新・世界遺産『富士山』へ登る前に、ミニチュア富士で足慣らし

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新・世界遺産『富士山』へ登る前に、ミニチュア富士で足慣らし

新・世界遺産『富士山』へ登る前に、ミニチュア富士で足慣らし

更新日:2013/07/01 12:30

SHIZUKOのプロフィール写真 SHIZUKO 舞台演出者

日本の世界遺産として17番目に登録された富士山。例年、山開きされる7月から8月は多くの人でにぎわう人気の山。世界遺産登録を受けて、日本のみならず、世界各国からも富士山を目指す人がますます増えることでしょう。

山は登頂することも大切ですが、無事に下山してこそ。しっかりとした準備があってこそ、最高の思い出を作ることができます。素敵な富士登山のために、事前の準備登山をお勧めします。

まずは、ご当地富士にチャレンジ

まずは、ご当地富士にチャレンジ

写真:SHIZUKO

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全国各地に『○○富士』と呼ばれる美しい山がたくさんあります。

有名どころでは北海道の『蝦夷富士』と呼ばれる羊蹄山(ようていざん)1898メートル、東北を代表する『出羽富士』の鳥海山(ちょうかいさん)2236メートル。九州には『薩摩富士』の開聞岳(かいもんだけ)924メートルと、その名を挙げればきりがありません。

どの山も、複数回繰り返された噴火によって形成された、なだらかな広い裾野を持つ成層火山。本家同様、その秀麗な山容は見る人を魅了し、多くの人を山頂へと誘います。

近畿圏にも多くのご当地富士があります。その中の一つ、滋賀県の『近江富士』と呼ばれる三上山(みかみやま)は、お手軽なハイキングコースとしてお勧め(写真左の山)。標高432メートルですから、全然運動していないという方には、入門登山にもってこいの山。

登山口となる御上神社(みかみじんじゃ)の御神体山である三上山は、古くから歌に詠まれた美しい姿。俵藤太(藤原秀郷)のムカデ退治伝説*でも名の知られた山です。

登山道は3本整備されていますが、一番メジャーな表道を登ってみましょう。登り・下りともに40分ほどの道のり。写真を撮ったり、風景を楽しんだり、倍くらいの時間をかけてゆっくり登ることをお勧めします。途中には岩場やクサリ場(急斜面のために鎖をつかんで登っていく場所)がありますが、短距離ですから、ちょっとした登山気分を味わえます。

山頂には、御神神社の奥宮があり、天気が良ければ眼下に野洲市を一望できます。久しぶりに山登りをする人にとっては、少々きつく感じられるかもしれませんが、富士山のことを考えれば、はじめの一歩としてぜひ、行ってみてください。

*【ムカデ退治伝説】琵琶湖から唯一流れる出る勢田川の橋に大蛇が横たわっていました。それと知らない俵藤太は、その大蛇を踏みつけて橋を渡りました。その勇気を見込んだ竜神さまが、藤太にオオムカデの退治を依頼。矢につばをつけて、藤太は見事にムカデを退治しました。それ以来、琵琶湖の水は枯れることがない、という伝説。

ミニチュア富士と呼ばれる『伊吹山』で富士登山シュミレーション

ミニチュア富士と呼ばれる『伊吹山』で富士登山シュミレーション

写真:SHIZUKO

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日本の霊峰・富士山。世界遺産登録を機に記念登山という人も多いことでしょう。でも、多くの観光客が訪れているからといって、富士山を侮ってはいけません。

ご存じの通り富士山の標高は3776メートル。日本の最高地点。普段の生活では、絶対に体験できない高度です。平地に比べ、空気の酸素濃度が低く、高山病という見えない敵と戦うことになります。

高山病は、山行に慣れている人でも体調によっては罹ってしまう症状。吐き気や頭痛など、登り続けることが難しくなり、重症化すれば命にかかわりますから注意が必要です。そのためには、ゆっくり登り、徐々に体を高度に慣らしていく必要があります。

