写真:森 のこ
地図を見る熊野三山とは、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3つの神社の総称。その三山への参詣の道が総称して熊野古道と呼ばれています。
主なルートは、高野山を出発地とする小辺路(こへち)、田辺から始まって険しい山中を抜ける中辺路(なかへち)と、海沿いを紀伊半島沿いに歩く大辺路(おおせち)、伊勢神宮から始まる伊勢路、大阪を起点とする紀伊路の5つ。古くから多くの人が利用した、歴史のある道程です。
今回紹介するルートは中辺路の一部を通るもので、大門坂を出発地点とし、熊野那智大社まで歩く約2.5kmのコース。鬱蒼とした杉林と苔むした石畳の美しい階段を歩くルートです。比較的足下も良く、約1時間ほどあれば歩き切れるため、はじめて熊野古道を訪れる方にも挑戦しやすいコースになっています。
写真:森 のこ
地図を見る出発地点である大門坂へは、勝浦駅からバスで20分ほど。大門坂駐車場前バス停で下車するのが便利です。駐車場からは歩いて3分ほどで、大門坂の入り口へと到着します。
歩き始めてしばらくすると、大門坂茶屋というお茶屋さんが見えてきますが、こちらではなんと平安衣装の貸し出し(有料)を行っています。平安時代の衣装を身につけ、大門坂をバックに写真を撮影するという貴重な体験が可能ですので、興味のある方は事前に予約のうえ、お出かけ下さいね。
茶屋を過ぎるとまもなく、杉の木立が始まります。木立への入り口に、参詣者を出迎えてくれるかのようにそびえているのが、写真の樹齢800年の夫婦杉。ここからがまさに熊野古道らしい道で、パワースポットならではのおごそかな雰囲気を存分に感じられる道のりです。
写真:森 のこ
地図を見る杉木立の道を抜けると、土産物屋が軒を連ねる参道の石段が見えてきます。200段近くにもなる長い石段を登り、ようやく見えてくる「那智山熊野権現」と書かれた朱の鳥居。こちらが熊野三山の一つ、熊野那智大社の境内への入り口です。
熊野那智大社の御主神は夫須美神(ふすみのかみ)。農林・水産・漁業の守護神や諸願成就の神様として崇められてきた神様です。かつては「結びの宮」という通称で呼ばれており、古くから縁結びにもご利益があると言われてきました。
那智大社の境内自体はさほど広くはないですが、見事な朱色の社殿がうつくしく、霊場ならではの清々しい空気が気持ちのよいパワースポットです。
写真:森 のこ
地図を見る神仏習合の霊場である熊野那智大社の隣には、青岸渡寺(せいがんとじ)というお寺が隣接しています。写真は、青岸渡寺と奥に流れる那智の滝を一枚に収めたもの。那智の滝は、133mもの高さがあり、日本一の落差と言われる滝で、日本三大名滝に数えられる名所です。
那智の滝は青岸渡寺の北側に位置する熊野那智大社別宮・飛瀧(ひろう)神社の御神体で、滝自体が神様としてあがめられているパワースポット。神社の境内の奥にある那智御滝拝所まで行けば、滝の目の前で直接拝むことができ、滝のマイナスイオンとあいまって、パワーをより強く感じられます。拝所へ入るには拝観料が別途300円かかりますが、ぜひ近くまで行って、しぶきがかかるほどの迫力を体感して来てください。
今回紹介した大門坂〜熊野那智大社のコースは、熊野古道のほんの入り口ではあるものの、熊野古道らしい雰囲気が十分に体感できます。整備されているとは言え、石畳の道や長い石段を通りますので、動きやすい服装と歩きやすい靴でお出かけください。
帰りはまた行きの道を歩いて戻ることもできますが、那智大社近くまで路線バスが走っているので、バスを利用して勝浦駅まで戻るのが楽ちん。バス停は、那智大社の駐車場近くに設置された那智山バス停、あるいは那智の滝前バス停の利用が便利です。
古くから愛されてきた、いにしえのパワースポット・熊野古道をぜひ一度は訪れてみませんか?
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(2024/9/14更新)
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