スィーツの神にパワースポット…太宰府天満宮で巡るお薦め5選!本殿だけなんてもったいない‼

スィーツの神にパワースポット…太宰府天満宮で巡るお薦め5選!本殿だけなんてもったいない‼

更新日:2016/09/03 19:21

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ レトロ建築探訪家、地域の魅力伝え人
太宰府天満宮は全国に約12000ある天満宮の総本宮。学問の神様である菅原道真公を祀っていることをご存知の方は多いと思いますが、じつは、こちらにいらっしゃる神様は天神様である菅原道真公だけではないのです。
その中には、あの縁結び祈願で人気の神様やパワースポットも!
太宰府天満宮の境内で、ぜひ訪れていただきたいお薦め5選。この地に詳しいナビゲーターがご紹介します。

不老長寿の実を持ち帰った、スィーツの神様

不老長寿の実を持ち帰った、スィーツの神様

写真:万葉 りえ

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「えっ、スィーツの神様?」「そんなのあるの?」というのが正直な感想なのではないでしょうか。しかし、古事記、日本書紀にも記された立派なお菓子の神様がいらっしゃるのです。
それが、中嶋神社。回廊の東側に「菓祖 中嶋神社」と記された大きな石碑が立っています。

お菓子の神様の名前は「田道間守命(たじまのかみのみこと)」。
古事記や日本書紀が伝えるところによると、田道間守命は垂仁天皇より「非時香菓」を探すように命令されたといいます。これを食べると、歳をとらずに長生きできるといわれていたのです。しかし日本にはその実がなく海を渡って探し回り、ようやく持ち帰ることができた時には十年もの歳月が流れていました。
田道間守命は、帰りを待っていた天皇が一年程前に亡くなったことを知ると大いに嘆き悲しんだといわれています。

不老長寿の食べ物として持ち帰ったのは「橘(たちばな・ミカンの原種)」でした。昔、果物は「果子(かし)」といわれており、橘は果子の最上級品とされていたのです。そんな橘を持ち帰った田道間守命は、お菓子の神様として敬われるようになりました。

太宰府にある中嶋神社も、境内へと上がっていけば菓子業界から信仰を集めているのがよくわかります。しかし、ここは菓子業界だけでなく「お菓子作りが上手になりたい」とか「パティシエになりたい」等‥お菓子に込めた願いも見守ってくださるはず!
社殿の傍らには、垂仁天皇が長寿を願って待っていた柑橘の木が実をつけています。健康長寿もおわすれなく。

有名神様、勢ぞろい!

有名神様、勢ぞろい!

写真:万葉 りえ

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本殿の回廊から右手、東側の小高い地にある大きな木々の間に入っていくと小さめのお社がいくつも並んでいます。じつはここを中心として、太宰府天満宮の境内には有名な神社の摂社や末社があるのです。ここに足を踏み入れる参拝者はごくわずか。「知る人ぞ知る…」ご神域なのです。

天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめとして、金毘羅社、高良社、櫛田社…。
その数、摂社、末社をあわせて、なんと37社!摂社は菅原道真公と血縁がある神様や人物を、末社はそのほかの歴史的な人物などを祀ってあります。神道では、様々な神様のお導きによって人々が安心して暮らせると考えられているので、神様同士がけんかされることはないそうですよ。

ここなら、それぞれの願いごとに力のある神様が必ずいらっしゃるはず!神々の静かなお住まいを守って、厳かな雰囲気に浸りながら巡ってみてください。

寄り添う木、夫婦樟に願いを込めて

寄り添う木、夫婦樟に願いを込めて

写真:万葉 りえ

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菅原道真公が生涯を終えられたのが延喜3年(903年)。延喜5年には門弟の味酒安行(うまさけのやすゆき)が道真公の御遺骸を葬った場所に神殿と墓所を建てたと伝えられています。
延喜19年には都からの勅(みことのり・天皇の命令のようなもの)も奉じられ、社殿が建立され太宰府天満宮の形が整えられていきました。

その頃より、天満宮の境内の中は天神の森として神域となり、木々が勝手に伐採をされることなく守られてきたのです。そのため境内にはクスの巨木が何本もそびえています。写真のように心字池の周りでも苔むした巨木を何本も見ることができます。
また、回廊を見渡せば、木の育ちを妨げないように建物が建てられているのがわかります。

本殿の裏手でひときわ大きく枝を伸ばしているのが「夫婦樟(めおとぐす)」。国の天然記念物になっている木でもあります。最近は海外からの方々も、ここでガイドの説明を聞かれているのをよく目にします。
「よき伴侶を」と願われる方、また、「末永く仲良く」と願われる方にははずせないスポットでは。

パワースポット巡りなら、ここ!

パワースポット巡りなら、ここ!

写真:万葉 りえ

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梅園の奥、赤や白ののぼりや鳥居の向こうの小高い山の上にあるのが、近年パワースポットとして知名度が上がってきた天開稲荷社です。

海外の方々にも人気が高い京都の伏見稲荷大社から鎌倉時代に御分霊(わけみたま)していただいているのですが、九州最古のお稲荷さんといわれていて、歴史はかなり古そうです。
神社の名前から「天に運が開ける」といわれており、五穀豊穣に商いの発展などいろいろな願い事を引き受けてくださると、こちらまで足を延ばす方が増えています。

天開稲荷社の本殿の裏側には、「奥の院」と言われている古墳の石室があります。
木々に囲まれていて、たいへん落ち着いた雰囲気もお勧めです。

縁結びのあの神社だって

縁結びのあの神社だって

写真:万葉 りえ

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太宰府で縁結びの神様として人気があるのが竈門神社です。しかし、太宰府駅から少し離れているので、気になりながらも訪れるのが難しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方々のためにご紹介しておきましょう。
回廊の東側の山側に、小さなお社がいくつもあるのをお伝えしましたね。そのいくつも建っているお社の中に、竈門神社もあるのです。
そして、もっとうれしいことに、太宰府天満宮の本殿を囲む回廊の中にも、竈門神社のお札やお守りの授与所があるのです。本殿の前はいつも多くの人でにぎやかなのですが、授与所は回廊に沿って探してもらえればすぐに見つかります。ちゃんと恋みくじも!

竈門神社まで行かれるのが一番だと思いますが、時間の都合などで難しいこともあるでしょう。そんな場合には太宰府天満宮の境内にいらっしゃる縁結びの神・玉依姫命(たまよりひめのみこと)にしっかり手を合わせてくださいね。

おわりに

道真公のほかにも多くの神々がいらっしゃること、そして、太宰府天満宮の奥深さについても知っていただけましたでしょうか。

太宰府は、人々の天神様への信仰を集めてきた天満宮の総本宮というだけでなく、それ以前から日本の歴史において重要な場所で、「大君の遠の朝廷」とまで言われたほどの土地です。
太宰府ならではの食べ物とともに、古(いにしえ)のロマンなども楽しんできてくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。

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