写真:Hiroko Oji
地図を見るイタリア・シチリア島の東海岸にあるシラクーサ(Siracusa)の町は、美しき古代都市の遺跡群が広い範囲で眠る魅力ある観光地。15〜16世紀にかけて壊滅的な地震があった後、第二次世界大戦で空爆を受け、激しく破壊されてしまいました。古代ロマンに浸れる遺跡群が眠る考古学公園を有するのは本土側で、本土と橋で繋がるだけのオルティジャ島には迷路のような旧市街が広がります。この島は戦後荒廃したままだったのですが、1990年代後半から再開発が行なわれ、2005年に世界遺産に登録されると、古代遺跡の町から一変して、リゾート地として生まれ変わりました。
豪華なクルーザーやヨットが並ぶオルティジャ島北西の海岸沿いは、トンネルのような並木道の続く遊歩道があり、今では町は華やかな南イタリア独特のリゾート地の雰囲気。夏だけでなく、復活祭の時期や、古典劇の上演月である5〜6月、さらにオフシーズンの例外としてクリスマスから年末年始にかけては、たくさんの観光客で賑わいます。毎年12月13日〜20日は、シラクーサの守護聖女・聖ルチア祭があり、町全体がイルミネーションで美しく輝きます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るバロック様式の重厚なファサードがある大聖堂は、かつてはこの場所に紀元前5世紀建造のドーリア式アテネ神殿が建っていた所です。入り口の左右を飾る捩じり模様の円柱が独特です。中に一歩踏み入れるとシンプルながら、木製の天井の模様にバロック式の主祭壇、壁際の美しい祭壇など見応えのある内部です。ドーム状の天井画や壁のフレスコ画もさることながら、壁に組み込まれているアテネ神殿の円柱が見られるのもお見逃しなく!
写真:Hiroko Oji
地図を見るオルティジア島に入ってすぐに目の前に現れるのが、東ローマ時代にキリスト教教会に、アラブ人支配時代にはモスクとなったアポロ神殿。紀元前7世紀のシチリア最古のドーリア式神殿の遺構です。ノルマン時代には再びキリスト教教会になり、スペイン支配下では兵舎に転用されるといった、様々な支配に翻弄された過去を持っています。現在パルカリ広場に面して緑の公園の一部となっている神殿跡は、戦後の都市整備で一帯を埋めていた中世の建物が撤去されて再発見されたものです。近くには、魚介類に果物や野菜、雑貨などが並べられる市場もあって、活気ある一角です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るシラクーサの町は、パピルスの保護地としても知られています。カヤツリグサ科の植物そのものをパピルス草、その植物の地上茎の髄から作られるものをパピルス紙と言い、一般的にパピルスと言えば古代エジプトで使用された文字の筆記媒体のことでパピルス紙の方になります。そのパピルス草が生い茂る泉が、ピッツェリアやパピルス製品を取り扱うショップのある通り沿いにあるのです。
川の神アルフェウスから逃れるために、妖精アレトゥーザが泉になったという伝説の泉がこの「アレトゥーザの泉」です。この一角だけ神秘的なひっそりとした空気が漂っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るアポロ神殿とドゥオーモの中間辺りにあるアルキメデス広場の中央には、紀元前3世紀シラクーサ生まれの天才科学者アルキメデスに捧げられた噴水があります。噴水の彫刻は、19世紀末のジュリオ・モスケッティ作。ギリシャ神話「アレトゥーザの伝説」をテーマにしているもので、噴水のてっぺんに立つのは狩りの女神アルテミス、アルテミスの足元にいるのが川の神アルフェウス、その下にいるのが妖精のアレトゥーザです。アレトゥーザの泉と合わせて訪ね、神話の世界に浸るのもいいですね。
ドゥオーモ広場やアルキメデス広場、パルカリ広場など広場の周辺には多くのレストランの他、お洒落なバールもたくさんあります。夜になるとライトアップされる大聖堂や通りの姿を眺めながら、食後のバールをはしごするのも楽しみの一つ!昼間とはちょっと違った雰囲気も楽しんでくださいね。
古代遺跡を目当てに観光客が押し寄せるシラクーサの町ですが、古代遺跡群があるのは、シチリア島本土側。今回ご紹介したオルティジア島は橋を渡った所にありますので、古代遺跡を見学した後、オルティジア島に移動し、リゾート気分を楽しめます。鉄道、バス、船などの交通機関にも便利な立地ですので、一つの町で古代ロマンとリゾートといった、趣の異なった楽しみ方を満喫して下さいね。
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(2023/12/6更新)
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