緑の丘に広がる伊・バロック都市のラグーザ!歴史的な装飾の家並みと世界遺産の教会群

緑の丘に広がる伊・バロック都市のラグーザ!歴史的な装飾の家並みと世界遺産の教会群

更新日:2016/01/05 14:46

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
イタリアのシチリア島南東部、険しい山地の南にある渓谷の間に、高低差のある二つの町並みが広がる町があります。その名はラグーザ。紀元前3000年からの歴史を持ち、17世紀の大地震で壊滅的ダメージを受けながらも、バロック様式で再建された町並みは見所いっぱい!

バロック様式の豪壮な邸宅が並ぶ高台の町並みと、中世の面影を残す家並みと世界遺産の教会群が建ち並ぶ下の町。どちらも互いに眺めあう風景も見所です。

緑の丘に広がる美しいバロック都市のラグーザ

緑の丘に広がる美しいバロック都市のラグーザ

写真:Hiroko Oji

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イタリアのシチリア島南東部に広がる険しいイブレイ山地。その南側の緑で覆われた渓谷の間に、美しいバロック都市のラグーザがあります。

シラクーサ方面から列車で向かうと、急に緑の中に現れる高低差のある町並みが現れます。青空に映えるのは、緑の平原に浮かぶ教会の鐘楼や塔の周りに広がる白っぽい建物群。到着する鉄道駅から中心地へ向かう途中、橋からはもう一つ下の渓谷に架かるカプチーニ橋を見下ろす風景も楽しめ、素晴らしい!の一言に尽きます。

高台にある上の町「ラグーザ・スーペリオーレ」からの素晴らしい眺め

高台にある上の町「ラグーザ・スーペリオーレ」からの素晴らしい眺め

写真:Hiroko Oji

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ラグーザは、紀元前3000年に歴史が始まるほどの古い町ですが、1693年の大地震により壊滅的なダメージを受けました。その後、バロック様式で見事なまでに美しい町へと再建され、周囲の8つの町と共に2002年に世界遺産として登録されています。

町は、高台にある上の町ラグーザ・スーペリオーレと、その下方に広がるラグーザ・インフェリオーレと呼ばれる下の町とに分かれています。上の町は、碁盤の目のような道路の両側に豪壮な館が建ち並ぶ、整然として美しい町並みが広がっています。その中で、一際目立つ建物が大聖堂。上の町の中心地で、尖塔型の鐘楼やファサードがとても素晴らしく印象に残るものです。スタッコ装飾で埋め尽くされる内部も見応えありです。

高台の端にあるサンタ・マリア・デッレ・スカレ教会横からは素晴らしい眺めが得られます。この写真がその眺めで、これから向かう下の町ラグーザ・インフェリオーレ全体が見渡せ、歩き周るのにはとても参考になるはず。迷路のような狭い坂道や階段を下って行くのですが、どこからもこの教会が目印になるのは、観光客にとってはありがたい味方です。

イブラ地区はバルコニー装飾の美しい下の町「ラグーザ・インフェリオーレ」

イブラ地区はバルコニー装飾の美しい下の町「ラグーザ・インフェリオーレ」

写真:Hiroko Oji

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坂道を下って下の町「ラグーザ・インフェリオーレ」に入ると、狭い石畳の路地の両側には中世の世界にタイムスリップしたかのような風景が続きます。この下の町はイブラ地区とも言われ、半分壁が剥がれ落ちた年季を感じさせる建物のバルコニーには見事な彫刻が施され、ただただ歩くだけでも興味津々の町並み。時には人の気配が感じられない空き家のような家も混ざっています。

とりたてて名もない建物にも素敵な彫刻の飾りがあって興味が惹かれるのですが、入口に近いコゼンティーニ邸とベルティーニ邸は注目されるべきバルコニーがあります。コゼンティーニ邸には天使のような人物像や動物や植物の彫像が施され、ベルティーニ邸では3つの怪人に見える像が飾られているのです。迷路のような路地の間でこれらの建物を探していくのも、探検気分で楽しめることでしょう。

数々のバロック様式の教会

数々のバロック様式の教会

写真:Hiroko Oji

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古い町並みの中で、急に開けた広場に出るとそこには、素晴らしいファサードの教会がデンと控えており、思わず足が止まってしばし注目してしまいます。プルガトリオ教会、サン・ジョルジョ教会、サン・フランチェスコ・アッリンマコーラタ教会、サン・ジョゼッペ教会・・・どの教会も、素晴らしい装飾の立派な建物です。

特に、階段上に堂々とした姿を見せてくれるのは、ゴシック建築の傑作ともいわれるサン・ジョルジョ教会。1775年に完成された聖堂で、ファサードは3層になった円柱の列柱が天に向かってすっくと建つ姿は見事なもの!真ん中に19世紀の鐘楼が乗っかっており、聖人像が周りを飾っています。内部には「サン・ジョルジョの殉教」という13枚のステンドグラスが、美しい光を放っています。

写真は、サン・ジョルジョ教会を少しだけ小ぶりにしたサン・ジョゼッペ教会で、サン・ジョルジョ教会と同じような価値の高い銀器が収められています。

素晴らしい渓谷美を望むイブレオ公園は市民の憩いの場

素晴らしい渓谷美を望むイブレオ公園は市民の憩いの場

写真:Hiroko Oji

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イブラ地区を端っこまで突っ切って行くと、東端にあるのがイブレオ公園。入り口手前には、14世紀のサン・ジョルジョ・ヴェッキオ教会の遺構があり、龍と闘う聖ゲオルギウスの像とアラゴン家の鷲の紋章の彫刻にお目にかかれます。奥に広がるのは綺麗に整備された市民の憩いの場で、テラスからは周りを取り巻く山々やイルミニオ川の流れる美しい風景が見渡せます。また、公園内にはバロック様式の鐘楼を持つサン・ジャコモ教会と、14世紀のマヨルカ焼きでできた鐘楼のあるサン・ドメニコ教会、さらに奥には小さいながら二つも鐘楼を持つカプチーニ・ヴェッキ教会もあって、教会尽くしの地です。

ここでは、手入れの行き届いた緑溢れる中でゆっくり過ごすのが一番!ぜひ、ここの空気を胸いっぱい吸い込んでリラックスしてくださいね。

ラグーザ観光には徒歩がお勧めですが・・・

駅からはAST社の市内バス1番か3番でイブラ地区まで行くことができますが、上の町と下の町に分かれるラグーザをしっかり楽しむには、自分の足で回るのが一番!と思います。でも、ちょっと歩くのは大変・・・という方には、心強い味方があります。それが、ミニバス1番の存在です。イブラ地区入り口やイブレオ公園の前にバス停があって、近くのタバッキで切符が購入できますので、どうぞご利用ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2007/03/27 訪問

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