写真:いしい ひい
地図を見るアニョヌエボ州立公園(Año Nuevo State Park)は、サンフランシスコから南へ車で1時間半、大海を臨む豊かな自然の中にあります。
毎年冬になるとこの砂浜に、巨大なゾウアザラシが何千匹も上陸します。オスは伴侶を求めて、そして妊娠したメスは出産のために。その貴重な生態系を守るため、12月15日から3月末にかけて、Public Seal Walkというガイドさんが引率するツアー(2時間半)でのみ、ゾウアザラシがいる砂浜にアクセスすることができます。
公園に着いたら早速ツアーを申し込み、待ち時間の間にビジターセンターの展示を見て、ゾウアザラシの生態を勉強しましょう。
ゾウアザラシは生涯の80%を海上または海中で悠々と過ごし、交尾、出産、脱皮のときだけ岸に上がってくること、砂浜に到着したメスはその数日後に赤ちゃんを産み、母乳を与えながら育てることなど、興味深い説明がいっぱい!
写真:いしい ひい
地図を見る所定の時間になったらツアーのスタート地点へ。20人くらいのグループに一人のガイドさんがついて、公園を歩いて回りながら、ゾウアザラシの一生やアニョヌエボの自然について、分かりやすく説明してくれます。
広大な公園のあちこちに、ゾウアザラシの姿が!たったいま砂浜に到着したもの、砂浜でのんびり休んでいるもの、大きな声をあげて他のオスを威嚇するもの。2トンもの巨体を持つアザラシは迫力満点!
身体も声も大きい強いオスに威嚇されたものたちは、次々にその場を離れていきます。オス同士のメスを巡る争いは、ときに荒々しい闘いに発展することも。自然の厳しさを感じますね。
写真:いしい ひい
地図を見るこれがゾウアザラシの赤ちゃん!はぐれないように、ママにぴったり寄り添って、懸命にミルクを飲んでいます。まだあどけない表情がかわいいですね。1月中旬から2月中旬が、最も多くの赤ちゃんに出会える時期!運がよければ、ツアーの最中に出産風景に巡り合うこともあるんだとか。
人間の母乳が脂肪分4.5%であるのに比べ、ゾウアザラシのミルクの脂肪分はなんと55%!ベビーはすくすく、というより、みるみる大きくなっていきます。
そして3月になると、母アザラシは突然育児をやめて、大海原に帰っていきます。残された子アザラシはその頃になると大人の毛に生え変わり、浅瀬で泳いだりエサを採ることを自ら学習し、4月に大海へと旅立っていきます。毎年繰り返される自然の営み、神秘的です。
写真:いしい ひい
地図を見るまるで人間に挨拶するかのように愛嬌をふりまくゾウアザラシの姿も。ガイドツアーに参加した皆が笑顔になる瞬間です。
あまり人間を警戒しない習性が災いしたのか、19世紀末には乱獲されて絶滅の危機にあったそうです。現在は保護の対象となり、かつての個体数を取戻しました。
ツアーの間はガイドさんの指示に従って、ゾウアザラシに近づきすぎない、驚かさないように気をつけましょう。
この公園にはたくさんの海鳥も、そして大海を見晴らすとラッコの姿も見えます。多くの生き物にとってアニョヌエボは楽園であり、この自然を守ることは、私たちの使命でもあります。
ツアーは予めウエブサイトから、または公園の入り口で申し込むことが出来ます。その場で申し込む場合は、午前中、早めの時間帯に行くことをお薦めします。午後1時以降は込み合うこともあります。
たっぷり2時間半のツアーでは、約5キロを歩きます。柔らかい砂浜の上はなかなか歩きにくく、坂道など高低差もあるので、必ず歩きやすい靴で参加しましょう。また海からの風が強い日もあるので、服装にも気をつけてください。
公園のビジターセンターでは飲食物を販売していないので、お水や軽食を用意しておくと便利です。公園にはピクニックエリアもありますよ。
写真:いしい ひい
地図を見るゾウアザラシの領域に踏み込まないよう配慮しながら、私たちに豊かな自然の営みを見せてくれる、アニョヌエボ州立公園のガイドツアー。ゾウアザラシの誕生と繁殖、そして長い海の旅の果てに陸で一息ついている姿を、是非見に来てくださいね。
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(2023/12/8更新)
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