見ておきましょう。境内にはレプリカがあるので板の構造も良く分かります。
海印寺はその歴史もさることながら、八万枚以上もの仏教木板を完璧な状態で保管し続けていると言う非常に稀なお寺です。ここを訪れることによって当時の人々の平和や仏教への思いを感じることができるようです。お寺までのローカルバスでの移動なども、韓国の田舎をゆっくり楽しむいい機会になるでしょう。
同じく三宝寺刹である梁山の「通度寺」や順天の「松広寺」と共に、韓国の由緒ある古刹「海印寺」を一度訪れてみてはいかがですか。
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(2024/10/7更新)
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