実は『雪の怪物』アイスモンスターとは、蔵王連峰で冬の間にのみ見られる『樹氷』のことです。蔵王連峰の冬は厳しくマイナス10℃からマイナス15℃の世界。また風も強く吹雪が荒れ狂う日も珍しくはありません。そのような厳しい自然環境の中、アイスモンスターは成長するのです。
初めて樹氷を見た人はその姿から本当に怪物と思うことも。確かに西洋のシーツをに包まれた幽霊によく似た風貌はまさしくモンスターと言えますね。
しかし、昼間見る樹氷はモンスターと言うよりは芸術作品。ぜひアイスモンスターに会いたいと言う人にはライトアップされた夜がオススメです。
山形温泉にある蔵王ロープウェイでは、毎年12月後半から2月下旬の中の約50日間を、樹氷のライトアップ期間として夜間運行しています。
アイスモンスターのいる頂上に向かうには、ロープウェイを2つ乗り継ぐ必要があります。まず乗るのは一般的なロープウェイである山麓線です。そして標高1331mの樹氷高原駅で山頂線に乗り換えて、地蔵山頂駅を目指すのです。
この山頂線で使用されているロープウェイは、複式単線自動循環式ゴンドラ『フニテル』です。フニテルとは気象の厳しい山岳地帯でも、安定した運行ができるように1本ではなく、左右のロープ2本で支える仕組みのロープウェイです。写真の通りロープウェイに角が2本生えたように見えますね。
山頂に近づくとロープウェイの支柱に取りつけられたライトから幻想的な風景を見ることができます。激しい吹雪によって針葉樹に覆われた雪が、まるで人が集まっているように見えます。その光景はまさしく闇の中の不思議な世界のようです。
フニテルに乗って約10分。いよいよ1661mの地蔵山頂駅に到着です。
ここを下りると回りはもう別世界。まず寒さが違います。駐車場のある山麓駅では、風もなく薄いダウンジャケットもあれば十分に温かかったとしても、ここではそれが通用しません。マイナス15℃の世界は甘くはないのです。しかし、それに耐えなくてはアイスモンスターには会うことができません。そしてやっとご対面です。
間近に見るアイスモンスターは、まずその大きさに圧倒されるはず。そしてその中に見える静寂も特徴だと思います。その幻想的な風景に思わず寒さも忘れて見入ってしまうでしょう。
アイスモンスターに会える地蔵山頂駅は標高が1661mあります。それを2本のロープウェイで一気に登るのですから、到着した場所は別世界と考えてよいでしょう。山麓駅が無風で雪が降っていなくても、山頂では吹雪と言うことも珍しくはありません。またマイナス10℃でも、吹雪いていると体感でマイナス20℃にも感じるでしょう。山麓駅で暖かくても油断しないで、十分な服装を心掛けるようにしましょう。
山形は海もあり、美しい山々も魅力の県です。自然豊かな山形には自然が作り出す不思議な怪物がいます。冬、ぜひ会いに行ってみませんか?
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