料理に菓子、饅頭の神様も!京都・吉田神社は食いしん坊必訪のスポットです

料理に菓子、饅頭の神様も!京都・吉田神社は食いしん坊必訪のスポットです

更新日:2015/12/12 09:41

古都の U助のプロフィール写真 古都の U助 ブロガー
節分祭で有名な京都吉田山の吉田神社は、もともとは奈良の春日大社から勧請、創建されたお社です。
山とはいってもずいぶん低い山で、四季折々に趣のある美しい光景が楽しめます。
その吉田神社には全国・八百万神の神々を祀る「大元宮」や、料理の神様を祀る「山蔭神社」、お菓子の神様と饅頭の神様を祀る「菓祖神社」など興味深いお社があり、飲食関係者はもちろん食いしん坊な人々の熱い関心も集めています!

京都大学正門前から吉田神社へ!

京都大学正門前から吉田神社へ!

写真:古都の U助

地図を見る

吉田神社の境内がある吉田山は神楽岡の名でも親しまれ、標高は100メートル程の丘陵地帯となっていて、山とはいっても歩きやすい靴ならごく簡単に登ることができます。東南側には真如堂や金戒光明寺があり、西側の麓には京都大学のキャンパスが広がります。

吉田神社へはいくつかの参拝ルートがありますが、おススメは京都大学の正門がある東一条通りから「一の鳥居」をくぐり吉田神社へ行くルートです。
石段は少々ありますが、分かりやすく、京都大学の正門はくぐるとすぐに時計台記念館や大学のシンボルとなっている大きなクスノキもある等、観光ルートとしても大変魅力的です。

吉田神社・本宮

吉田神社・本宮

写真:古都の U助

地図を見る

一の鳥居と二の鳥居をくぐり、石段を登ると本宮があります。吉田神社はもともと清和天皇の頃、貞観元年4月(西暦859年)に中納言藤原山蔭によって京の都の鎮守社として奈良の春日大社から勧請、創建されました。

本宮では建御賀豆知命(たけみかづちのみこと)伊波比主命(いはいぬしのみこと)天之子八根命(あめのこやねのみこと)比売神(ひめがみ)の四神が祀られます。
当初は山蔭一門の氏神として、また後には藤原氏全体の信仰を集めるようになりました。

鎌倉時代以降は卜部氏(後の吉田氏)が神職につき、一門には徒然草で有名な吉田兼好がいます。
江戸時代には全国の神社の神職の任免権(神道裁許状)などを与えられ明治になるまで神道界に大きな権威を持ち栄えたお社で、今も七五三や結婚式など諸々の節目や節分行事などで広く親しまれ信仰を集めています。

やっぱり鹿がシンボル!?

やっぱり鹿がシンボル!?

写真:古都の U助

地図を見る

奈良といえば鹿、というほど春日大社を中心に奈良公園では鹿が神使として大切にされたくさん生息していますが、それは藤原氏の祖先とされる建御賀豆知命(武甕槌命などとも)が白い鹿に乗ってやって来たとされる為です。

吉田神社の本宮のすぐそば、若宮社の階段下には神鹿像があります。
今は生きた鹿はこちらにはいませんが、昭和32年、吉田神社御鎮座千百年記念事業の一つとして、境内で鹿を飼ったこともあるそうです。

スイーツ好きの神

スイーツ好きの神

写真:古都の U助

地図を見る

吉田神社にある菓祖神社は、京都菓子業界の菓祖神社創建奉賛会によって、昭和32年に兵庫県「中島神社」、和歌山県「橘本神社」、奈良県 「林神社」から祭神をお迎えし鎮祭された社です。
こちらでお菓子の神様とされるのは古事記や日本書紀に登場する田道間守命(多遅摩毛理などとも)と、お饅頭を日本で初めて作った林浄因命です。

田道間守は今の兵庫県但馬地方出身と伝えられ、垂仁天皇の命で不老不死の薬とされる非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)を持ち帰ったとされています。
田道間守が帰国した時にはすでに天皇は亡く、悲しみのあまり田道間守も亡くなってしまったそうですが、天皇の墓前に植えた「非時香菓」は柑橘類の一種である橘とされ、最初に移植されたのが和歌山県海南市の「橘本神社」とされています。

また林浄因は1349年宋の国から帰化し、奈良にて日本で初めて甘い餡を使い饅頭を作った人物です。
子孫は後に奈良から京都へ移り住み、その場所は中京区烏丸三条辺りで、今も饅頭屋町の地名が残っています。
さらに江戸時代には今の塩瀬総本家として東京へと移り現在に至ります。

料理の神様

料理の神様

写真:古都の U助

地図を見る

吉田神社を創建した藤原山山蔭卿は、平安時代前期の公卿で光孝天皇の勅命により四条流庖丁道と呼ばれる庖丁式(料理作法)の新式を定めたことも知られています。

四条流庖丁道でよく知られる特徴としては、庖丁と真魚箸(まなばし)のみを用いて、鯉・鯛・鰹などの食材に手を触れることなく調理していくもので、各地の神社などで奉納、披露されています。

山蔭神社は藤原山蔭卿を日本料理中興の祖、料理包丁の神として昭和32年の吉田神社御鎮座1100年大祭を機に、昭和34年5月に鎮祭されました。

お社周囲の石柱には有名な飲食店の名が刻まれているので、知っているお店の名前をぜひ探して見て下さい。

その他に

二月の節分祭や初夏の吉田山大茶会など、多彩な行事が多いのも吉田神社の魅力。
正月三ヶ日、2月2日・3日、毎月1日は斎場所大元宮の内院特別参拝が可能ですので、ぜひ狙って行っていただきたいと思いますが、行事が無い静かな時も趣があり良いですよ。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/25−2015/11/14 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -