どぶ板通りは、京浜急行汐入駅から徒歩5分のところにありますが、快速特急停車駅の横須賀中央駅からでも、ほぼ同じ時間で訪れることができる便利な場所にあります。ここは昔から横須賀の中心地区、いつ頃からかというと、明治時代の帝国海軍が軍港を開いたところに起源があるのです。
どぶ板通りの由来は、かつて道の中央にどぶ川が流れていて、往来の邪魔になるという理由で海軍から鉄板を提供してもらい、川の上に敷いたところからそのように呼ばれ、現在に至っています。
各界の有名人にもなじみがある場所で、歩道にはそれらの人々の手形のレリーフが並べられています。また、写真は排水溝の蓋で、トランペットがあしらわれていますが、このあたりもマニアの心をくすぐるのでしょう。
戦後は、目と鼻の先にある横須賀基地に駐屯した米軍の街として栄えました。その名残は通りのあちこちに残っていて、ミリタリーショップや外国人受けしそうなバーが数多く並んでいるところからもその歴史がわかります。
店舗の種類が多彩なのも、どぶ板通りの特色。お酒を販売する店が多いのですが、ファッション、日用品、ライブハウスをはじめ、大きくはないものの多様なお店が建ち並んでいます。
外装が新しくても、創業が古いお店がたくさんあります。そのようなお店に行けば、思わぬレアアイテムや他では見られない商品に遭遇する可能性も大きいのです。
ファッションアイテムを扱っている店は多いのですが、それぞれに独特の雰囲気があります。ミリタリーショップに行けば、服だけでなく米軍オリジナルの小物まで手に入ります。また、金物屋や家具屋というお店をじっくり観察してみると、いかにもアメリカ人向けの商品が陳列されています。
横須賀ファッションを代表するいわゆる「スカジャン」。ヨコスカジャンパーの略称で、絵柄はひとつひとつが手作業によって刺繍されるもの、一品ものの刺繍を作ってもらうには最適なお店もいくつかあります。また、写真のような外国人受けしそうな日本的絵柄のTシャツも、ここでしか手に入らないものなのです。
どぶ板通りに来たのだから、ご当地の名物である横須賀海軍カレーを試してみようと、営業中の店に入ってみました。
横須賀海軍カレーは次のような特徴を持っています。
・ルーはとろとろ系のこってりしたもの、レシピは店によって異なる
・具は大ぶりに切った野菜、原則として牛肉入り
・カレーライスとサラダと牛乳の3店セットで出される
筆者の第一印象として、カレーライスに牛乳がついてくるところに大きな疑問を感じていたのですが、これは航海中に不足しがちなカルシウムを補給するためという、当時の日本海軍の知恵と聞かされると納得してしまいます。
入ったのは「TSUNAMI」というレストランです。入り口の上にある鉄人28号が目印です。本格的なメキシコ料理が売りなのですが、横須賀海軍カレーもあります。味は、甘すぎず辛すぎず良好、牛肉も柔らかく煮込まれています。日本人向けのカレー屋と比べて量が多いので、たくさん食べたい人にはお勧めです。
横須賀海軍カレー:¥1,000
実は、筆者が、横須賀カレーを食べているとき、周囲の照明が急に暗くなったように感じました。時計を見ると17時。ちょうど、ランチタイムとディナータイムが切り替わる時間だったのです。写真のお店もシャッターが閉まっているのですが、この時間には営業を始めていました。
ディナータイムが始まる時間になると、写真のお店のように昼間はシャッターが閉まっている店も、バーとして次々と開店。夜に向けてお酒を飲む店が目立ち始めて、商店街は歓楽街に一変します。…と当時に、アメリカ海軍の人と思われる外国人の歩く姿が増えたような印象も受けました。バーの中に入れば、そこはまるで洋画で見たかのようなアメリカンスタイル、新鮮です。
いかにも裏路地な感じのするどぶ板通りは、初めての人には歩きにくい印象を与えますが、健全な商店街なので心配はご無用。ファッションでもお食事でも、ここでしか味わえない裏通りの雰囲気を感じるにも最適なので、ぜひ訪れてみてください。
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(2024/4/19更新)
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