巡礼の旅は、何番のお寺から始めても構いません。行ける時に行けるところへ行くのがラクです。忙しくて全部は無理、でも、一つでも「巡礼」お寺めぐりに出かけてみませんか。お寺の見方が変わり新しい体験になります。
知多四国の1番寺は、清涼山曹源寺。知多半島の付け根、豊明市にあります。1番寺のためか、広大な駐車場が山門前に。このお寺はかつて織田信長と今川義元の桶狭間の戦いの戦傷者の介護をしました。最終的に約2,500名の死者を弔うことに。
曹源寺さんでは本堂屋根中央の鬼瓦がちゃんとお参りしたかニラミを利かしています(写真)。
本堂大屋根の四方にある鬼瓦もものすごい形相でニラミをきかせます。
曹源寺では、納経帳、白装束など巡礼に必要なものがすべて入手可能。お参りしたら納経帳購入し、曹源寺ページにご朱印を3つ(寺番号、ご本尊名、寺名)いただきます。納経帳は「奉納経」が正しい名称。写経を収めたことを弘法大師が受け取ったお印が、ご朱印。もちろん、写経を納めなくてもご朱印はいただけます。納経帳はご朱印で少しずつ朱くなります。
2018年は知多四国霊場開創210年の記念の年。通常は3個頂ける御朱印に、記念の4個目の記念宝印もいただけます。
納経帳には全九十八寺(後ほど説明)印刷してあり、お参りしたお寺のページにご朱印が押されます。1番寺のご朱印がはいると、次へのモチベーションになります。何事も始めが大切!
曹源寺の基本情報
住所:愛知県豊明市栄町内山45
電話番号:0562-97-0915
曹源寺から約50km南下した南知多町大井港聖埼にあるのが、「上陸大師像(写真)」。高さは約4m。弘法大師は三河から、舟で南下、ここで知多半島に上陸したといわれています。そして知多半島が生まれ故郷の四国の気候風土に大変似ているのに驚くのです。ためしに、知多半島を時計回りに約90度回転してみてください。少しホッソリとした四国になります。
「西浦や東浦あり 日間賀島 篠島かけて四国なるらむ」と古歌にも歌われた知多半島は、人々の信仰心が篤いところ。知多四国は、弘法大師の夢のお告げにより、知多市古見妙楽寺の第13世亮山阿闍梨によって200年以上前に開創されました。宗派の違いなどにより、開創までに16年もの年月を要しました。
大師像の後方右手は、三河湾に浮かぶ佐久島、左手から伸びているのは西浦半島、真ん中遥か後方は豊橋方面。位置もこの順です。弘法大師は左手後方から海を渡ってきました。
「上陸大師像」から1kmほど北に戻ったところにあるのが、北室院。弘法大師は、このお寺の「明星井(写真)」の水を使用しましたが、井戸はいまもそのまま残っており、水も1,000年以上往時のままです。井戸には生まれたばかりのお釈迦様が7歩歩いて指さした「天上天下唯我独尊」像(写真)があります。
北室院の基本情報
住所:愛知県知多郡南知多町大井真向11
電話番号:0569-63-0308
知多四国八十八か所には、3か所の開山所と7か所の番外があり、合計九十八か所の霊場からなります。ここではその番外から「浄土寺」を紹介します。
「上陸大師像」から更に南下し、最南端師崎(もろざき)を周りこむと伊勢湾です。日間賀島や篠島、渥美半島や伊良湖岬がよく見えます。三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台、神島や鳥羽方面が見渡せ、知多半島屈指の絶景が楽しめます。師崎を回り込んで2〜3kmすると巨大亀像がある浄土寺。南知多町です。明治42年に浜に打ちあがった大亀の実物大だといわれています。その大きさは、長さ約2m、幅1.5m!
