写真:Hiroko Oji
地図を見るかつてはヨーロッパの上流階級の人々が滞在する冬の保養地として賑わい、現在ではイタリアを代表する夏の保養地のイメージが強い、シチリア島東海岸に面するタオルミーナ(Taormina)の町。鉄道駅は海岸沿いにあるのですが、町の中心地は、駅の背後に迫る断崖絶壁の上にあります。駅前からバスに乗って急な坂道を上るにつれ、イオニア海を見下ろす素晴らしい風景が広がってきます。
終点のバス停そばにある、中世の城壁に19世紀に再建されたというメッシーナ門をくぐると、もうそこは、お洒落なカフェやブティック、お土産物屋さん、ブランド品のお店などが建ち並ぶ憬れの世界。石畳に沿って歩くだけで高級リゾートの雰囲気を満喫できてしまいます。
メインストリートのウンベルト1世大通りの中ほどにあるのが4月9日広場。ここには見晴らしの良いテラスが設けられています。端っこからは弧を描くような海岸線の広がる風景が見渡せ、足元には断崖に沿う急斜面の緑溢れる風景が続きます。ここでは何といってもパノラマの海岸風景が最高!しばし寛げるひとときです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る断崖絶壁上にあるタオルミーナの町ですが、さらにその背後にも絶壁が続きます。断崖上にはカステッロの城跡の姿、断崖にチョコンとのっかるように佇むカステルモーラ(Castelmola)の町も一望できます。
カステルモーラは、標高528メートルの山の上にあり、わずかな岩山の土地に、所狭しと家が建ち並んでいます。これまた断崖上のカステッロも崖っぷちにその姿があり、少し下には岩をそのまま利用した教会があって、岩壁に囲まれた礼拝堂内が見学できます。どちらへも、途中のギリシア劇場などを見下ろす眺めを楽しみながら、急な石段のハイキングルートで上って行けます。このコースは、途中に十字架を担いだキリスト像などの像が立っていて巡礼路のようになっています。
歩くのは大変と思われる方には、ほぼ1時間毎にバスの運行がありますので、お時間があればぜひ行ってみて下さい。慣れたドライバーさんならではの運転テクニックもさることながら、バスの車窓風景のイオニア海の眺めは素晴らしい!の一言に尽きます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る高級リゾート地といっても、メインストリートから脇道へ延びる坂道や石段沿いには、素朴な民家が建ち並ぶのがこの町の魅力でもあります。
断崖上にある町並みは当然斜面に沿って家が建ち並ぶので、坂になった路地や階段が続きます。その両側にピッタリ寄り添うように建ち並ぶ民家では、玄関わきに並んだイタリアらしいカラフルな坪や置物、頭上には洗濯物が翻ったりするのも生活感があふれていて温かみを感じます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る町の見どころの一つに、高台にあるギリシア劇場が挙げられます。シチリアで第二の規模を誇る古代劇場で、直径115メートル、紀元前3世紀に建造され、ローマ時代である2世紀に円形闘技場として再建されました。階段状になった観客席は自然のくぼみを利用したもので、そこからの海の眺めが素晴らしい!の一言に尽きます。正面の中央には円柱がいくつも残り、背後にはイオニア海とエトナ山の見事な雄姿が控えています。夏季限定ですが、現在でも現役で催し物が開かれるほど、保存状態が素晴らしいです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る日本人に、映画「グラン・ブルー」でよく知られているのが、イソラ・ベッラの美しい島がある海岸です。
グラン・ブルーは、1988年に公開された映画で、フリーダイビングの世界記録に挑む2人のダイバーの友情と軋轢を描いています。実在した二人のダイバーが主人公ですが、物語自体はフィクションです。イルカに魅せられた潜水夫の物語で、海に生きる男を愛してしまった女性も絡む海洋ロマンもテーマになっています。現在でも映画に出てきたタオルミーナのイメージは健在で、イソラ・ベッラの深い藍色の海は、シチリア東岸のタオルミーナから見えるイオニア海に特有の海の色。この海を一望するのが、タオルミーナの町の下にある岬の先にある4ツ星の大型リゾートホテルで、このホテルのテラスレストランとプールでも撮影が行われました。
タオルミーナは今では夏のリゾート地としてのイメージが強いのですが、実は19世紀後半から1960年代までは冬の避寒地として人気があった所。秋〜春にかけて、ヨーロッパの上流階級の人々が滞在する冬の保養地だったのです。なので、ちょっとでももの静かな中で過ごしたい人には、冬の訪問もお薦めです。
また、冬のバカンス時期のクリスマスと年末年始を除いて、宿泊料金が安くなり、ホテルによっては、半額以下になるところもあります。高級ホテルにお得・お手頃料金で泊まれるチャンスですが、冬季は休業するホテルもあるので注意が必要です。
イソラ・ベッラへは、タオルミーナから海岸沿いのマッツァーロという町に下りるゴンドラに乗ります。マッツァーロから海岸沿いに歩いて行くと、イソラ・ベッラの美しい小島が見えてきますので、お散歩がてらにいらしてくださいね。
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この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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