小泉八雲の「月照寺の大亀」怪談にも勝るミステリーとは?

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小泉八雲の「月照寺の大亀」怪談にも勝るミステリーとは?

小泉八雲の「月照寺の大亀」怪談にも勝るミステリーとは?

更新日:2017/06/26 19:54

Mizuki Yoshiのプロフィール写真 Mizuki Yoshi 歴史街道トレッカー、伝統の「ワザ」案内人、日本クルーズ&フェリー学会員

400年以上の歴史に彩られた城下町松江。初代から九代までの藩主の廟があるのが、松江藩菩提寺の月照寺です。藩主達の生前に愛した縁のものがそれぞれの廟に趣向を凝らして残されています。大名茶人の七代藩主廟門のぶどうの彫刻や茶筅供養塔、お酒を好んだ八代公廟門のヒョウタンの彫刻、六代公の人食い「月照寺の大亀」は小泉八雲が紹介し特に有名です。

名刹月照寺の見どころと、伝説の「大亀」のナゾをご紹介いたします。

格式ある名刹の風情

格式ある名刹の風情

写真:Mizuki Yoshi

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境内に入ると、左手に松江藩七代藩主の大名茶人、不昧(ふまい)公愛用の名水。月照寺の名前の由来は、松江藩初代藩主の松平直政が生母月照院の霊牌を安置するため、もとの禅寺洞雲寺(とううんじ)を浄土宗月照寺(げっしょうじ)として改称したもの。二代藩主が境内に廟を設けて以来、九代にわたる藩主の菩提寺となりました。

格式ある名刹の風情

写真:Mizuki Yoshi

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正面に唐門をみて右手に通用門と現在の書院(写真)。白壁が50mほど、背筋が伸びる景色です。唐門左手に見事なもみじがあります。

庭の眺め、玄関からの眺めに一服の楽しみ

庭の眺め、玄関からの眺めに一服の楽しみ

写真:Mizuki Yoshi

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通用門をくぐると書院の玄関。振り返ると写真奥の唐門前のもみじの眺めが印象的です。

庭の眺め、玄関からの眺めに一服の楽しみ

写真:Mizuki Yoshi

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玄関に立つと開け放たれた障子が切り取る庭がが日本画のように見えます。

庭の眺め、玄関からの眺めに一服の楽しみ

写真:Mizuki Yoshi

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書院に上がってみましょう。障子が切り取った庭が広がり、左手にある2つの茶室の前へと庭は続いていきます。緑と紅葉が見事な佇まいを堪能してみてはいかがでしょう。

手前側に戻ると、本堂があり、阿弥陀如来像があります。書院では境内の名水でお抹茶をいただくこともできます。

霊廟の静けさを愉しむ

霊廟の静けさを愉しむ

写真:Mizuki Yoshi

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六代藩主宗衍(むねのぶ)公の大亀が水を飲みに来たというハス池の先に、初代直政公と七代不昧公の廟が。初代から九代のいずれも廟も石灯籠(写真)が取り囲み、更に境内は深い森と巨木に囲まれ、霊廟独特の幽玄な雰囲気を醸し出しています。

霊廟の静けさを愉しむ

写真:Mizuki Yoshi

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七代の廟前には茶筅の供養塔。茶釜のようなものに板がたててあるだけの質素なものです。順路沿い至る所、境内に約3万本のあじさいがあり、6月頃には「山陰のあじさい寺」として観光客をひきつけています。

訪れる人が少ない平日の境内は、鳥の鳴き声だけが聞こえる静けさに包まれています。

巨大な大亀はどこから来たのか?

巨大な大亀はどこから来たのか?

写真:Mizuki Yoshi

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不昧公の廟から順路沿いに奥に入ると、大亀が六代藩主宗衍(むねのぶ)公の廟内奥で、必死の形相で頭を持ち上げる姿が見えてきます。

巨大な大亀はどこから来たのか?

写真:Mizuki Yoshi

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人が見下ろせる程度の小さな亀ではありません。夜な夜な市中を徘徊し、人を食ったといわれる亀。大きさを想像してみてください。亡くなった宗衍公の功績を石碑に彫り、大亀に背負わせ、この地に封じ込めたそうです。

巨大な大亀はどこから来たのか?

写真:Mizuki Yoshi

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目の当たりにすると、その大きさは全長4.75m!石の直方体石碑(高さ3.45mで幅、奥行き1.1m)が背中に載っています。推定総重量は20トンほど。周囲の石灯籠の高さが1.5m程度、亀の頭の高さは2mほどあり、オトナが大亀の前に立つと、頭が丁度亀の口のあたり。大亀が口を開ければ人間の頭が3人分入りそうなほど。大亀の大きさ、重量とその圧倒的存在感を実感いただけたでしょうか。

この石碑は多くの謎に包まれているのです。大亀を削り出す前の石材はもっと大きかったはず、どこからどう運んだのか?どうやって組み立てたのか?藩の大事業にも関わらず完成時期を記した史料も見つからないのだとか。

地元研究家による研究では、島根県久多見町(平田地域)の山中にある延命地蔵尊が刻まれた大岩が、月照寺にある大亀の石の親石との見立て。出雲市の久多見町(平田地域)は、宍道湖の西端から北西方向、宍道湖を挟み、月照寺のある松江市との距離は約30kmほどあり、巨石を運搬するのに、イカダなどで水路を使ったと考えられています。月照寺の山門近くまで松江城の堀川から引かれた水路跡があり、宍道湖と堀川経由で運ばれたという推測がなされていますが、具体的運搬方法など今も解明できない点が多く、ナゾのまま。ミステリアスな「月照寺の大亀」への興味は尽きません。

大亀の頭をなでると長生きできるという言い伝えがあります。背伸びしてなでていきましょう。

精緻な彫刻も見どころ

精緻な彫刻も見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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廟の門にも精緻な彫刻が施してあり見どころです。六代藩主廟門には仁王様。

精緻な彫刻も見どころ

写真:Mizuki Yoshi

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八代藩主の廟門を見上げてみて下さい。ヒョウタンの彫刻が堪能できます。

おわりに、

いかがでしたか。小泉八雲が愛した「月照寺の大亀」の圧倒的迫力を感じていただけたでしょうか。

月照寺は、松江市営バスや周遊バス・レイクラインで、JR松江駅から20分ほど。レイクラインでは松江出身の俳優佐野史郎さんの説明をタイミングよく入れながら市内の観光名所を巡ります。そんな説明に、月照寺を知らない観光客も思わず下車したくなるのです。ぜひ訪れてみてください。

月照寺では、1月さざんか、2月椿、3月下旬から桜、4月下旬頃からつつじ、すいれん、5月にはかきつばた、しょうぶ、ふじ、6月中旬頃あじさい、7月下旬頃さるすべり、11月紅葉など四季折々の花々や紅葉、緑、苔などが楽しめます。庭を眺めながら、名水での一服がおススメ。松江は和菓子処としても有名です。

宍道湖や堀川の水の力で「大亀」の巨石を運搬できたことは、水の都松江ならではと考えられます。百聞は一見に如かず、「月照寺の大亀」に会いに行く旅はいかがでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/11/19 訪問

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