東京駅100周年ビフォーアフター!赤レンガ駅舎見どころガイド

東京駅100周年ビフォーアフター!赤レンガ駅舎見どころガイド

更新日:2018/10/23 14:54

咲田 みつるのプロフィール写真 咲田 みつる 千葉県1周ランナー、鈍足のトレイルランナー
東京駅丸の内側は、赤レンガの壮麗な駅舎です。2014年の100周年を前に、復原により戦前の創建当時に近い姿を取り戻しました。今も昔も駅そのものが観光スポットです!とは言え、乗り継ぎで地下を利用する方、旅行で稀に訪れる方は、ビフォーアフターを見比べられないため「何がどう変わったの?」という疑問をお持ちのはず。そこで、知ればきっと足を運んでみたくなる観賞ポイントをご紹介。キーワードは「3階部分」です!

いちおしはKITTE屋上庭園からの眺め・ドーム屋根が間近!

いちおしはKITTE屋上庭園からの眺め・ドーム屋根が間近!

写真:咲田 みつる

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東京駅では100周年を前に行われた大規模な工事で、戦災で焼失した3階部分の復原や、地下の免震対策などが行われました。写真は復原後のもので、隣接する商業施設「KITTE」(キッテ)の屋上庭園から撮影したものです。日本を代表する建築家・辰野金吾氏によって設計され、南北335mにわたって羽を広げるようにして建つ重要文化財です。ここからは2つあるドームのうち南ドームがよく見えます。

では、復原前はどうだったのかというと、戦災直後の復興工事で2階建てとなり、ドーム部にはジュラルミン製の8角形の仮の屋根が設置されていました。今回の復原でのビジュアル面の大きな変化は…

■8角形の屋根(正面から見ると台形に見えた)が丸形ドームに戻った
■2階建てが3階建てに戻った(3階は大部分が東京ステーションホテル)
…となります!戦後、60年以上もの時間を仮の姿で過ごしてきた東京駅は、ついにその姿を取り戻したというわけです。次項からは、さらに耳寄りな復原ポイントをご紹介します。

これは継ぎ目!?外壁からもみてとれる駅舎の歴史

これは継ぎ目!?外壁からもみてとれる駅舎の歴史

写真:咲田 みつる

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赤レンガによ〜く目を凝らしてみると、2階と3階の間に明らかな違いがあります!写真中央部・窓と窓の間に境界線が見てとれますね。上部が、新しく積まれた3階部分のレンガです。

このように赤レンガの継ぎ目は目を凝らせば頭上で観察できますが、「もっと近くで見たい」という方には絶好の場所があります!それは「東京ステーションギャラリー」。東京ステーションギャラリーとは、駅の中の美術館(有料)です。丸の内駅舎に2つ存在する南北のドームのうち、北ドームに位置し、展示室は3階まであります。

ギャラリー内部のらせん階段からは、2〜3階のレンガの継ぎ目に加え、なんと戦災で焼けたレンガの壁がそのまま展示されています。美術品のほかに、「東京駅そのものを見てもらう」というコンセプトのもと運営されていますので、是非足を運んでいただきたいポイントです。

戦前と現代のコラボ!東京ステーションギャラリーからの眺めは抜群

戦前と現代のコラボ!東京ステーションギャラリーからの眺めは抜群

写真:咲田 みつる

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東京駅の復原に際して最も注目されたのは、赤レンガ駅舎の象徴ともいえる南北のドーム部分です。外観も素晴らしいですが、特にドームの内観に関しては、前項でご紹介した東京ステーションギャラリーからの眺めが秀麗です!

ギャラリーは入り組んだ構造となっており、回廊式でいったん2階のドーム吹き抜け部分に出るのですが、その際写真のような光景に遭遇します。なんと、1〜3階の様子が断面図のように俯瞰(ふかん)できるのです。

1階には自動改札という現代的な要素を含みつつ、明治時代に設計された3階ドームの復原部分と見事に調和しており、一枚のグラフィック作品の中に没入したかのようなたたずまいです。

まさに美の粋!南北ドームの天井内部を見逃さないで

まさに美の粋!南北ドームの天井内部を見逃さないで

写真:咲田 みつる

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ギャラリーに入らずとも、1階の改札前からも見られる光景として有名なのが、南北のドーム天井内部に施された装飾です。これまでは、ジュラルミン製の屋根に蓋をされるような形で戦災の傷みが覆われていましたが、復原を経て、創建当時の華やかな姿が蘇りました!改札付近ですから、ラッシュ時は周りに気を付けて見上げてみましょう。

丸いドームの内側は、8角形に縁どられ、ワシや干支・クレマチス・剣と鏡・秀吉の兜・鳳凰など、多くのモチーフで賑わっています。これらはレリーフ(浮き彫り細工)となっており、近くで見るとより秀麗です。(南北ドームで、ほぼ同じ光景が見られます。)

各々の意匠も美しい!レリーフを間近で見たいなら2階以上から

各々の意匠も美しい!レリーフを間近で見たいなら2階以上から

写真:咲田 みつる

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レリーフは繊細な装飾の為、出来れば近くで見てみたいものです。3階は東京ステーションホテルとなっており、ドームサイドの客室や宿泊者専用のバルコニーからであれば、最も間近で見ることができます。(写真は2階ギャラリーからのもの)

さらにドームの話題として特筆すべきは、干支のレリーフについて。8角形の各々の角に配置された干支の動物達は全部で8つ。そもそも干支とは「12干支」のはずですが、残りの4つはどこに行ってしまったのでしょうか?

実は、同時期に辰野氏によって設計された佐賀県の武雄温泉楼門に配置されていることが、2013年になって発見されました。しかしなぜそこに配置するに至ったかは、いまだ謎とされており、人々の好奇心をくすぐるミステリーとなっています。(詳しくは、LINEトラベルjp 旅行ガイド記事「東京駅100年のミステリー!佐賀・武雄温泉の『4干支』を目撃しよう」をご覧ください。)

乗り継ぎのみではもったいない!東京駅は構外の美も楽しんで

駅と言えども充分に旅の目的地となりうる都内随一のアートスポット・東京駅。赤レンガとドームのレトロな建築様式が印象的な丸の内側の駅舎ですが、時間が許せば線路を挟んで反対側の八重洲口にも、足を延ばしてみましょう。

丸の内駅舎復原お披露目の翌年、八重洲口には「グランルーフ」という巨大な「光の帆」をイメージした超近代的なデザインの大屋根と、緑なす歩行者空間が誕生しており、丸の内側との対比が非常に面白いスポットとなっています。一度で二つの美観に出会える東京駅。是非時間をたっぷりとってお楽しみください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/23−2016/01/02 訪問

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