ご朱印は、亀の形でとてもユニークで珍しいもの。縁起がよいので、20番寺龍台院の鶴の形のご朱印もいただくと、とてもありがたがられます。鶴も亀も同じ方向を向いたご朱印。印をいただいてからその形や意味を確認するのも楽しいですよ。
お参りしていると、貸切りバスなどで白装束を身にまとい、熱心な巡礼の方たちに巡り合います。団体の方たちがお経を唱え、巡礼を実感する瞬間です。
大亀です。一周して大きさを実感してみてはいかがでしょう。
浄土寺の基本情報
住所:愛知県知多郡南知多町豊浜小佐郷1
電話番号:0569-65-0359
浄土寺からさらに6〜7km海岸沿いに北上すると、美浜町にある野間大坊。近くには「恋人たちの聖地」野間灯台があります。野間灯台前の海岸沿いも伊勢湾絶景が続きます。野間大坊は、源頼朝・義経兄弟の父親、源義朝が謀殺された場所としてあまりに有名。
平治の乱の敗走から落ち延びた義朝公は、入浴中にかつての家来に襲われ絶命。「我に木太刀の一本なりともあれば・・」と言ってくやしがったことから、40cmほどの木刀が廟に無数に供えられます。頼朝がここで父義朝の菩提を供養し、その後将軍に出世したことで、縁起がいい寺として秀吉、家康など庇護のもと発展します。太く長くの意味で、長さ30cmほど、直径5mmくらいの「長命線香」があります。
ぜひ試していただきたいのが、「血の池」のすぐ横、「大マニ車堂」にある「マニ車(写真)」。直径1m以上、高さ2mほどもあり、大鐘楼に見えますが、これを参拝者が自ら回すのです。下部の手すりをつかんで時計回り。「マニ車」周囲には「般若心経」が記されており、一周するとお経を一回唱えたことになります。
野間大坊さんには、野間大御堂寺(50番)と野間大坊(51番)があり、2つのご朱印がいただけご利益2倍です。
また、四国八十八か所全霊場のお砂がすべてまかれた「お砂踏み」と呼ばれる霊験あらたかな回廊があります。客殿中庭に向かう回廊に51番札所から88番札所までのお砂がまかれた霊験あらたかなお砂踏み。正に、知多四国八十八か所のヘソとも言うべきお寺。
客殿中庭に、1番札所から50番札所までのお砂踏みがあります。こちらは一周します。
大御堂寺と野間大坊の基本情報
住所:愛知県知多郡美浜町野間東畠50
電話番号:0569-87-0050(共通)
知多市にある福生寺、「やけん大黒天像」(写真)に会えます。こちらは、コンクリート製の七福神、大黒様を信者が寄進したもの。「やけん」=「焼けん」の意味。
この大黒様、毎年黒のペンキで塗り替えるそうです。本当はもっと黒いのですが、太陽を浴び続け、少し色が落ちています。塗りなおされるのが待たれますネ。米俵にのる2頭身の大黒様にはネズミも控えています。それにしても縁起の良い福顔、幸せを呼びそうです。ぜひ、お参りしてください。
本物(写真)は、大正2年の大火で本堂が消失しても、やけのこり、現在の本堂でガラス箱入り。高さ30cmほどで、福相、満面の笑みは同じですが、鼻が少し欠けています。
福生寺の基本情報
住所:愛知県知多市新知東町1丁目8-3
電話番号:0562-55-3699
知多四国巡礼の旅の雰囲気を感じていただけたでしょうか。わずか5寺の紹介ですが、(九十八か所は)無理せずいつでもお参りすることができます。月に1回土曜日に、5〜10寺ずつ10kmほど散策しながら巡拝するコースもあります。最寄りの駅に集合、モデルコースに従い、自由に参加、費用も不要でおススメです。名鉄名古屋駅から20〜60分程度の各駅からスタートします。
ご朱印は、納経帳、白装束、(納経)掛け軸などに押してもらい、それぞれ100〜300円。納経帳へのご朱印はおおむね100円です。お寺には浄財のさい銭箱が予想外にたくさんあります。小銭をたくさん用意しておくと、安心です。
知多四国は全行程200km近く。全巡拝に徒歩なら6〜7日、車・貸切バスなら2泊3日必要です。知多半島周辺には、新鮮な海の幸、山の幸、伝統の和菓子、天然温泉など恵まれているのでこちらも楽しめます。
お寺のご本尊などはメモ欄に入れておきますので参照ください。
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