とはいうものの、富士山5合目から山頂までの約1300メートルの高度差は、そうそうお手軽に体験できないもの。

そこでお勧めなのが、滋賀県と岐阜県の県境にそびえる『伊吹山(いぶきやま)』登山です。

伊吹山の登山口の標高は220メートル。山頂が1377メートルなので、その標高差は1157メートル。富士登山のミニ版としてかなり雰囲気が似ています。また、3合目(753メートル)以降、ほとんど日差しを遮るものがない状況も富士登山らしく、足元の状態や斜度もシュミレーション登山としてかなりの優れものです。

振り向けば、琵琶湖を一望、3合目あたりからはお花畑

振り向けば、琵琶湖を一望、3合目あたりからはお花畑

写真:SHIZUKO

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伊吹山は花の山としても人気の山。コイブキアザミ・イブキヒメヤマアザミ・イブキトラノオ・イブキコゴメグサ・イブキレイジンソウ・イブキフウロなどの伊吹山固有の植物も多く存在しています。

初夏にはまさに百花繚乱。9合目まで車で登れることもあり、多くの人々に愛されている山です。

登山口から1合目までが意外に長く、だらだらと登ります。眺望が開ける1合目の標高は420メートル。かつてこの地方に雪が多かったころには、関西の有数スキー場として繁栄していた名残のある場所。スキー場は今は廃止されていますが、1合目から見上げると、広々とした元ゲレンデが、広大な草原として目の前に広がっています。

3合目は720メートル。途中、振り向けば、眼下に雄大な近江平野。人々の食を支える麦畑や田んぼがのどかに広がる美しい風景にしばし足も止まります。

3合目から見上げると、草原の斜面にポツンと白い建物が見えます。
そこが6合目にある避難小屋。その先、低木の道に入っていくと7合目。かなりの急斜面をつづら折りに登っていくのも、富士登山と似ています。

途中の5合目は880メートル。ここらで、一休み。お弁当タイムにピッタリ。自動販売機がありますから飲み物を手に入れることができます。もちろん山値段であることはご承知ください。

七変化する山の天気、風、光を楽しむ

七変化する山の天気、風、光を楽しむ

写真:SHIZUKO

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1000メートルを超える標高の伊吹山。7合目は1080メートルですから、平地と比べ、かなり気温も低くなり、ガスがかかりやすい状況になります。さっきまで見えていた、地上の風景は、ともすれば真っ白なガスに阻まれ、高度感すら感じられなくなってしまうことも。

足元は岩場となり、高低差がきつい足場の悪い道が続きます。このあたりもミニ富士山らしい状況。8合目を超えるまで、厳しい道が続きます。

もういやだー! と思う頃に、9合目の1300メートル付近に到着。登り始めて3時間半。ようやく山頂に到着です。

私が登った日は、山頂は霧の中。眺望はなく、幻想的な風景。数メートル先も見えない濃い霧の中。かと思えば、さーっと霧が晴れて、一気に青空になり、一瞬のうちに眺望が広がったり。きらきらと木々の葉が太陽に光る光景はまぶしいくらい。でも、霧の濃い日は、道を見失いやすいので注意が必要です。

山頂には、日本武尊(やまとたける)の像があります。そして、売店がありますから、暑い日にはソフトクリームが最高においしいご褒美になります。風が強い寒い日だと、暖かいおそばが最高でしょう。

伊吹山は、日帰りで登れる山とはいえ、山の天気は変わりやすいので、上下が分かれたレインウエアーは必携。雨具としてだけでなく、防寒具にもなってくれます。ポンチョタイプや簡易雨合羽などは、風が強いと雨が入り込んで全身びしょ濡れになることがあり、低体温症を招く危険があります。また、風でバタバタとはだけて木々に引っかかったりという危険もありますから、装備は手を抜かないことが大切です。

これらすべては、富士登山の必需品ですから、装備をそろえてリュックの重さになれることも大事な準備となります。

多くの人が憧れる世界遺産・富士山。登る前の準備次第で、かなり快適に、安全に登頂できるはず。さあ、登山シーズン開幕。ぜひ、日本の最高峰を、ご自分の足でしっかりと踏破してくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/06/10 訪問

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