写真:沢木 慎太郎
地図を見るピーというのは精霊や妖怪、お化けといったもの。信仰をおろそかにすると災いをもたらすとされています。タイでは自宅の敷地や職場内、さらにはバスやタクシーの運転席にまで祠を見かけますが、それは信仰の深さの表れ。その土地に宿る悪霊を追い払い、良い運気を呼び込むため、お線香やジュースを祠にお供えしているのです。
そこで、最初にご紹介するピーは、バンコク女子に大人気のスポット「プラ・トリーム・ラティ」。ヒンドゥー教の神さまで、インド神話にも出てくる“官能”や“快楽”の女神ラティがまつられています。
ピーになぜ仏教ではなく、ヒンドゥー教の神さまがいるかといえば、日本の神道と仏教がごちゃまぜになっているように複雑な事情があるため。恋愛成就、縁結びの神さまということで、バンコク女子に非常に人気のあるスポットなのです。
白く美しい祠の前には、たくさんの薔薇の花々。この花の一輪一輪に、恋の成就を願う切ない思いが込められています。
場所は、バンコク中心部の巨大ショッピングモールの「セントラルワールドプラザ」や伊勢丹の前。毎週火、木曜日の21時30分に神さまが降臨するというから、ぜひこの日時をねらってお参りしてみてはいかが?
写真:沢木 慎太郎
地図を見る続いては、美人の女神さまをおまつりした祠「プラ・ラックスミー」。ピンクの衣装を身にまとい、非常にお洒落な神さまです。こちらは、幸運や美をつかさどるヒンドゥー教の女神ラクシュミー神。このような三角形のユニークな形をした祠は実に珍しい。
場所は、高級ブティックなどが入ったショッピングモール「ゲイソーン」の4階。さきほどご紹介した恋愛成就のスポット「プラ・トリーム・ラティ」の斜め向かい側にある祠で、知る人が知る穴場のパワースポットです。美人の女神さまにも心癒されるのでぜひ訪れてみて下さい。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る次は、バンコク中心部で最強のパワースポット「エラワン・サンプラプロム」。“エラワンの祠”として知られ、恋愛や仕事など、あらゆる運気アップに効果があり、タイ人から絶大な信仰を集めています。
こちらの祠にまつられているのは、ヒンドゥー教のブラフマー(宇宙の創造神)。仏教では“梵天”と言われ、日本でもなじみのある神さまです。「エラワン・サンプラプロム」ではいつもお線香の煙が立ち込め、幸せや健康を祈る人々がいっぱい。
実はこの祠には、不思議な伝説が。この地にホテル(グランド・ハイアット・エラワン・バンコク)を建設したところ事故が多発しましたが、ブラフマーをまつるエラワンの祠を置いたところ、工事が順調に進んだとか。
これがきっかけで、「どんな願いごとでもかなえてくれる神さま」という噂が広まり、今も多くの人々が祠を訪ね、お線香の煙がもうもうと絶えまなくたちこめています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るさきほどの「エラワン・サンプラプロム」ですが、特に金運アップに効果があるのです。むかし、あるおばあさんが「宝くじに当たったら、ここで踊ります」と祈ったところ、なんと大当たり。約束通りにおばあさんは祠の前で踊りました。それ以来、タイ舞踊が奉納されることになったとか。
エラワンの祠に祈りをささげ、願いごとがかなった人は、感謝の気持ちを神にささげるため、“奉納の舞い”を踊り子さんに依頼。一日に何十回も、きらびやかな衣装を身にまとったタイの伝統舞踊が見られるのですが、それだけ願いがかなった人が多くいるということ。「どんな願いごとでもかなえてくれる」という噂は本当かも!?
写真:沢木 慎太郎
地図を見る多くの人々から慕われているエラワンの祠ですが、この前で悲しいことに爆破テロが起こり、大勢の方々が犠牲者となりました。
祠にはシートがかけられ、一時は封鎖されましたが、犠牲者の冥福を祈る多くの人々にうながされるように祠をすぐに開放。厳戒態勢が敷かれる中で、再び標的にされる恐れがあるにもかかわらず、宗派をこえて多くの人々が夜遅くまでエラワンの祠で祈りをささげました。
爆風でぐにゃりと曲がった鉄柵の前には花束で埋め尽くされ、電車やバスの中でも祠に向かって、そっと手を合わすタイ人たちの姿も。テロには屈しない。そして、憎しみや嫉妬、恨み、怒りが、やがて愛に浄化される日が来るように。爆風で傷ついたブラフマン神は微笑を浮かべ、そんな時が訪れることを静かに待ち続けています。
3つめにご紹介した「エラワン・サンプラプロム」ですが、中央にまつられているブラフマー神は四面体となっており、4つの方向からお祈りすることが習わし。しかし、特に決まった参拝方法はなく、タイ人たちはそれぞれ好きな方向から参拝しています。
参拝に当たってはお線香や花をささげますが、路上に並んでいる店ではぼったくりもあるとの情報もあり、エラワンの祠内でお供え物を買い求めるのがベター。
ご紹介した3つの祠は、歩いて数分以内の位置にあり、バンコクの中心部を三角形に結ぶパワースポットとなっています。セントラルワールドプラザや伊勢丹、ゲイソーンでタイ土産を探す合間に参拝されてはいかがでしょうか?
なお、バンコクの寺院の巡り方や楽しみ方については別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
沢木 慎太郎
恋愛小説「星の流れに 風のなかに 宇宙の掌に」(※澤 慎一の名前で制作)が電子書籍化され、作家デビューしました。紀行小説「深夜恋愛特急」も、私のひそかなブーム。
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