写真：東郷 カオル
地図を見る浄土宗総本山知恩院。この知恩院に泊まるとなると、ちょっと身の引き締まる思いが。
ですが実は知恩院の宿坊というのは、知恩院三門の前に建つ新しくてスタイリッシュな「和順会館」という施設で、その外観からはとても「宿坊」とは思えません。ロビーも煌びやかな装飾はありませんが、シックでスタイリッシュ。ビジネスホテルと言っても通用するほどの内装です。
宿坊とは言ってもロビー周りにはホテルのようにソファーで寛げるスペースも。ですが一般のホテルと違うのは、大騒ぎするような団体客がいないということ。このあたりに「宿坊」という雰囲気を感じる程度のもので、あとはホテルと何ら変わりは見当たりません。あえて言うなら、フロントスタッフが坊主頭ということだけでしょうか。
写真：東郷 カオル
地図を見る和順会館は地下2階、地上3階建て。坂の下から建物に入ると、そこは地下1階。反対に三門の方から入ると1階に入ることになります。和順会館は知恩院へと続く坂道の途中、ちょうど三門の手前にありますので、このような構造になっています。
地下にはお食事処と広い大浴場、休憩スペースもあります。
客室フロアも余計な装飾がなくシンプルですが、ギャラリーのような空間になっていてオシャレ。石、漆喰、木等の自然の材質が多く取り入れられており、静かで落ち着く空間を作り出しています。この雰囲気をお手頃価格で楽しめるのは宿坊ならではです。
写真：東郷 カオル
地図を見る和順会館のお部屋は3タイプ。和室、洋室、和洋室があります。アメリカンチェリー無垢材やヌメ皮などの天然素材を用いた家具や、最高級羽の毛布団など、とても宿坊とは思えない設備。写真は和洋室で25平米。フローリングの床に小さな畳スペース。低めのベッドが2台置かれています。もちろんテレビも。入浴は広くて快適な大浴場の利用をおすすめしますが、お部屋のバスルームも明るく清潔。最近のビジネスホテルと比較しても遜色ありません。それに加え、浴衣がモダンでオシャレ。ここまでくるとスタイリッシュなホテルです。ベッドの上には写真家シュヴァーブ・トム氏が撮影した四季折々の知恩院の写真が。
宿坊の概念を覆す設備に面食らう人もいるかもしれません。
部屋によっては窓から知恩院の三門が望め、堂々とした壮観な構えを心ゆくまで楽しめます。夜遅い時間や早朝など、誰もいない三門の静かな佇まいを見ることができるのも、和順会館ならではです。
朝、定刻になると館内スピーカーから朝のお勤めのご案内の放送が流れます。不要な方は館内放送を切っておくと良いでしょう。時間に余裕のある方は、せっかくの知恩院の宿坊ですから早起きして朝のお勤めに参加してみてはいかがでしょうか。
写真：東郷 カオル
地図を見る和順会館はホテルのような設備ですが、やはり宿坊です。朝食にはハムやベーコンは出ませんので、その点はご注意ください。
その代わり、とても美味しい精進料理と10種類以上のお漬物がいただけます。お漬物好きには天国のような朝食ですが、塩分の取り過ぎには注意が必要ですね。朝からごはんが進む、健康的な朝食です。
知恩院の宿坊・和順会館は、あまりの設備の良さにうっかり宿坊であることを忘れてしまいそうになりますが、街中のホテルと違ってちょっと早めの門限(23:00)がありますのでご注意ください。
朝食は精進料理。健康的な朝食ですが肉類がありませんので、育ち盛りの肉好きの方は宿泊プランを素泊まりにして、朝食は外で食べたほうが良いでしょう。
宿坊という宿泊施設ですので、修学旅行の団体に当たることがありますが、がっかりせずに。修学旅行生は入浴時間が決められていたり、朝食会場が別だったりしますので、かえってゆったりと大浴場や朝食会場を利用できることがあります。
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(2024/4/16更新)
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