写真:Kaycom D
地図を見る万座温泉は硫黄濃度日本一の温泉地で、古くから湯治場として多くの湯治客に利用されてきました。
温泉大国日本の中でも標高1000mを越える高地温泉は40数箇所しかなく、1800mの万座温泉はその中でも高位に位置しています。湯畑をはじめとした源泉はおよそ18ヵ所もあり、酸性硫黄泉の約80℃のお湯が一日540万リットル湧出。昭和24年には上信越高原国立公園に指定され、その山に囲まれた高地の環境と泉質の良さから「万病に効く温泉」としても知られています。
山を隔てたすぐ向こう側は天下の名湯「草津温泉」ですが、万座温泉の人に言わせると、万座のお湯は草津のものよりも少し優しいのだとか。そのため、草津のお湯が強すぎで肌にあわない人でも、万座のお湯だと大丈夫なことがあるそうです。
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地図を見る150年の歴史がある日進舘は万座温泉の一番奥にあり、もうもうと湯けむりを上げる湯畑や温泉街と山並みが一望できる見晴台、万座温泉スキー場にも近い場所に位置しています。
今まで多くの湯治客を受け入れてきており、現在も30泊までの湯治プランが用意されています。毎晩20時からはフロント前のロビーでイベントが開催され、時には、若女将自ら猫耳をつけて歌を披露することも。ロビーに集まったおじいちゃんおばあちゃんもタオルを振り回し大盛り上がりです。
常連のファンも多い日進舘ですが、この山奥の温泉地にまで来てくれたお客さんを少しでも楽しませ、満足して帰ってもらおうという気持ちが随所で感じられるお宿です。
日進舘のお風呂は4箇所(長寿の湯、極楽湯、万天の湯、円満の湯(貸切))で、さらに「長寿の湯」には「姥湯」、「姥苦湯・ささ湯」、「苦湯」、「滝湯」、「真湯」のお湯があります。
全部で9つの温泉に入ることができますが、その中でも「苦湯」は、色の濃い乳白色をした万座温泉最古の湯で、この温泉に入って難病を治したという人が数多くいるそうです。「真湯」は無色透明で一番普通のお湯に近いので、他のお湯があわなかった場合におすすめ。肌が弱い人は、上がり湯代わりに最後にザブッと入ってから出るのもいいかもしれません。
日進舘の中で一番眺めのいい露天風呂は別棟にある「極楽湯」で、万座の山並を一望できる他、夜は満天の星空、朝は日の出も見ることができます。
新館にある「万天の湯」は宿泊者しか入れないので、立ち寄り湯のお客さんが来る昼間に行くと、他のお風呂より空いている場合があります。
それぞれのお風呂は掃除の時間をずらしてあるので、朝から晩まで宿にいて温泉巡りをするのも可能。
お風呂上りには、ブナの天然林が広がる御飯岳の明神沢から引いている万座の名水「逢古の水」で水分補給をしましょう。
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地図を見る日進舘には、本館、新館、別館、ゆけむり館があり、長期滞在向けのゆけむり館が一番リーズナブル。特別室、和室、洋室などさまざまなタイプがあるので、旅の目的にあった部屋を選ぶことができます。トイレ付の部屋がいい場合は、別館以上の部屋にしましょう。
宿での食事は朝夕ともバイキングで、夕食は和洋中40種類以上、朝食は和洋30種類以上の料理が並びます。栄養やバランスも考えられ、滞在中に体の内外から健康になれるように気が配られています。
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地図を見る万座温泉はとてもこじんまりとした温泉郷なので、ほとんどの見所を歩いて周れます。
日進舘から山の方へ行くと、湯畑や薬師堂があり、その奥に熊四郎山への登山道が続いています。この山道を登っていくと、階段の途中に鳥居が建てられた熊四郎洞窟と稲綱宮神社があり、さらに進むと万座温泉が一望できる見晴台へたどり着きます。けっこう急な登りが続きますが、ここからの景色は絶景なのでおすすめ。
今度は反対に、日進舘から温泉街を抜けて下っていくと、牛池という小さな池があります。冬は雪と氷で閉ざされますが、その風景が幻想的でとても美しい。池の周りは一周できるので、雪に埋まっても大丈夫な靴を履いていたらぜひ歩いてみてください。
他にも、蒸気が温泉と共に吹き出す「空吹き」や、笠ヶ岳が見える万座峠などもあるので、宿に着いたら地図をもらって周辺情報をいろいろと聞いてみるといいでしょう。季節によっては、散歩の達人が案内してくれる早朝散歩ツアーもあります。
周りを大自然に囲まれた万座温泉は、山奥の秘湯の雰囲気をたっぷり味わえる温泉です。温泉街の規模も小さく歓楽街もないので、夜は真っ暗になりとても静か。温泉をメインに楽しみたい人には最高の場所です。紅葉シーズンなどの混雑時は予約が取りにくくなるので、予定が決まったら早めに宿の確保をしましょう。
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この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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